ワールド2017 ペアSP

ワールド2017 リザルト
フィンランドヘルシンキにて開催。ペアSPは、現地時間2017年3月29日(水)に行われた。上位16組までがFSに進出できる。
ライストで全組の演技を見て、後日、Jスポーツの放送でも見た。Jスポーツの解説は岡部由起子さん、実況は小林千鶴さん。特に印象に残った組の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。
◎:何度でも見たい。
○:よかった。好き。
△:悪くない。まずまず。
×:イマイチ。
?:何とも判断が付きかねる。

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●第1グループ
2 Ekaterina ALEXANDROVSKAYA / Harley WINDSOR エカテリーナ・アレクサンドロフスカヤ / ハーリー・ウィンザー(オーストラリア)

  • 楽曲:Skyfall (James Bond soundtrack) by Adele
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

初出場の17歳と20歳。2016年に結成。今季、JGPファイナル5位、国内選手権優勝、四大陸11位、世界ジュニア優勝。
世界ジュニアからの連戦、お疲れ様です。
全ての要素がGOEプラス。5RLi3に-1を出しているジャッジが1人だけいる。何がいけないと考えたのかなぁ? リフトを下ろすときにちょっとスピードが落ちたせい? でも、岡部さんは「ていねいだ」とほめていた。「他で見ない女性のポジションで、見ごたえがある」とのこと。がBiDs3は、GOE 1.00なので、良い質なのだと思うが、最後、女性が弓なり姿勢じゃなくなってしまうのが残念。
お辞儀する前に、男性が場内をあおっている(笑)。会心の演技だったもんね!
クリーンで、ユニゾンもすばらしかった。よく滑っているし、2人の距離も近い。世界ジュニアで優勝したことで、自信がみなぎっているのが伝わってきた。岡部さんも同じこと言ってる〜☆
岡部さん曰く、「とても安定してきて、一つ一つが洗練されてきた。今季、試合を経るごとに自信をつけてきて、このSPの演技は、パフォーマンスを皆さんに見てもらうという域に入ってきた」とのこと。
62.03でPB更新。喜んでる〜。

3 Zoe JONES / Christopher BOYADJI ゾーイ・ジョーンズ / クリストファー・ボヤジ(イギリス)

  • 楽曲:Malaguena by Ernesto Lecuona
  • プログラム:△

この組としては初出場。37歳と26歳。2016年6月に結成。女性は元シングル選手で、それまでペアをやったことがなかったらしい。男性はフランス出身で、昨季まで別のパートナーと組んでいた。今季、国内選手権優勝、ユーロ14位。
3TwB<<は、女性をきちんと上に投げられず、回転が足らずに降りてきてしまったので、空中でキャッチできず、着氷が乱れた。3T<は女性が足をついてしまった。スロー3Fは着氷が乱れた。FCCoSp2Vは、2人の回転は大体そろっているように見えたが、GOEマイナス。
演技後、女性がとっても悲しそう。男性がハグして慰めていた。
StSq4の振付が素敵で、曲想をよく表現しているとは思うのだが、2人の距離が離れている時間がちょっと多いんじゃなかろうか。せっかくユニゾンが良いんだから、もっと近い距離で滑るようにした方がいいんじゃないかなぁ。
44.33。

4 Anna DUSKOVA / Martin BIDAR アナ・ドゥシュコヴァー / マルティン・ビダージュ(チェコ

  • 楽曲:LA 40 (Album: Tango Hereje) by The Mozart Tango Players
  • プログラム:△

初出場の17歳と18歳。昨季、JGPファイナル2位、世界ジュニア優勝。今季、JGPファイナル2位、ユーロ7位。
3Tw2の着氷で女性がバランスを崩したが、一瞬で立て直したのでGOEはちょいプラス。最後の岡BiDs3に入るとき、女性が難しい形をとってから、その後すぐにデススパイラルのポジションをとれたのは、「とても良かった」と、岡部さんがほめていた。FCCoSp4は回転がズレた。ペアスピン以外の要素は全てGOEプラス。
演技後、2人とも満足そう。
それまでほぼクリーンな演技で、ユニゾンもバッチリだったのに、最後のペアスピンで回転がズレたのが残念だった。でも、ジャンプ系はクリーンだったし、プログラムの流れも良かった。
63.36。

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●第2グループ
5 Goda BUTKUTE / Nikita ERMOLAEV ゴーダ・ブトクテ / ニキータ・エルモラーエフ(リトアニア

  • 楽曲:Maybe I, Maybe You by Scorpions
  • プログラム:△

17歳と25歳。昨季、国内選手権優勝、ユーロ11位、ワールド17位。今季、GPロステレ8位、ユーロ18位。
3Tw2はクリーンに見えたが、GOEマイナス。3S<<は女性が両足着氷。スロー3Loはクリーンに着氷。BiDs2は、すぐにポジションが決まる。StSq4は、交差を入れているが、2人の距離はさほど離れないので、見やすかった。FCCoSp4は回転がそろっている。
演技後、2人とも満足そう。
ソロジャンプのミス以外は、ほぼクリーンな演技だった。終始スピードが出たままで、流れが途切れず、良い演技だった。
コーチのスミルノフさんが、黒スーツでかっこよくビシッと決めている。去年は確か水色のスーツで、フィギュアスケートファンを騒然とさせていたよね?(笑)
52.49。

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●第3グループ
9 Sumire SUTO / Francis BOUDREAU-AUDET 須藤 澄玲 / フランシス・ブードロー=オデ(日本)

  • 楽曲:Sakura (Spring Blossom) by Naotaro Moriyama, performed by Andre Rieu
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

19歳と23歳。2015年に結成。昨季、全日本優勝、四大陸9位、ワールド22位。今季、NHK杯7位、全日本優勝、四大陸10位。
3Tw2は、キャッチが上手くいかなかった。でも岡部さんは、「高さが出てきた」と嬉しそう。3Sの着氷がちょっとだけずれたが、きれいに降りた。スロー3SもOK。5ALi4は、入りも出もスピードが落ちず。FCCoSp4は、回転がばっちりそろってる。StSq3は2人の距離が近い。BiDs3で、女性の弓なり姿勢がきれい。「男性がピボットポジションに入るのが速い」と岡部さん。
演技が終わって、オデくんが澄玲ちゃんを後ろからハグ!! キャー!!(///)
キラキラして見えた!! ディズニーのプリンセス&プリンスみたい!! ツイストで女性が男性に寄りかかってしまったけど、他はたいそう素晴らしかった。よく滑っていた。
このプログラムの見所はいくつもあるが、わたしとしては、リフトとソロスピンの間に、2人がサイドバイサイドで同じポーズをとり、お互いを見合うところが、最大の胸キュンポイント☆ 素敵〜☆
岡部さん曰く、「彼らの最高の演技だった。最後までスピードが落ちず、流れの中で全てを終えることができた」とのこと。
61.70でPB更新。めっちゃ嬉しそう☆ わたしも嬉しい☆

