JGPファイナル2016 女子FS

JGPファイナル2016 リザルト
女子FSは、現地時間2016年12月9日(金)に行われた。
後日、動画で全組の演技を見た。滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:好きだ! また見たい!
  • ○:よかった。
  • △:う〜ん、イマイチ。
  • ×:できれば変えてほしい…。
  • ?:まだ何とも判断が付きかねる。
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1 エリザベータ・ヌグマノワ(ロシア)

「ロミジュリ」から「白鳥の湖」にプログラム変更(戻したのかな?)。元気いっぱいのジュリエット、斬新でおもしろかったのに(笑)。
見た目は「白鳥」演じるバレリーナそのもの。可憐で清楚。
冒頭の3Lz<と3F<<(!がついた)で転倒したが、その後のジャンプはクリーンに着氷。3Lo+3LoをGOEプラスの出来で跳べるのは強みだよなぁ。あと、タノって、わたしの目にはあまり美しく映らないものも多いんだけど、彼女のタノはとてもきれいだと思う。
スピンは全てレベル4。どのスピンも素晴らしいが、特にレイバックは飛び抜けた美しさである。ステップはレベル3。軽やかでなめらか。バレリーナみたい。
フリー111.74、総合170.08。現時点で総合1位。

2 紀平 梨花(日本)

3A<<は途中で開いてしまい、転倒。次の3Lz+3Tは、軸が曲がったがこらえた。でもその他の要素は全てGOEプラス評価。スピンのレベルは3、4、4。Lsp4は最後のビールマンでちょい軸がぶれた。ステップはレベル4。音楽に寄り添うかのように演じていた。
後半、音楽と共に疾走感が増していき、どんどんジャンプを降りていった。JGPリュブリャナのときの興奮を思い出したよ。
フリー120.38、総合175.16。現時点で総合1位。

3 坂本 花織(日本)

3Lzにeが。3F<で転倒。3Loはオーバーターン。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。エッジのインとアウトを使ってなめらかに滑っていた。
最後までスピードが落ちなかったんじゃないかな。バテなくなったよね。
ジャンプの高さは本当に素晴らしい。ただ、ファイナルの舞台で見ると、やはり上半身の動きが硬いというか限定的に見えるんだよねぇ。でも本人比でどんどんよくなっているし、スケートはよく滑っていたと思う。
フリー111.85、総合176.33。現時点で総合1位。

4 アナスタシア・グバノワ(ロシア)

全ての要素にジャッジ全員が+1以上を出している。スピンは全てレベル4。スピンに入るときの足の動きさえ音楽に合っている。ステップはレベル3。緩急のある動きが美しい。
クリーンな演技だった。感極まるグバノワさん。
3Lzの前後はちょっと力が入るんだけど、他はSP同様、エフォートレスでシームレスな演技だった。
悲劇にひた進んでいく王道のジュリエットを、みごとに演じていた。全ての動きが音楽と調和し、その美しさにうっとり見入ってしまう。
フリー133.77、総合194.07で、FSは自己ベスト更新! 現時点で総合1位。

5 アリーナ・ザギトワ(ロシア)

3Lz+3Lo<以外は、全要素でGOEプラス評価。スピンとステップは全てレベル4。全てのジャンプを流れの中で跳んでいた。しかもタノりまくっていた。
エレメンツの正確性と質の高さが極めて素晴らしい。
フリー136.51、総合207.43で、SP同様、FSも自己ベスト更新! 総合1位に決定。うっわー、こりゃシニアのファイナルでも表彰台に上がれそうなハイスコアだわ。

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◆総合順位
女子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Alina ZAGITOVA RUS 207.43 1 1
  2. Anastasiia GUBANOVA RUS 194.07 3 2
  3. Kaori SAKAMOTO JPN 176.33 2 4
  4. Rika KIHIRA JPN 175.16 5 3
  5. Elizaveta NUGUMANOVA RUS 170.08 4 5

WD Marin HONDA JPN

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◆総評
優勝はザギトワさん。初優勝おめでとう☆ 直前に滑ったグバノワさんの、ジュニア女子歴代最高得点をすぐさま更新し、総合得点での歴代最高をも更新した。強かった。
…ただなぁ、プログラムを見た後に、「ジャンプすごかったねぇ」という感想しか残らないのが、少しさみしい。や、もちろんジャンプだけの選手じゃなくて、スケーティングも表現もすばらしいんだけど、彼女のジャンプ力を前面に押し出したプログラム構成だから、どうしてもジャンプばかり印象に残っちゃうんだよねぇ。
総合2位はグバノワさん。JGP初表彰台、おめでとう☆ 彼女のスケーティングと表現にメロメロリンです☆ 今季ジュニアデビューしたおそろしあ〜な女子選手の中で、一番のお気に入り☆ 世界ジュニアに派遣されるよう、国内選手権がんばって!!
3位は花織ちゃん。JGP初表彰台、おめでとう☆ でも、彼女自身はFSの演技直後に悔し涙をこぼしたらしい。「ロシアの選手が凄すぎて、引いてしまった」という言葉に深く共感を覚えた。ほんと、ロシアの選手はすごすぎだよね! 引いちゃうよね! でもきみも十分すごいから! この経験を糧にして、世界ジュニアでは思い切った演技ができますように。
4位は紀平さん。すごく緊張していたらしい。でも、そんなに緊張してあれだけの演技ができるなんてさすがだなぁと思う。全日本ジュニアではまさかの11位で、全日本に出場できないのが残念でならない。SPもFSも大好きなプログラムなので、もっともっと見たかったよーう!!(泣)
5位はヌグさん。急遽出場が決まって、調整が大変だったろうに、ジャンプの転倒が2つあったものの、きっちり演技をまとめてきた。レイバックスピンは世界一じゃないかと思えるほどすばらしい。
やっぱロシア女子は強いな〜。誰が出てきても、世界ジュニアの表彰台独占の可能性が大いにある得る。それを阻めるとしたら日本女子しかいないのではなかろうか。