全米2017 女子FS
全米2017 リザルト
女子FSは、現地時間2017年1月21日(土)に行われた。
Jスポーツの解説は鈴木明子さん、実況は小林千鶴さん。
選手全員の演技について、滑走順に感想を書いている。
去年、全米2位のポリーナ・エドマンズが、怪我のため欠場(泣)。昨季の全米の後、ずっと試合に出られてないんだよねぇ。怪我が長引いてるなぁ…(ため息)。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。
- ◎:好きだ! また見たい!
- ○:よかった。
- △:う〜ん、イマイチ。
- ×:できれば変えてほしい…。
- ?:まだ何とも判断が付きかねる。
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●第1グループ
1 Hannah Miller ハナ・ミラー, Lansing SC
- SP順位:17,得点:48.73
- 楽曲:
- プログラム:○
SP同様、FSも第一滑走。
ジャンプが不調で、転倒あり、抜けが複数あり。結果的に2Tを4回跳んでしまい、2つの2Tはノーバリュー…(泣)。スピンとステップは全てレベル4。ステップで、アッコさんが「足首の使い方が柔らかく、エッジが深い」とほめていた。
ボディームーブメントは素敵で、特に最後の要素のコレオに入る前、激しい曲想に変化し、その違いをよく表現していたのだが、転倒し、演技に戻るのに時間がかかってしまった。エンディングも印象的で、彼女の良さを生かした、素敵なプログラムだっただけに、クリーンな演技が見られず、残念だ。
フリー85.51、総合134.24。
2 Megan Wessenberg メーガン・ウェッセンバーグ, SC of Boston
- SP順位:16,得点:48.96
- 楽曲:
- James Bond Theme
- Writing On the Wall
- Diamonds Are Forever
- プログラム:○
序盤は質の高いジャンプをキレよく降りていたのだが、中盤の3Sの転倒以降、動きが悪くなってしまった。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
アッコさん曰く、「転倒から動きが硬くなり、滑りが浮いてしまった」とのこと。
パワフルな滑りができる選手なので、映画「007」のテーマ曲は、よく合っていたと思う。
フリー112.81、総合161.77。
3 Courtney Hicks コートニー・ヒックス, All Year FSC
- SP順位:18,得点:46.02
- 楽曲:The Hunchback of Notre Dame (soundtrack) by Alan Menken
- プログラム:○
実力者コートニーが第1グループでの滑走とは…今季GPの表彰台にも乗ってるのに…(涙)。
3F+2Loで着氷が乱れ、3T+2Tでややこらえたところで減点されたが、他の要素は全てGOEプラス。
スピンとステップは全てレベル4。終盤、音楽が大いに盛り上がるコレオで、スピードと迫力を感じさせる滑りを見せてくれた。
演技後、ガッツポーズ。
このフリーでは、彼女本来の高くキレのあるジャンプが見られて嬉しかった。SPのミスからよく切り替えて頑張ったよー。えらいよー。
フリー119.17、総合165.19。
4 Rebecca Peng レベッカ・ペン, SC of Boston
- SP順位:19,得点:41.08
- 楽曲:Music from Dr. Jekyll and Mr. Hyde
- プログラム:○
ジャンプの回転不足が目立った。スピンのレベルは3、2、3。ステップはレベル2。激しい曲想をエネルギッシュにキレよく演じていた。ステップの後はコレオで、曲想がガラッと変わるのだが、その違いを出し、切々と歌う女性ヴォーカルをしっとりと表現していた。
アッコさん曰く、「上半身の動きが良かった。それに滑りがついてくるといい」とのこと。
フリー93.28、総合134.36。タイムバイオレーションで減点1とられた。もったいない〜。
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●第2グループ
5 Ashley Shin アシュリー・シン, Dallas FSC
- SP順位:14,得点:49.86