11 Xiaoyu YU / Hao ZHANG シャオユー・ユー / ハオ・ジャン(中国)

  • 楽曲:
    • Eternal Flame by Brand X Music
    • Fearless by Brand X Music
  • プログラム:△

この組としては初出場の21歳と32歳。2016年の春に結成。今季、GPファイナル2位、四大陸4位。
3Tはバッチリ。3Tw4は高い。余裕さえ感じる。スロー3Loはよかった。FCCoSp4は回転が合っている!! StSq4は一体感が増した。
レベルはBiDs3以外は全てレベル4。ソロスピンの回転さえ合えば完璧な2人が回転を合わせてきた。
壮大な音楽をダイナミックに表現していた。女性の美しさを男性が存分に生かせるようになってきた。
岡部さんが唯一気になったのが、ソロスピンの、「キャメルポジションでインサイドになるところで、女性はキャメルアップに近いが、男性はそこまで上を向いていない」点だそうだ。あ〜、確かにそれ、わたしも気になってた。トップの組は、みんなぴたっと合わせてくるもんね。
ビン・ヤオ先生が来てる!! 近年試合に帯同しなくなっていたので、久々にご尊顔を拝した。ちょっとやつれたかなぁ。でも2人が良い演技をしたから嬉しそう。
75.23。ほぼPBに近い得点が出た。

12 Tae Ok RYOM / Ju Sik KIM テオク・リョム / ジュシク・キム(北朝鮮

  • 楽曲:A Day in the Life
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

初出場の18歳と24歳。昨季、四大陸7位、今季、冬季アジア3位。
3Tw2は抱えてしまったように見えたが、GOEプラス。3Tはきれいに降りた。ダンスリフトからスロー3SはOK。FCCoSp3はきっちりそろっている。StSq3で、首をウンウンと上下に動かす振付がかっこいい☆ 2人が違う振付をやっていてもユニゾンを感じる。BiDs2は女性の弓なり姿勢に張り感があってきれい。
終わるなり、女性がガッツポーズ!! 2人とも嬉しそう☆ リンクから上がったとたん、コーチと3人でハンドウィッチハグ☆(笑)
64.52で、PBを10点以上更新。

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●第4グループ
14 Minerva Fabienne HASE / Nolan SEEGERT ミネルヴァ・ファビアン・ハセ / ノラン・ジーゲルト(ドイツ)

  • 楽曲:
    • Torn
    • High Strung
  • プログラム:△

初出場の17歳と24歳。2014年に結成。昨季、国内選手権3位、今季、国内選手権は、女性の怪我により、SPの後、棄権。ユーロ12位。
スロー3Sはきれいに降りたが、「女性がランディング姿勢を意識するようになると、もっと美しくなると思う」と岡部さん。BiDs2は、岡部さん曰く、「男性がピボットポジション姿勢になるのが遅いので、レベルが取れない」とのこと。FCCoSp4回転が速く、そろっている。StSq3は、曲想をよく表現していると思うが、離れているところが多くて見づらい。近いときはユニゾンが良いのに、遠いときはイマイチ。
うわー、ユーロのときとは別人のように上手くなっている。千鶴さんによると、今年に入ってから男性が体調不良に陥ってしまい、ユーロのときはまだ本調子ではなかったようだ。
クリーンな演技で、全ての要素がGOEプラス。曲想に合った、シャープな動きができていたと思う。
59.76でPB更新。前のPBが51.27だから、8点以上更新だよ! すごいよ!

15 Haven DENNEY / Brandon FRAZIER ヘイブン・デニー / ブランドン・フレイジャーアメリカ)

  • 楽曲:Don Juan est mort (from "Don Juan" musical) by Felix Gray
  • プログラム:△

21歳と24歳。2011年5月に再結成(2005〜08年にも組んでいた)。昨季、女性の怪我のため休養。今季、GPスケアメ2位、GPスケカナ4位、全米優勝、四大陸8位。
スロー3Loは転倒。3Sで男性が転倒。BiDs2は女性の弓なり姿勢が美しい。めっちゃ張り感がある。FCCoSp2は男性がフライングの後、バランスを崩し、2人の回転がズレた。StSq4のホールド部分もノンタッチ部分も、キレがあり、ダイナミック☆
滑りや表現はとっても素敵だったんだけどなぁ。転倒2回は痛い…。
56.23。これは…FSに進めないか…。厳しい…。

16 Natalia ZABIIAKO / Alexander ENBERT ナタリア・ザビアコ / アレクサンドル・エンベルト(ロシア)

  • 楽曲:Snowstorm by Georgi Sviridov
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

この組としては初出場の22歳と27歳。2015年の春に結成。昨季、GPロステレ5位、国内選手権5位。今季、GPファイナル4位、国内選手権3位、ユーロ5位。
3Tw3はふわっと高く、着氷も美しい。スロー3Loの着氷後の伸びが素晴らしい。FCCoSp4はバッチリ合っている。StSq4のホールド素敵☆
わたしが見た中で、彼らの最高のパフォーマンスだと思う。これまでずっと「要素はすばらしいし、ボディームーブメントも美しいが、感情の表出がいまいち」と言ってきたが、ここにきて、ぐぐ〜っと胸に迫ってくるものをが感じられるようになった! パッションを感じた!
74.26でPB更新。

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●第5グループ
17 Valentina MARCHEI / Ondrej HOTAREK ヴァレンティナ・マルケイ / オンドレイ・ホタレク(イタリア)

