ロシア選手権2017 アイスダンスFD

ロシア選手権2017 リザルト
ロシア フィギュアスケート選手権2017のアイスダンスFDは、現地時間2016年12月23日(金)に行われた。2016年に行われるのに、2017と銘打ってるんだな〜。
Jスポーツの放送では、解説が東野章子さん、実況は小林千鶴さん。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:好きだ! また見たい!
  • ○:よかった。
  • △:う〜ん、イマイチ。
  • ×:できれば変えてほしい…。
  • ?:まだ何とも判断が付きかねる。
                                                                                                                                        • -

●第1グループ
2 L. SOSNITSKAIA / P. GOLOVISHNIKOV リュドミラ・ソスニツカヤ / パヴェル・ゴロヴィシニコフ

  • SD順位:9,得点:52.58
  • 楽曲:OST Immigrants
  • プログラム:○

3年連続出場。過去2回はともに7位。
ゴッドファーザーの音楽。
CiSt2のフリーレッグがきちんと伸びてて気持ちいい。STw1のファーストで女性が足をついてしまった。その後、セカンドで回転もズレた。
映画「ゴッドファーザー」の有名なメロディーを、切々と情感を込めて演じていた。
フリー75.47、総合128.05。

3 ソフィア・エフドキモワ / エゴール・バジン

  • SD順位:6,得点:60.85
  • 楽曲:
    • Hip Hip Chin Chin performed by Club des Belugas
    • Temptation performed by Diana Krall
  • プログラム:○

CoSp4に入る動きが独創的で素敵☆ SeSt3は、曲想をよく表していたと思う。ChSp1はお互いの足を絡めて回転するのだが、よくもまぁこんなポジションでスピンができるものだ。
GPロステレでは、正直、何をやってるのかよく分からなかったのだが、それと比べるとプログラムが大分仕上がり、ようやくその全容を理解することができた。
勢いよく元気に演じられていて良かったが、ところどころワチャワチャ動いているように見えるので、そこがクリアーになってくると、より素敵なプログラムになるのではなかろうか。
フリー91.30、総合152.15。

4 Maria STAVITSKAYA / Andrey BAGIN マリア・スタヴィツカヤ / アンドレイ・バギン

  • SD順位:7,得点:56.28。
  • 楽曲:OST Pride and Prejudice
  • プログラム:△

楽曲名を見て興奮!! 映画「高慢と偏見」のサントラですと!?
STw3の回転がズレた。最後の要素はコレオスピンのつもりだったと思うのだが、規定を満たしていなかったようで、ノーバリュー。女性が氷スレスレで横たわって回転するという超スゴ技で、見た目もきれいだっただけに、もったいなかった。
…う〜ん、なんというか、ピリッとしない演技だった。プログラムがすーっと流れていかないんだよね。一つのプログラムを滑っているというより、一個一個のエレメンツをこなしているような。
フリー82.95、総合139.23。

5 Vasilisa DAVANKOVA / Anton SHIBNEV ワシリーサ・ダワンコワ / アントン・シブネフ

男女ともに黒一色の衣装か〜。デザインもモダンな感じで、ロミジュリでよく見る古風なタイプじゃないなぁ。
STw4は、キレよく回転も速く、回転も大体合っていた。
一つ一つのエレメンツはそつなくこなしているのだが、まだ一つの作品にはなってないかなぁという感じ。でも、美男美女で雰囲気も合ってるし、滑りも良いので、これからの成長が楽しみだ。
フリー86.41、総合139.44。

第1グループが終わって、総合1位は、ソフィア・エフドキモワ / エゴール・バジン。

                                                                                                                                        • -

●第2グループ
6 ティファニー・ザホルスキー / ジョナサン・ゲレイロ

千鶴さんによると、女性は祖父がロシア人で、祖母がアイルランド人だそうだ。男性はオーストラリア生まれで、母親がロシアの元アイスダンス選手、父親がポルトガル人でアイスショーのツアーマネージャー。う〜ん、国際的なカップル☆
女性が足を男性の首にひっかけてくるくる回すCuLi4は、相変わらず凄かった。あと、プログラムを通して、女性の足のラインが本当にきれいで、ついついそこに目がいってしまう。
前のグループからいきなりスケーティングスキルが上がったのを感じた。一蹴りがのびるのび〜る。
東野さん曰く、「後半ちょっとペースダウンしてしまったかな」とのこと。
フリー100.45、総合169.46。現時点で総合1位。

7 エレーナ・イリニフ / ルスラン・ジガンシン

  • SD順位:4,得点:73.22
  • 楽曲:
    • Slumdog Millionaire (soundtrack)
    • Ang Laga De by Aditi Paul
  • プログラム:○

クリーンで、とても良い演技だった。2つのステップがレベル3で、他の要素は全てレベル4。東野さんもほめていたのだが、個人的に、動きがちょっと重いように感じた。
結成して3シーズン目に入り、この二人ならではの味わいが出てきたように感じる。
フリー105.06、総合178.28。現時点で総合1位。
「…あれ、減点1が取られてる。リフトの時間オーバー?」と思ってプロトコルを確認したら、「衣装の失敗(Costume failure)」だった。衣装の一部が氷上に落ちてしまったか。

8 ヴィクトリア・シニツィナ / ニキータ・カツァラポフ

  • SD順位:3,得点:73.78
  • 楽曲:Tango Ballet by Astor Piazzolla
  • プログラム:〇
  • 動画:YouTube