- 楽曲:Concierto de Aranjuez
- プログラム:△
2Aで転倒。他もクリーンな着氷にならず、全てのジャンプでGOEマイナスをとられてしまった。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル3。
まだ、プログラムを魅せる段階まで達していない印象を受けた。後半、音楽がテンポアップするのだが、動きがあまり変わらず。ここでギュイーンとスピードアップできると盛り上がりそうなんだけど。
フリー78.01、総合127.87。
6 Amber Glenn アンバー・グレン, Dallas FSC
- SP順位:12,得点:56.34
- 楽曲:ラプソディー・イン・ブルー
- プログラム:○
3Lz+3Tのファーストがダブルに。2つの3Fをどちらとも連続ジャンプにできず、連続ジャンプが2つしか入らなかった。大きな得点源だったので、決めておきたかった。
スピンとステップは全てレベル4。終盤のステップで、もう少し上体を大きく、立体的に動かせるようになると、さらに素敵なプログラムになるんじゃないかな。
終盤、スケートが滑らなくなっているように感じたが、アッコさんは、「後半まで非常に勢いが感じられた」とほめていたので、わたしの気のせいか。
フリー116.29、総合172.63。得点を見て、選手がとても喜んでいる。
7 Franchesca Chiera フランチェスカ・キエラ, Panthers FSC
- SP順位:13,得点:53.97
- 楽曲:At Last
- プログラム:○
昨季から続行のプログラム。
2Aが1つ、シングルになった他、アンダーローテを3つ取られていた。スピンのレベルは2、4、3。1本目のCCoSp2でバランスを崩してしまった。3本目のLSp4は、回転がゆっくりに。ステップはレベル4。アッコさんが指摘していた通り、よく滑っていた。
演技が終わり、選手はとっても嬉しそう。最後までスピードが落ちず、のびのびと楽しそうに滑っていた。
アッコさん曰く、「プログラム構成は、つなぎが凝っていて、ジャンプを跳ぶ前、スピンに入る前に工夫が見られた」とのこと。
コーチはトルガシェフくんのお父さん。
フリー104.44、総合158.41。
8 Katie McBeath ケイティー・マクビース, Westminster FSC of Erie
- SP順位:15,得点:49.33
- 楽曲:映画「マスク・オブ・ゾロ」より
- プログラム:○
3Fと2A+1T+2Lo<<で転倒。他も着氷がクリーンなジャンプがほとんどなかった。
スピンは全てレベル4。FSSp4は悪くないと思ったのだが、GOEマイナス。CCoSp4は最後軸がよれて字回転速度が遅くなってしまった。
ステップはレベル3。中盤のステップで、打楽器の金属的な音がリズムを刻んでいるのだが、もっと歯切れよく、キレよく動けると、さらに素敵なプログラムになるんじゃないかなと思った。
冒頭のコレオの振付が曲想にとても合っていて、惹きつけられた。
フリー91.87、総合141.20。
9 Angela Wang アンジェラ・ワン, Salt Lake Figure Skating
- SP順位:11,得点:58.16
- 楽曲:映画「きみに読む物語」より,イン・ザ・ムード
- プログラム:○
3Loタノ。332.3Lzこら。コレオ。スピン。32A。1F。3S転倒。2Aと。ステップ。キレがなくなってきた。疲れたか。弾むような感じがほしい。スピン。
連続ジャンプが2つしか入らず、3Fの予定がシングルに。とはいえ、全要素の中で減点されたのは、3Sの転倒のみ。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル4。
2曲つなげたプログラムで、前半と後半ではガラッと曲想が変わるのだが、そのつなぎ方がすごく自然でとても素敵だった。
実況陣が話していたように、前半のしっとりした部分はとても良かったのだが、後半、「イン・ザ・ムード」に変わったところから、ジャンプのミスが出てしまった。
SPでも思ったことだが、ワンさん、ほんとに上手になったなぁ。曲の演じ分けもよくできていたが、転倒がなかったら、もっとできたんじゃないかと思われるだけに残念だった。
アッコさんが、「音楽の表現が豊か。滑っている姿勢が非常に美しい。彼女ならではの空気感というか余韻を作ることができ、ぐっと引き込む力がある」とほめていた。