  • 楽曲:Seven Nation Army by Jack White
  • プログラム:△

30歳と33歳。2014年の春に結成。昨季、国内選手権2位、ユーロ5位、ワールド14位。今季、GPスケアメ8位、GPロステレ4位、国内選手権2位、ユーロ6位。
男性がサスペンダーを着用するところから始まる(笑)。
3Tw2でキャッチと着氷の流れがちょいスムーズじゃなかったように見えたが、減点なし。BiDs3で、最後、女性の体が氷上スレスレになったように見えたが、GOEプラス。
キレキレにキメキメの演技だった。今季ベストの演技ではなかろうか。ユニゾンよくなったなぁ。
71.04でPB更新。得点を見るなり、マルケイさんが「キャー!!」と悲鳴を上げて喜んでいた(笑)。

18 Liubov ILYUSHECHKINA / Dylan MOSCOVITCH リュボーフ・イリュシェチキナ / ディラン・モスコビッチ(カナダ)

  • 楽曲:Tango Jalousie by Jacob Gade
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

25歳と32歳。2014年の春に結成。昨季、国内選手権3位、四大陸5位、ワールド7位。今季、GPスケカナ及びGP中国杯3位。国内選手権2位、四大陸3位。
3Tは2人とも着氷がきれいに流れなかった。BiDs3は回転がなめらかで女性の弓なり姿勢が美しい。FCCoSp4は回転が速かったものの、ちょいズレたけど、GOEプラス。StSq4は、ほとんどホールドしていて、アイスダンスのステップみたい。なめらかで息がぴったり合っていて素敵☆
最後の決めポーズがめっちゃかっこいい〜☆
よく滑っていて、流れが一切滞ることがなかった。女性が鬼気迫る表情から幸せいっぱいの表情までみごとに表現している。
大好きなプログラムなので、ワールドで最高の演技が見られてとっても幸せ〜☆
岡部さん曰く、「結成3年目に入り、お互いを確認せずに、自由自在に演技している」とのこと。
73.14でPB更新。

19 Miriam ZIEGLER / Severin KIEFER ミリアム・ツィーグラー / セヴェリン・キーファー(オーストリア

  • 楽曲:Turn To Stone performed by Ingrid Michaelson
  • プログラム:△

23歳と26歳。2013年の春に結成。昨季、国内選手権優勝、ユーロ9位、ワールド21位。今季、GPフランス及びNHK杯6位、男性の風邪のため、国内選手権を棄権、ユーロ9位。
3Tw1は、女性が男性の肩に乗ってしまった。3TはOK。5RLi3は下ろすとき、ちょっとスムーズでなかったような。減点されてないからいいのか。FCCoSp3は回転が合ってたけど、途中で距離が離れた。でもGOEプラス。StSq2では、さわやかな曲想をよく表現していた。
今季、ジャンプ系のミスが続いていたけど、ここにきて両方成功!! ソロジャンプを3Lzから3Tに変更してきた。滑りもよかったと思う。
61.01でPB更新。

20 Julianne SEGUIN / Charlie BILODEAU ジュリアン・セガン / シャルリ・ビロドー(カナダ)

20歳と23歳。昨季、GPファイナル4位、国内選手権2位。今季、GPファイナル5位、国内選手権は女性の脳震盪のため、欠場。2月上旬から練習を再開。
めっちゃかわゆい振付からスタート。
3Tw3は、少し男性になだれかかってしまった。3Sは女性がこらえた。スロー3Lzは両足着氷。FCCoSp4は回転は速いが、少しズレたが、ちょいGOEプラス。5ALi4は下ろし方に工夫があった。BiDs4は、2人とも素早くポジションに入れるので、きちんとレベルが取れている。StSq3は、ホールドあり。息ぴったりで軽快で楽しい。
女性の脳震盪の影響で本調子ではなさそうだが、ミスを最小限に抑え、演技をまとめてきた。…それにしても、こういう愛らしいプログラムを滑らせると、右に出るものはいないのではなかろうか。激ハマりである。
岡部さん曰く、「この組の良さは、スケーティングスキルの高さ。スピードが落ちていかないし、流れの中で全ての要素をこなしていける。ステップシークエンスを見ると、一つ一つのターンが深いエッジで刻まれている」とのこと。
66.31。

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●第6グループ
21 Vanessa JAMES / Morgan CIPRES ヴァネッサ・ジェイムズ / モーガン・シプレ(フランス)

  • 楽曲:Earned It (from "Fifty Shades of Grey") by The Weekend and Maxime Rodriguez
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

29歳と25歳。女性は、カナダ生まれのアメリカ育ち。2010年9月に結成。昨季、ユーロ4位、ワールド10位。今季、GPスケアメ4位、GPフランス3位、国内選手権5連覇、ユーロ3位。
冒頭からエロスがどしどしと。
3Tw2の着氷後、女性が転倒。3SはOK。女性が背中側から男性の胸に飛び込んでのスロー3Fをクリーンに着氷。BiDs3の回転が速い。StSq4の動きが音にハマっててかっこいい。
思いがけない転倒だったろうに、すぐに立て直して、あとはクリーンに滑り切った。すごい。
岡部さんが、「デススパイラルの前が、とてもオリジナリティがあって、すごく素敵☆ 大好き☆」とほめていた。
70.10。

22 Alexa SCIMECA KNIERIM / Chris KNIERIM アレクサ・シメカ・クニエリム / クリス・クニエリム(アメリカ)

  • 楽曲:Come What May (Moulin Rouge soundtrack)
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

2012年に結成。昨季、全米2位、GPファイナル7位、四大陸2位、ワールド9位。今季前半は、女性の怪我のため休養、四大陸6位。
3Tw3は高い。余裕がある。3Sは男性がステップアウト。5RLi4は、好調時より下ろすのに少し時間がかかったような気がする。
まだ完全とは言えないが、四大陸のときに比べると、女性の調子がだいぶ回復してきたようで、ほっとした。
そして終始2人からだだ漏れ…いや、あふれる愛(笑)。まぶしいわ〜☆☆ 実況陣にも「今日の演技は、スケートを2人でできる喜びにとてもあふれていて、いいですね」「愛がありますね」と、評されていた(笑)。使用されている楽曲の、
Come what may, come what may I will love you until my dying day.
(たとえこの先 何が起ころうとも あなたを愛してる この命朽ちる日まで)
という歌詞が、まんま当てはまってるよね。ごちそうさま!!(笑)
72.17でPB更新。

23 Nicole DELLA MONICA / Matteo GUARISE ニコル・デラ・モニカ / マッテオ・グアリゼ(イタリア)

  • 楽曲:Carmina Burana by Carl Orff performed by The Piano Guys
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