女性が少し崩れた髪型で、退廃的でエロい雰囲気(笑)をどしどし醸し出していた。素敵☆
東野さんが指摘していたように、すごく気持ちが入っていて、気迫がビンビン伝わってきたが、その気持ちが強すぎて、ステップが両方レベル2。ダンススピンもレベル3と、レベルを取りこぼしてしまった。
でも、男女のバランスが改善され、GPのときのように、男性が悪目立ちすることはなくなった。
フリー104.67、総合178.45。現時点で総合1位。

9 エカテリーナ・ボブロワ / ドミトリー・ソロビエフ

  • SD順位:1,得点:81.40
  • 楽曲:
    • Prelude No. 20 by Frederic Chopin
    • The Four Seasons arranged by Nigel Kennedy
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

サーキュラーステップはレベル3だが、他の要素は全てレベル4。ジャッジが+2か+3しか出していない。
東野さんは、「別格。非常に気迫のこもった、いろんなドラマが後ろに見えてくるような演技。技術的にもたいへん完成されている。エッジが非常にクリーンで、すばらしかった」とほめちぎっていた。
間違いなく今季ベストの演技だったが、もうこれはわたし個人の感性の問題なんだろうなぁ。GPファイナルでも同じような感想を書いたけど、終盤、音楽が「四季」に変わり、DiSt4が始まるところで二人とも歓喜の表情を浮かべて滑っているのに、どうしても違和感を覚える。わたしの中では、ここで使われている「四季」の音楽が、喜びとは結びつかないんだよねぇ。

フリー115.86、総合197.26。現時点で総合1位。

10 アレクサンドラ・ステパノワ / イワン・ブキン

  • SD順位:2,得点:76.47
  • 楽曲:
    • Libertango by Astor Piazzolla, arranged by E. Runge, J. Ammon
    • Verano Porteno by Astor Piazzolla
    • Primavera Portena by Astor Piazzolla
    • Libertango by Astor Piazzolla
  • プログラム:〇
  • 動画:YouTube

ステップは両方レベル3だが、他の要素は全てレベル4。+1が1つだけであとは+2と+3だけ。
あっという間に終わってしまった。たいへん素晴らしい演技だったが、ステップで、スケーティングの伸びが、ちょっと控えめだったように感じた。緊張していたのかも。あるいはキレッキレのボブロワ組の後だからそう見えたのかも。
まったくエロくない、色っぽさを感じないタンゴだが、これはこれでアリだと思う。できればステップでもっと魅せてほしいけど、リフトやツイズルは見るたびに驚かされるほど凄いもんな。
フリー113.07、総合189.54。総合2位に決定。

                                                                                                                                        • -

◆総合順位
アイスダンスの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、所属名、得点、SD順位、FD順位の順に記されている。

  1. Ekaterina BOBROVA / Dmitri SOLOVIEV MOS 197.26 1 1
  2. Alexandra STEPANOVA / Ivan BUKIN MOS 189.54 2 2
  3. Victoria SINITSINA / Nikita KATSALAPOV MOS 178.45 3 4
  4. Elena ILINYKH / Ruslan ZHIGANSHIN MOS 178.28 4 3
  5. Tiffany ZAHORSKI / Jonathan GUERREIRO MOS 169.46 5 5
  6. Sofia EVDOKIMOVA / Egor BAZIN SAM 152.15 6 6
  7. Vasilisa DAVANKOVA / Anton SHIBNEV MOS 139.44 8 7
  8. Maria STAVITSKAYA / Andrey BAGIN MOS 139.23 7 8
  9. L. SOSNITSKAIA / P. GOLOVISHNIKOV MOS 128.05 9 9
  10. Anastasia SAFRONOVA / Ilia ZIMIN SPB 112.22 10 10
                                                                                                                                        • -

◆総評
SD同様、FDもGOEの出方が気前いいな〜と感じたが、実際の演技がいいからそうなのか、国内選手権だからそうなのかの判断がつきかねる。全日本だと、国際大会よりかえって厳しいんじゃないかと感じるぐらいなのだが、日本が特別なのかなぁ、やっぱり。
さて、優勝はボブロワ&ソロビエフ。えーとこれで6度目の優勝か。このアイスダンス大国ロシアにおいて、6回も優勝するなんて。偉業である。
2位は、ステパノワ&ブキン。TES、PCSともにボブロワ組に次いで2位。国内外での評価を完全に覆し、ロシアの2番手としての地位を確立させましたな。3位に、総合得点で11点差もつけている。
3位は、シニツィナ&カツァラポフ。4位とは1点差もなかった。危なかったわ〜(汗)。ここで表彰台に上がれるか上がれないかで、天と地の差があるから、3位を死守できてよかった。
4位は、イリニフ&ジガンシン。「衣装の失敗」による減点1さえなければなぁ…(泣)。FDでは3位だったんだけどねぇ…(ため息)。

                                                                                                                                        • -

◆出場者

  • ユーロ:
    • エカテリーナ・ボブロワ / ドミトリー・ソロビエフ
    • アレクサンドラ・ステパノワ / イワン・ブキン
    • ヴィクトリア・シニツィナ / ニキータ・カツァラポフ

ユーロの結果を見てからワールドの代表を決めるそうだが、今季の実績を見ると、上位2組が順当に選ばれそうだなぁ。

  • ユニバーシアード
    • エレーナ・イリニフ / ルスラン・ジガンシン
    • ソフィア・エフドキモワ / エゴール・バジン
    • ワシリーサ・ダワンコワ / アントン・シブネフ

イリニフ組が堂々の優勝候補でしょうな。ロシアはユニバ代表も豪華だわ〜☆