フリー116.97、総合175.13。
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●第3グループ
10 Bradie Tennell ブレイディ・テネル, Wagon Wheel FSC
- SP順位:9,得点:59.77
- 楽曲:映画「ミッション」より
- プログラム:○
後半、ジャンプの抜けや着氷の乱れなど、ミスが続いてしまった。スピンとステップは全てレベル4。どのスピンも質が高く、スピンが得意な選手の多い全米においても際立っていた。前半のステップは、拍に合わせた動きが印象的。終盤、コレオのスパイラルの美しさに胸打たれる。
姿勢やポジションが美しくて本当に素敵☆ 上手になったなぁ。
フリー110.21、総合169.98。
11 Livvy Shilling リヴィー・シリング, Sun Valley FSC
- SP順位:10,得点:59.73
- 楽曲:Concerto for Sitar and Orchestra/Kamasutra
- プログラム:○
3Loと2A<<の転倒があり、他にもいくつかジャンプにミスがあった。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。音を細かくとる動きが印象的。キレがあった。
SPですっかり虜にされたリヴィーさん。FSでも、エキゾチックなインド音楽をよく表現していたし、曲想の違いも演じ分けできていた。彼女の音楽表現は、彼女ならではの独創性があって、素敵だなぁと思う。
アッコさん曰く、「最初から最後まで、スピン中も、手をこまやかに動かしていた」とのこと。
フリー102.17、総合161.90。
12 Paige Rydberg ペイジ・ライドバーグ, All Year FSC
- SP順位:8,得点:61.60
- 楽曲:Music from Evita
- プログラム:○
3S<<の転倒以外にも、ジャンプのミスがいくつかあり、連続ジャンプが2つしか入らなかった。
スピンのレベルは4、4、3。スピンのとき、腕の使い方やフリーレッグが優雅で素敵なのだが、最後の要素、FCSp3は、跳んだあと後、ぶれてしまったせいか、GOEマイナス。ステップはレベル2。アッコさんによると、「ターンの最後の部分までエッジに乗れていない」とのこと。それでレベルを取りこぼしちゃったのかな。ステップやコレオの動きは美しいのだが、余韻というかタメがほしい。
後半、表現がちょっと淡白になった印象を受けた。
フリー105.32、総合166.92。
13 Caroline Zhang キャロライン・ジャン, All Year FSC
- SP順位:7,得点:62.55
- 楽曲:ミッション
- プログラム:○
残念ながら3Lzにeが。でも、ジャンプの減点はそこだけ。後半の3Lo+3Loはすばらしく、場内からも歓声が上がっていた(GOE 1.40)。
スピンのレベルは3、4、3。ステップはレベル3で、進むスピードも動くスピードも遅く、GOEマイナス。
申告通り全てのジャンプを降りることができた。やりきったーーー!!! 場内スタオベ。
演技が終わった後の笑顔に、これまでのいろんな思いがこもっているようで、胸がじーんと熱くなった。
ステップの動きのみ精彩を欠いており、本来の彼女はステップでの表現も素敵だっただけに、気になった。実況陣は、「ステップで元気がなく、あまり滑っていなかったが、体力配分のためか。後半に備えていたのかも。後半の勢いは素晴らしかった」と話していた。
フリー120.27、総合182.82。
14 Mariah Bell マライア・ベル, Rocky Mountain FSC
- SP順位:6,得点:63.33
- 楽曲:East of Eden by Lee Holdridge
- プログラム:○
冒頭の3Lz+3Tでオーバーターンし、次の3Loで両手をついた。が、GOEで減点された要素はその2つだけ。他の要素は全てGOEプラス。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
アッコさんが指摘していた通り、前半ちょっと硬さが見えたが、後半にいくにしたがって、ジャンプもよくなり、スケートもよく伸びていた。終盤のコレオは、音楽にマッチしていて本当に素敵☆