2011年に結成。昨季、国内選手権優勝、ユーロ6位、ワールド11位。今季、GPスケカナ6位、GP中国杯5位、国内選手権優勝、ユーロ8位。
3Sは、女性の足が氷をかすった。スロー3Loは手をついた。5ALi4は流れがいい。BiDs4は、2人が素早くポジションに入り、女性の弓なり姿勢が美しい。FCCoSp4は回転がそろっている。全てレベル4獲得。
スピードがよく出ていたし、ユニゾンもバッチリ☆ 激しい、ド迫力な曲想をよく表現していた。
70.08でPB更新。

24 Wenjing SUI / Cong HAN ウェンジン・スイ / コン・ハン(中国)

  • 楽曲:Blues for Klook by Eddy Louis
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

21歳と24歳。2007年に結成。昨季、四大陸優勝、ワールド2位。今季前半、女性の手術のため休養、四大陸優勝。
始まりのポーズから気だるげな雰囲気をモリモリと。序盤のつなぎから、さらっとアクロバティックなダンスリフトを入れている。
3Tはクリーンに着氷。スロー3F、高っ。3Tw4は、女性が片手を上げて回転している。BiDs4は、女性の腕の動きで曲想を表現。FCCoSp3は、最初ズレたけど、途中できっちり修正してきた。StSq4は、彼らの芸術性の粋を尽くしたステップなのに、天井カメラに切り替わってしまい、呪いたくなった(泣)。ステップ直後にまたアクロバティックな動きが入る。5RLi3の、スッと上がってクルクル回り、スッと下ろす一連の動きが、とてもスムーズ。
場内スタオベ。
アクロバティックかつ芸術的なプログラムだった。
実況陣も「素晴らしい」「素敵」を連発。岡部さんは、「ステップのカメラワークが残念でならない」とも話していた。ですよね!! あれ、ひどすぎますよね!!(怒)
81.23でPB更新。穏やかな笑顔で控えめに手を振り、歓声に応える2人。皇族みたい(笑)。

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●第7グループ
25 Aliona SAVCHENKO / Bruno MASSOT アリョーナ・サフチェンコ / ブルーノ・マッソ(ドイツ)

  • 楽曲:That Man by Caro Emerald
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

33歳と28歳。2014年に結成。昨季、国内選手権優勝、ユーロ2位、ワールド3位。今季、GPロステレ及びGPフランス優勝、女性の怪我のため、GPファイナルと国内選手権を欠場、ユーロ2位。ユーロの後、今度は男性が怪我をしてしまい、ワールドに向けて2週間ほどしか練習できなかったらしい。
3Tw4は、いつ見ても何度見てもすごい。高い。ジャッジは全員+3。3Sは女性が両足着氷。スロー3Aも両足着氷。5RLi4はフレーズとポジションチェンジと回転が全部連動している。StSq4は、すごく複雑な動きなのに、さも簡単そうにステップを踏んでいる。最高に軽快で楽しい。BiDs4は、女性の姿勢に工夫が見られた。CCoSp4の回転があまりに速いので自信がないが、序盤少しズレていたように見えたが、途中からきちっと修正。
全てレベル4獲得。コミカルで洒脱で芸術性の高いプログラムをみごと滑りこなしていた。ツイストの後、つなぎで男性と女性が向かい合い、女性が男性の額に手を当てておどける振付、いいわ〜☆
岡部さんによると、「スローの3Aやクワドは、自分の体重の8倍の負荷がかかるので、ISUとしては、将来的に規制をかけるかもしれない。今、データをとって、いろいろ検証している段階」らしい。
79.84でPB更新。でもアリョーナは悔しそう。

26 Ksenia STOLBOVA / Fedor KLIMOV クセニア・ストルボワ / フェドール・クリモフ(ロシア)

25歳と26歳。2009年の春に結成。昨季、GPファイナル優勝、ワールド4位。今季前半、女性の怪我のため休養、国内選手権優勝、ユーロ4位。
3Tw2で男性が転倒。めずらしい。岡部さんによると、キャッチの時に女性が男性の肩になだれかかってしまい、男性がバランスを崩したしまったもよう。スロー3Fも転倒。3Tは女性がステップアウト。BiDs4は、女性の体がつぶれてしまったように見えたが、GOEプラス。FCCoSp4は、回転が速く、そろっている。StSq4は、美しく優雅でダイナミック。
すごく美しいプログラムなのだが、ところどころ綻びが出てしまった。でも、演技後、2人が労わり合っている様子が伝わってきて、ほっとした。
65.69。

27 Evgenia TARASOVA / Vladimir MOROZOV エフゲーニャ・タラソワ / ウラジミール・モロゾフ(ロシア)

  • 楽曲:Glam (Electro Swing Remix) by Dimie Cat
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

22歳と24歳。2012年に結成。昨季、国内選手権3位、ユーロ3位、ワールド5位。今季、GPファイナル優勝、国内選手権2位、ユーロ優勝。
女性が公式練習中に左足を負傷し、10針縫ったそうだ。…そ、それで演技して大丈夫なのかな?(蒼白)
3Tw4はふわっと高い。GOE加点が満点。スロー3Loはバランスを崩しかけたが、こらえた。でも高さと幅が素晴らしかったからか、GOEプラス。BiDs4は、女性の弓なり姿勢が美しい。StSq4は、楽しそうに軽快に生き生きと。FCCoSp4は、回転が少しズレて見えたが、GOEプラス。全てレベル4獲得。
いつもに比べると、スピードが出てないように感じたが、それでもユニゾンは素晴らしいし、エレメンツの質は高いし、プログラムの流れもすばらしい。おしゃれで楽しいプログラムの中に、高い技術と芸術性、そして女性のガッツと男性の支えが詰まっている。
79.37。

28 Meagan DUHAMEL / Eric RADFORD メーガン・デュハメル / エリック・ラドフォード(カナダ)

  • 楽曲:Killer by Seal
  • プログラム:○

31歳と32歳。2010年の春に結成。昨季、GPファイナル2位、ワールド優勝。今季、GPファイナル3位、国内選手権6連覇、四大陸2位。
男性が右股関節を痛めているらしい。…どうしてみんな、こうも怪我が多いんだろう(泣)。
3Tは男性がこらえた。スロー3Lzは手をついた。FCCoSp3は、回転が少しズレたか。
いつもはルッツだけど、男性の怪我の影響か、トゥループに変更してきた。好調時に比べると、「…ああ、やっぱ怪我してるんだなぁ」と感じさせる部分はあったけど、流れは悪くなかったと思う。
72.67。

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◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、クオリファイ、名前、国名、得点の順に記されている。

  1. Q Wenjing SUI / Cong HAN CHN 81.23
  2. Q Aliona SAVCHENKO / Bruno MASSOT GER 79.84
  3. Q Evgenia TARASOVA / Vladimir MOROZOV RUS 79.37
  4. Q Xiaoyu YU / Hao ZHANG CHN 75.23
  5. Q Natalia ZABIIAKO / Alexander ENBERT RUS 74.26
  6. Q Liubov ILYUSHECHKINA / Dylan MOSCOVITCH CAN 73.14
  7. Q Meagan DUHAMEL / Eric RADFORD CAN 72.67
  8. Q Alexa SCIMECA KNIERIM / Chris KNIERIM USA 72.17
  9. Q Valentina MARCHEI / Ondrej HOTAREK ITA 71.04
  10. Q Vanessa JAMES / Morgan CIPRES FRA 70.10
  11. Q Nicole DELLA MONICA / Matteo GUARISE ITA 70.08
  12. Q Julianne SEGUIN / Charlie BILODEAU CAN 66.31
  13. Q Ksenia STOLBOVA / Fedor KLIMOV RUS 65.69
  14. Q Tae Ok RYOM / Ju Sik KIM PRK 64.52
  15. Q Anna DUSKOVA / Martin BIDAR CZE 63.36
  16. Q Ekaterina ALEXANDROVSKAYA / Harley WINDSOR AUS 62.03
  17. Sumire SUTO / Francis BOUDREAU-AUDET JPN 61.70
  18. Miriam ZIEGLER / Severin KIEFER AUT 61.01
  19. Minerva Fabienne HASE / Nolan SEEGERT GER 59.76
  20. Haven DENNEY / Brandon FRAZIER USA 56.23
  21. Lana PETRANOVIC / Antonio SOUZA-KORDEIRU CRO 52.83
  22. Goda BUTKUTE / Nikita ERMOLAEV LTU 52.49
  23. Tatiana DANILOVA / Mikalai KAMIANCHUK BLR 51.79
  24. Daria BEKLEMISHEVA / Mark MAGYAR HUN 45.96
  25. Emilia SIMONEN / Matthew PENASSE FIN 45.49
  26. Zoe JONES / Christopher BOYADJI GBR 44.33
  27. Lola ESBRAT / Andrei NOVOSELOV FRA 43.78
  28. Ioulia CHTCHETININA / Noah SCHERER SUI 40.50
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◆総評
昨季は出場組が22だったのが、今季は28。6組も増えた。ISUの「ペアの競技人口を増やしたい」という意思の下、行われている施策の成果が出てきたってことなんだろうな〜。下位からトップ勢まで、クリーンな演技が続出で幸せよ☆ おかげで昨季のFS進出ラインは、52.78だったのに、今季はなんと、62.03だよ! 10点近くアップだよ! いくらなんでもレベル上がりすぎ! 岡部さんも「本大会はレベルが高い」と感心していた。70点台が11組もいるなんて…。FSは、第2グループから70点台の組がいるということに。
さて、SP1位は、スイ&ハン。TES、PCSともにトップ。レベルいろいろ取りこぼしているのに80点超え。スイちゃんが怪我明けとか、信じられない素晴らしさ。ワールド2年連続、総合2位を経て、今季こそは優勝なるか。
2位はサフチェンコ&マッソ。いや〜、彼らもすごかった。PCSは、スイ&ハンと僅差の2位。
この上位2組はSPもFSもお気に入りのプロなので、SPで良い演技が見られてウハウハである☆ フリーもめっちゃ楽しみ☆
3位はタラソワ&モロゾフ。女性が公式練習中に怪我…。辛い…。バリバリの優勝候補だっただけに、本人たちの無念はいかばかりか。でもSPでは切り替えて、今自分たちにできる、最高の演技を見せてくれた。FSもぶじに滑り終えられますように。
4位はユー&ジャン。上位3組と比べると、PCSは差があるなぁという感じだが、ま、今季組んだばかりだから、来季になれば、もっと上がると思う。彼らを含めた上位4組は、TESとなると、1点強しか離れてないんだよね。ちなみにスイ&ハン>タラ&モロ&ユー&ジャン>サフ&マソの順。
14位のリョム&キムは、これまでほとんど国際大会に派遣されてないのに、このレベルに到達できるって、ほんとすごいわ〜。もそっと定期的に大会に派遣してもらえればな〜、きっともっと伸びるのに。せめてワールドには毎年出してあげようよ〜。
17位の須藤&オデは、ほんの少しの差で、FSに進出ならず。めっちゃ良い演技だったのになぁ〜。リリカル&ロマンティックムーディー炸裂☆なフリーの演技、見たかった…(涙)。でも、今季、着々と上達し、素敵なペアに成長中なので、来季のさらなる飛躍を期待したい。
18位のツィーグラー&キーファーも、今季ベストのパフォーマンスだったと思うのに、FS進出ならず。須藤&オデとは1点差もないし、フリーのPBもほぼ同じなんだよね。来季のネーベルホルン(2017年9月27日〜30日)で獲得できる出場枠は4。日本と共にその枠を競ることになりそう。
20位のデニーフレイジャーは、転倒2回が響いて、FSに進出ならず。全米チャンピオンでさえ、ミスがあれば、フリーに進めないという…。なんてハイレベルな大会なんだ…。

ワールド2017 女子SP

ワールド2017 リザルト
フィンランドヘルシンキにて開催。女子SPは、現地時間2017年3月29日(水)に行われた。上位24名までがFSに進出できる。
日本のエース、宮原知子が股関節負傷のため、欠場。ワールド出場を断念するくらいだから、よっぽど怪我の具合が深刻なんだろうなぁ…(泣)。1日も早く完治しますように!
フジが男女シングルのSPとFSを生放送。「上位選手だけだろうけど、たいへんありがたい」と思っていたのだが、三原さんの演技を(生放送しようと思えばできたのに)録画放送するという、まさかの暴挙に出たので、いやになってしまい、ライストに切り替えた。後日、Jスポーツの放送を見た。
フジの解説は、荒川静香さん、実況は中村光宏アナ。Jスポーツの解説は、中庭健介さん、実況は赤平大アナ。
特に印象に残った選手の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:何度でも見たい。
  • ○:よかった。好き。
  • △:悪くない。まずまず。
  • ×:イマイチ。
  • ?:何とも判断が付きかねる。
                                                                                                                                        • -