アッコさんが、「音楽に合わせたジャンプやスピンなどの技術の入れ方が際立つプログラム。そのことがジャンプの加点につながるし、トランジションの評価にもつながる。今の採点をよく理解したプログラム作りを行っている」と話していた。
フリー134.59、197.92。
第3グループが終わって、総合1位はマライア・ベル。
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●第4グループ
15 Gracie Gold グレイシー・ゴールド, Wagon Wheel FSC
- SP順位:5,得点:64.85
- 楽曲:Daphnis and Chloe by Maurice Ravel
- プログラム:◎
冒頭の3Lz+3Tはクリーンに着氷できたのだが、後半のジャンプは、抜けが続いてしまった。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル4。ステップから怒涛の勢いで最後まで惹き込まれた。
スケートはよく滑っており、ボディームーブメントはと〜〜っっても美しく、音楽をよく表現していたのだが、ジャンプの抜けが…抜けがぁああああ…!!(泣)
アッコさんによると、ジャンプの抜けは、踏み切ったときに、自分のタイミングでないときに起こってしまうものらしい。一番悪い時からは復調しつつあるようだが、もう少し時間が足りなかったかなぁ。
「今はまだ出せなかったとしても、やってきたことはけして無駄にならない。まだ上っている途中だと思って、つなげてほしい」というアッコさんの言葉にぐっときた(感涙)。
フリー114.77、総合179.62。現時点で総合3位。
16 Tessa Hong テッサ・ホン, Broadmoor SC
- SP順位:4,得点:65.02
- 楽曲:Caruso by Lucio Dalla
- プログラム:○
おそらく後半に全てのジャンプを連続して跳ぶという構成に挑んだが、1つがダブル、2つがシンブルになってしまい、連続ジャンプが1つしか入らなかった。スピンとステップは全てレベル4。
中盤でジャンプの抜けが続いていたとき、場内の「がんばれ〜」という拍手や歓声がすごかった。…フィギュアスケートを愛する人々は、万国共通でみな温かいよね…(感涙)。
序盤のコレオとステップでは、彼女ならではの体のラインの美しさ、余韻を感じさせる動きを堪能できた。
アッコさんが、「このようにジャンプが連続しているプログラムだと、ジャンプが抜けてしまったときに立て直すのが難しい」と語っていた。
フリー103.72、総合168.74。現時点で総合7位。
17 Karen Chen カレン・チェン, Peninsula SC
- SP順位:1,得点:72.82
- 楽曲:Tango Jalousie by Jacob Gade
- プログラム:○
クリーンな演技だった。ミスと言えば、2A+1Lo+3Sのサードがダブルになったくらい。高くて大きな3Lzは本当に素晴らしい。スピンとステップは全てレベル4。全ての要素がGOEプラス。見せ場であるコレオのスパイラルでは、場内から大歓声&拍手が上がっていた。
最後まで勢いが落ちることなく、滑り切った。わたしが見てきた限り、彼女の最高のパフォーマンスだったと思う。
アッコさん曰く、「彼女のジャンプは、ふっと浮いてから回転がかかる、ディレイドジャンプなので、回転不足を取られやすいが、今回はジャンプが高く、回転に余裕があった」とのこと。
フリー141.40、総合214.22。現時点で総合1位。
18 Ashley Wagner アシュリー・ワグナー, SC of Wilmington
- SP順位:3,得点:70.94
- 楽曲:Exogenesis Symphony Part III by Muse
- プログラム:◎
衣装がシルバーから濃い赤へ。こちらも素敵☆
3F+3T<で、ちょいGOEマイナス。最後のジャンプ3Lz+1Tで加点なし。他の要素は全てプラス評価。
スピンのレベルは4、4、3。最後の要素、FCCoSp3で、回転がゆるみ、軸がぶれたように見えた。ステップはレベル4。一瞬ちょっとバランスを崩したように見えたけど、レベルや出来栄え点には影響なさそう。
アッコさんが、「じんわりと染み入るような、その中に強さも感じさせる。緩急の使い方が非常に明確で、ぐぐ〜っと惹き込まれた」とほめていた。
細部まで心配りされていて、よくコントロールされているなぁと感じた。あとはその制御を突き抜けるようなパッションを感じさせてほしい。…すいません、贅沢言って。でもアシュリーならできると思うの。
フリー140.84、総合211.78。現時点で総合2位。
19 Mirai Nagasu ミライ・ナガス, Pasadena FSC
- SP順位:2,得点:71.95
- 楽曲:The Winner Takes It All performed by Sarah Dawn Finer
- プログラム:△
明るいブルーの衣装に変更。すごくきれいな色だなぁ。
冒頭の3F+3Tはよかったのだが、次の3Lzで転倒。その後、着氷の乱れるジャンプが続いてしまった。スピンとステップは全てレベル4。
アッコさんの話によると、ジャンプで回りたい気持ちが大きすぎて、失敗につながってしまったらしい。「ジャンプに集中するあまり、プログラムが少し途切れた印象があった」とのこと。
GPSから感じていたことだが、このフリー、旋律はとても美しいけど、助けてくれない曲だよなぁ。表現するのが難しく、淡々と滑っているように見える。滑りこんでいけば変わるかなぁと期待していたが、残念ながら、全米には間に合わなかった。
フリー122.95、総合194.90。総合4位に決定。3位に入れなかったか〜。結果を見て、ガックリうなだれるミライちゃん。
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◆総合順位
女子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、所属名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。
- Karen Chen, Peninsula SC 1 1 214.22
- Ashley Wagner, SC of Wilmington 3 2 211.78
- Mariah Bell, Rocky Mountain FSC 6 3 197.92
- Mirai Nagasu, Pasadena FSC 2 4 194.90
- Caroline Zhang, All Year FSC 7 5 182.82
- Gracie Gold, Wagon Wheel FSC 5 9 179.62
- Angela Wang, Salt Lake Figure Skating 11 7 175.13
- Amber Glenn, Dallas FSC 12 8 172.63
- Bradie Tennell, Wagon Wheel FSC 9 11 169.98
- Tessa Hong, Broadmoor SC 4 14 168.74
- Paige Rydberg, All Year FSC 8 12 166.92
- Courtney Hicks, All Year FSC 18 6 165.19
- Livvy Shilling, Sun Valley FSC 10 15 161.90
- Megan Wessenberg, SC of Boston 16 10 161.77
- Franchesca Chiera, Panthers FSC 13 13 158.41
- Katie McBeath, Westminster FSC of Erie 15 17 141.20
- Rebecca Peng, SC of Boston 19 16 134.36
- Hannah Miller, Lansing SC 17 18 134.24
- Ashley Shin, Dallas FSC 14 19 127.87
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◆総評
全米女子フリーを見て、改めて「安心と信頼のアメリカ女子」という印象を受けた。みんな上手いし、基本がきっちりできている。SPの総評でも書いたけど、ヘンてこプロとかトンデモ編曲とか奇抜な衣装とかないし、安心して見ていられる(笑)。
そんな「安心と信頼のアメリカ女子」の頂点に立ったのは、カレン・チェン☆ 初優勝おめでとう!! SP、FSともに1位の完全優勝である。ビュンビュン滑るスケーティングと、でっかい3Lz、高速スピン、そして美しいスパイラルと、いくつも武器を持つ選手なので、今季後半のさらなる飛躍を期待している。