●第1グループ
1 Anne Line GJERSEM アンネ・リーネ・ヤシェム(ノルウェー

  • 楽曲:Smile performed by Martina Mcbride
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝、ユーロ17位、ワールド26位。今季、ユーロ24位。
3S+3T<と3Loは着氷が乱れた。2Aは着氷が流れなかったかな〜。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
ジャンプが3つともきれいに決まらなかったけど、「スマイル」のもつ余韻というか、たゆたう感じが出せていて、素敵だった。
46.99。

2 Joshi HELGESSON ヨシ・ヘルゲソン(スウェーデン

昨季、国内選手権優勝、ユーロ9位、ワールド30位。今季、GPスケカナ10位、GP中国杯12位、国内選手権優勝、ユーロ14位。
3Lzは転倒。3T+2Tはまずまず。2AはOK。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル3。
3Lzの転倒はあったが、冒頭の指を鳴らす振付に始まり、最後の投げキッスに終わるまで、プログラムをしっかりと演じきる姿に、貫禄と風格を感じた。かっこいいわ〜☆
52.07。

4 Dasa GRM ダシャ・グルム(スロベニア

  • 楽曲:
    • Blucobalto by Negramaro
    • Sax performed by Fleur East
  • プログラム:△

昨季、ユーロ26位、ワールド38位。今季、国内選手権4連覇、ユーロ26位。
3F+2Tタノはまずまず。3Tは着氷が乱れた。2A<は転倒。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。ビートの強い曲想に変化。音をよく取って、リズミカルに動けている。
ステップは素敵だったんだけどなぁ…。2A<の転倒が痛い…。
46.63。グルムさん、泣くのこらえてるみたい…。うう、確かにこの得点ではFS通過は厳しい…。

5 Anastasia GALUSTYAN アナスタシア・ガルスチャン(アルメニア

  • 楽曲:I Dreamed a Dream (from "Les Miserables") performed by Susan Boyle
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝、ユーロ15位、世界ジュニア16位、ワールド24位。今季、GPロステレ9位、GPフランス11位、ユーロ12位。
顔つきが少し大人っぽくなった。
3Lz+2Tはまずまず。3Fは!がつき、着氷が流れなかった。2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。ゆったりと大きな滑りだった。
女性ヴォーカルの朗々としたドラマティックな歌声を、力強く表現していた。ジャンプの回転不足を取られやすい選手だけど、今回は大丈夫だった。
55.20。

                                                                                                                                        • -

●第2グループ
6 Emmi PELTONEN エミ・ペルトネン(フィンランド

  • 楽曲:Libertango by Astor Piazzolla
  • プログラム:△

初出場。昨季、JGP16位。今季、JGPジェルヴェ5位、国内選手権優勝、ユーロ11位。
母国の選手に、場内から大きな歓声。
3T+3TはOK。3Loのはずが、シングルになり、ノーバリュー。2Aはまずまず。スピンのレベルは2、2、4。1Lo直後のFSSp2は、動揺したのか軸がぶれ、GOEマイナス。ステップはレベル3。力強く表現していた。
滑り出しはよくスピードが出ており、タンゴの雰囲気モリモリで、素敵だったのだが。
50.74。

7 Shuran YU シュラン・ユー(シンガポール

  • 楽曲:
    • Blues Instrumental by Jehro Tull
    • Maria Maria by Jean Wyclef
  • プログラム:△

初出場。昨季、世界ジュニア28位。今季、JGPシュベルター15位、四大陸21位。
3T+3TはOK。3Sはステップが足りなかったのか、GOEマイナス。2Aは着氷が乱れた。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。体を大きく動かし、丁寧にステップを踏んでいた。
初出場だけど、思い切りよく、のびのびと滑れていたように見えた。
52.87でPB更新。7点以上更新だよ!! すごいよ!! キスクラの様子を見ると、やっぱ緊張してたんだなぁ。演技していたときは、ベテラン選手のように落ち着いて見えた。

8 Carolina KOSTNER カロリーナ・コストナー(イタリア)

2011-12シーズン、ワールド優勝。2013-14シーズン、ソチ五輪3位。その後、恋人のドーピング検査回避の手助けをしたことに対する出場停止処分(1年9か月)を受けた。今季、国内選手権優勝、ユーロ3位。
スケーティングの女神、降臨!!
3T+3Tはよかった。3Fはこらえた。2Aはまずまず。スピンのレベルは4、1、4。FCSp1は軸が大きく外れ、回転が超ゆっくりになり、GOEマイナス。ステップはレベル4。天井カメラで彼女の超絶秀麗ステップを映すのやめて〜(泣)。
FCSp1で乱れたのが残念だったが、滑りは破格にすばらしかった。
ユーロでは単独ジャンプが3Loだったが、本大会では3Fに変更。ジャンプの難度を少しずつ上げていくのが、コストナー・メソッド☆
66.33。PCSが33点も出てる〜。さすがですわ。

10 Xiangning LI シャンニン・リー(中国)

  • 楽曲:Waltz from "Coppelia" by Leo Delibes
  • プログラム:○

初出場。昨季、世界ジュニア20位。今季、GP中国杯10位、四大陸13位、世界ジュニア11位。
3F+3T<は、着氷後の流れが少し止まった。3Lzと2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。回転が音楽に合っている。ステップはレベル3。強い音にダイナミックな振付が当てられていて気持ちいい。
プログラムの流れがよかった。そしてほんとにスピンがすばらしい。スピン好きとしてはたまらんわ〜。
58.28でPB更新。キスクラのシャンニンから手で形作ったハートをもらったよ〜☆ キャ〜☆(///)

                                                                                                                                        • -

●第3グループ
11 Yasmine Kimiko YAMADA ヤスミン・キミコ・ヤマダ(スイス)

  • 楽曲:Why Don't You Do Right
  • プログラム:△

昨季、国内選手権3位、ワールド34位。今季、国内選手権優勝、ユーロ27位。バイオによると、練習拠点はアメリカ。赤平アナによると、お父さんが日本人とのこと。
3T+3Tはクリーンに見えたのだが、GOEマイナス。3Lo<は両足着氷。2Aはまずまず。スピンのレベルは3、4、3。ステップはレベル2。
今できることをやり切った演技だったのでは。動きや姿勢などは、あまり洗練されていないが、一つ一つ心を込めて丁寧に演じていたように見えた。
「コーチの男性、めっちゃ若いな〜」と驚いて見ていたら、なんと彼はダニエル・サモヒンのお兄さんだそうだ。
47.86でPB更新。

12 Amy LIN エイミー・リン(台湾)

  • 楽曲:Skyliner (from "I'll Be Seeing You: A Tribute to Carmen McRae") by Charlie Barnet, Robert Allen
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝、四大陸15位、世界ジュニア14位、ワールド21位。今季、四大陸17位、世界ジュニア21位。
3Lzはこらえた。連続ジャンプにならず。ステップからただちに跳んでいないので、けっこう減点された。3T+2Tと2Aはまずまず。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
弾むような曲想を、生き生きと楽しそうに表現していた。
51.86でSB更新。

13 Kailani CRAINE ケイラニ・クレイン(オーストラリア)

  • 楽曲:Dream a Little Dream performed by Ella Fitzgerald
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝、四大陸13位、ワールド27位。今季、国内選手権優勝、四大陸16位。
3F+2Tはまずまず。3LoはOK。2Aタノはまずまずだが、肘がそんなに曲がってない方がきれいだと思う。スピンは全てレベル4。回転速度が速い。ステップはレベル3。生き生きと滑っている。腕や手指の使い方が素敵☆
演技が終わった後、ガッツポーズ。
キュートなおしゃれプロを表情豊かに演じていた。
56.97でPB更新。

15 Natasha MCKAY ナターシャ・マッケイ(イギリス)

  • 楽曲:El Tango de Roxanne (Moulin Rouge soundtrack)
  • プログラム:○

初出場。昨季、国内選手権5位。今季、国内選手権優勝、ユーロ18位。
3Lo+2Tタノと3S、2Aはまずまず。スピンのレベルは3、1、3。CCoSp1はトラベリングしたせいか、ちょいGOEマイナス。ステップはレベル2。力強く激しい曲想をよく表現していた。体に張り感があり、かっこいい。
ロクサーヌのタンゴ」の曲想をよくとらえていた。キレのある動きが素敵☆ スピードもよく出ていたと思う。スピンのレベルの取りこぼしがもったいない。
50.10でPB更新。得点が出て、複雑そうな顔に。フリーに進めるかどうか微妙なラインだもんな〜。

                                                                                                                                        • -

●第4グループ
17 Loena HENDRICKX ロエナ・ヘンドリックス(ベルギー)

  • 楽曲:The Prayer performed by Celine Dion, Josh Groban
  • プログラム:△

初出場。昨季、JGP14位と11位。今季、国内選手権優勝、ユーロ7位。
3Lzタノ+2Tタノは、よかった。3Fタノはステップアウト。2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。最後のLSp4は、ポジションが美しく回転が速い。ステップはレベル3。空間を大きく使い、なめらかに滑っていた。
体をとても大きく動かしているので、ちょいちょいコントロールが外れ気味かなぁと感じる部分はあったが、全体的にはソリッドで素敵な演技だった。
57.54でPB更新。

18 Isadora WILLIAMS イザドラ・ウィリアムズ(ブラジル)

  • 楽曲:Moonlight performed by Viktoria Tocca, based on Moonlight Sonata by L. v. Beethoven
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝。
3Lz+2Tは、ファーストで少しこらえた。3Loはステップからただちに跳んでいないからか、GOEマイナス。2Aはまずまず。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。なめらかに体を大きく動かして曲想を表現していた。
今できることをやり切った演技だったのでは。選手も満足そう。雰囲気のある美人さんである。
50.65でPB更新。

19 Mariah BELL マライア・ベル(アメリカ)

  • 楽曲:
    • Roxy Heart (Chicago soundtrack) performed by Renee Zellweger
    • All That Jazz (Chicago soundtrack)
  • プログラム:○

初出場。昨季、GPスケアメ8位、全米11位。今季、スケアメ2位、全米3位、四大陸6位。
3Lz+3T<は流れが止まって両手をついた。3Fは直前のステップが十分でないと判断されたのか、ちょいGOEマイナス。2Aはまずまず。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル4。チャーミングでキュートな彼女の魅力が炸裂している。
連続ジャンプの着氷の流れが止まってしまったのは残念だったが、体はキレキレに動いており、躍動感あふれる演技を見せてくれた。
61.02。

20 Laurine LECAVELIER ロリーヌ・ルカヴァリエ(フランス)

  • 楽曲:Experience by Ludovico Einaudi
  • プログラム:○

昨季、国内選手権2位、ユーロ10位、ワールド31位。今季、GPフランス6位、国内選手権優勝、ユーロ5位。
3Lz+3T<は、ファーストにオーバーターンが入り、セカンドで転倒。3Loはステップからただちに跳んでいないためか、GOEマイナス。2Aはまずまず。スピンは全てレベル3。ステップはレベル4。
スピンが苦手なのかなぁ。レベルを取りこぼしているし、GOE加点もあまりもらえていない。トップで戦うためにはスピンもだいじだから、ぜひとも強化してほしい。
連続ジャンプの転倒はあったが、滑りや表現はほんと上手になったなぁと感じる。前衛的な音楽をよく表現していた。
55.49。

                                                                                                                                        • -

●第5グループ
21 Zijun LI ジジュン・リー(中国)

  • 楽曲:Le Diable Matou by Dompierre
  • プログラム:△

昨季、四大陸10位、ワールド11位。今季、GPロステレ4位、GP中国杯8位、四大陸7位。
リンクに送り出すミーシン先生がジジュンの頬を包むように軽くたたいた!! ギャー!! ミーシン先生がうらやましい!!(←オイ)
3T+3T<は、いつもより少し高さがなかったような。3Fはステップからただちに跳んでいないからか、GOEマイナス。2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
大会前に、体調不良で棄権するという情報が流れていたので心配していたが、ぶじに演技を終えることができて良かった。
隣にいる女性はパンさん!? 試合メイクじゃないと別人のようだ。
56.30。PCSが26点台か〜。あんま伸びなかったな〜。