2位のアシュリーは強かった。実況陣も感心してたけど、ほんと、心が強い。ただ、不安材料がないわけではなく、今季これまでの彼女の演技を見てきて、スピンのレベル獲得に苦労している印象を受ける。今は十代の選手が全てのスピンでレベル4を当たり前のように取ってくる上に、加点をガンガン稼いでくるので、どちらかと言うと、スピンが得意ではないアシュリーは、不利なんだよね。ま、そんなこと、彼女は百も承知で、少しずつ着実に改善を進めている様子がうかがえるので、大丈夫だろうとは思うのだが、やはりファンなので、つい余計なお世話的心配をしてしまうのである(苦笑)。
3位はベルちゃん。フリーでは、緊張しているのがこちらにも伝わってきたが、緊張の中、冒頭ミスがありつつも、落ち着きを取り戻し、自分の演技を披露できた姿を見て、頼もしく思った。2年前の全米で初めて彼女の演技を見て以来、ずっとファンなので、彼女が全米の表彰台に上がれたことが嬉しくてたまらない。
4位はミライちゃん。3位以内に入り、ワールド代表に選ばれる、またとない機会だっただけに、ものすごく残念だ。個人的に、ミライちゃんは、最近当たりプロに恵まれてない印象なんだよなぁ。特にフリーが。今回、ベル→グレイシー→カレン→アシュリーときて、彼女のフリー・プログラムを見て、やっぱ弱いな〜と感じてしまった。ミライちゃんには、もっと派手な音楽の方が合うんじゃないかなぁ。クラシックの壮大な交響曲とか協奏曲とか。あるいはもっと強くてパキパキっとした曲。フラメンコとかタンゴとか。
5位はキャロちゃん!! 去年、臀部と股関節の手術を受けた彼女が、全米の表彰台まであとわずかというところまで戻ってきてくれて、本当に嬉しい。彼女の演技を見ながら、体形変化や怪我で苦しんできたことが思い出され、泣けてきて仕方なかった。ステップを見るに、まだ全快とは言えないんだろうなぁと感じたが、今できることをきっちり見せてくれた。
6位はグレイシー。今季のSPもFSは、オリンピックシーズンのプログラムでもいいほど素晴らしい出来栄えで、特にフリーの「ダフニスとクロエ」は、彼女の代表作となる可能性大だっただけに、ジャンプの不調と重なってしまったことが、本当に本当に無念でならない。…「ダフニスとクロエ」、来季も継続してくれないかなぁ。彼女にとっては、嫌な思い出のプログラムになっちゃったかなぁ(泣)。
10位のホンちゃんは、FS16位かぁ…(ため息)。うまくはいかなかったものの、後半にジャンプ7回全て跳ぶという、ザギトワメソッド(笑)に挑戦した心意気は買いたい。ロシア女子に対抗しうるポテンシャルの持ち主だと思うので、今後の成長に期待大である。
13位リヴィーさんは、SP10位から順位を落としてしまったが、好きな気持ちに変わりはない。来年もぜひ全米に出場し、素敵なプログラムを見せてほしい。
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◆出場者
アメリカスケート連盟より、次のように発表された。
- 四大陸:
- マライア・ベル
- カレン・チェン
- ミライ・ナガス
アシュリーが辞退したので、ミライちゃんが繰り上がりで選出された。あまり間がないので調整は難しいだろうが、去年2位になった、演技のいい大会なので、全米の悔しさをぜひともぶつけてほしい。
カレンとベルちゃんは、シニアのチャンピオンシップは初出場だよね? 海外の試合は、国内とはPCSの出方がけっこう違うから、ワールドの前にここで良い演技をして、ジャッジの評価を上げておきたいところ。
- ワールド:
- マライア・ベル
- カレン・チェン
- アシュリー・ワグナー
初出場2名のフレッシュなメンバーに。ま、難度も出場しているアシュリーがいるから大丈夫って安心感がありますな。オリンピックの枠取りがかかってるから、プレッシャーを感じないわけにはいかないだろうけど、今はロシア以外、どこも3枠安泰な国はないんだから、開き直って、自分の演技に集中してほしい。
- 世界ジュニア:
- アンバー・グレン
- ブレイディ・テネル
全米8位のグレンと、9位のテネルが選出され、全米ジュニアの優勝者は選出されず。前から疑問なんだけど、アメリカのスケ連は、どういう選考基準で世界ジュニア代表を選んでるんだろう。シニアとジュニアじゃ別の試合だし、単純に得点だけじゃ比べられないよね。
ユニバーシアードは、誰が派遣されるんだろう。公式に発表されるのかなぁ。