22 Ivett TOTH イヴェット・トース(ハンガリー

昨季、国内選手権優勝、ユーロ11位、世界ジュニア8位、ワールド28位。今季、国内選手権優勝、ユーロ8位。
3T+3TはOK。3Lzは、ステップからただちに跳んでいないからかGOEマイナス。2Aタノはまずまず。スピンとステップは全てレベル4。
終わってガッツポーズ。感極まっている。
見た目ノーミスの演技だった。彼女の中性的な雰囲気が生かされた、クールなプログラム。2Aの着氷と同時にリズミカルな音楽が始まり、要素もただちにステップに移るところが、めっちゃかっこいいわ〜☆
ブノワさんは今日も黒づくめ&黒ハット(笑)。
61.00。得点が出て、すっごく嬉しそう。ユリア先生も喜んでいる。

23 樋口 新葉(日本)

  • 楽曲:La Cena (from "La Califfa") by Ennio Morricone
  • プログラム:○

初出場。昨季、全日本ジュニア優勝、世界ジュニア3位。今季、GPフランス3位、NHK杯4位、全日本2位、四大陸9位。
2Aと3Lz+3TはOK。3Fはステップからただちに跳んでいないと判断されたのか、GOEマイナス。スピンのレベルは3、4、4。LSp4は、腕の動きが美しい。ステップはレベル4。動きが滑らかで、音の緩急をよく表現していた。
少し慎重に見えたが、コントロールされた、良い演技だった。
65.87。

24 三原 舞依(日本)

  • 楽曲:Rondo Capriccioso by Camille Saint-Saens
  • プログラム:○

初出場。昨季、JGPファイナル6位、全日本ジュニア8位。今季、GPスケアメ3位、GP中国杯4位、四大陸優勝。
3Lz+3Tはよかった。2AもOK。3Fの予定がダブルになった上に転倒し、ノーバリュー。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
2Fの転倒以外は、とってもよかったのに…嗚呼(泣)。
59.59。

25 Nicole SCHOTT ニコル・ショット(ドイツ)

  • 楽曲:Cell Block Tango (from "Chicago")
  • プログラム:△

昨季、国内選手権3位。今季、怪我のため国内選手権を欠場、ユーロ10位。
足の怪我は良くなったかしら。テーピングやサポーターはしてないみたい。
3LoはOK。3T+3Tは転倒。2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。2つ目のCCoSp4は、少し軸がぶれて回転がゆっくりになったからか、ちょいGOEマイナス。ステップはレベル3。音をよくとらえ、キレよく動いていた。
転倒があったせいかもしれないけど、ちょっと迫力が弱めだったかも。音楽が「セル・ブロック・タンゴ」なので、もっとオラオラな感じ(笑)に滑ってほしい。
54.83。

                                                                                                                                        • -

●第6グループ
26 Kaetlyn OSMOND ケイトリン・オズモンド(カナダ)

  • 楽曲:
    • Sous le ciel de Paris performed by Edith Piaf
    • Milord performed by Edith Piaf
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

昨季、国内選手権3位、四大陸6位。今季、GPファイナル4位、国内選手権優勝、四大陸4位。
3F+3T、3Lz、2Aと、ジャンプは全て申し分のない出来栄え。スピンとステップは全てレベル4。
クリーンな演技!! アメ〜イジ〜ング!! たいへん素晴らしいものを目にした喜びがこんこんと体の内側から湧き出てくる。
75.98でPB更新。

27 Dabin CHOI ダビン・チェ(韓国)

  • 楽曲:
    • It's Over Isn't It? (from "Steven Universe" soundtrack)
    • Someone In the Crowd (from "La La Land" soundtrack) by Justin Hurwitz
  • プログラム:

昨季、国内選手権2位、四大陸8位、ワールド14位。今季、GPスケカナ7位、NHK杯9位、国内選手権4位、四大陸5位。
3Lz+3TはOK。3Fはステップからただちに跳んでいないと判断されたのか、ちょいGOEマイナス。2AはOK。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
冒頭の動きからもう雰囲気をどしどし醸し出している。四大陸→冬季アジアからの好調をキープしてるなぁ。体の動きがずいぶんと洗練されてきた。
62.66でPB更新。

28 Karen CHEN カレン・チェン(アメリカ)

  • 楽曲:On Golden Pond by Dave Grusin
  • プログラム:○

初出場。昨季、全米8位、四大陸12位。今季、GP中国杯7位、NHK杯6位、全米優勝、四大陸12位。
3Lz+3T、3Lo、2Aと、全てクリーンに着氷。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
彼女は高さと幅のあるジャンプを跳ぶものの、抜けや回転不足が多いので、ドキドキしながら見守っていたが、全部クリーンに決まってほっとした。清廉な演技で、とても素敵だった。
69.98でPB更新。

29 Angelina KUCHVALSKA アンジェリーナ・クチヴァルスカ(ラトビア

  • 楽曲:
    • If You Go Away by Shirley Bassey
    • Duende by Bozzio Levin Stevens
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝、ユーロ4位、世界ジュニア7位、ワールド15位。今季、GPスケアメ11位、GPロステレ10位、国内選手権優勝、ユーロ19位。
だいぶ体を絞ってきた印象を受ける。
3Lz<の着氷は流れたのだが。3T+3Tと2AはOK。スピンのレベルは4、4、2。ステップはレベル3。生き生きと大きく体を動かして、曲想をよく表現していた。
今季、ジャンプの不調で苦しんでいたが、まとめてきた。シャープさとキレが戻ってきて、ほっとした。
55.92。

30 Nicole RAJICOVA ニコル・ライチョヴァー(スロバキア

  • 楽曲:Love Story (soundtrack) by Francis Lai
  • プログラム:○

昨季、国内選手権優勝、ユーロ12位、ワールド13位。今季、GPロステレ7位、NHK杯11位、国内選手権優勝、ユーロ6位。
3Lz+2Tは、ファーストでバランスを崩した。3Loは、ジャンプからただちに跳んでいないと判断されたのか、ちょいGOEマイナス。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル4。
ステップにおける音楽との一体感がすばらしい〜☆
57.08。

31 Elizabet TURSYNBAEVA エリザベート・トゥルシンバエワ(カザフスタン

  • 楽曲:I Got Rhythm by Nikki Yanofsky
  • プログラム:△

世界ジュニア5位、ワールド12位。今季、GPロステレ5位、NHK杯8位、四大陸8位。
3Lz+3Tと3Loはまずまず。2Aはよかった。スピンとステップは全てレベル4。細かく音をよくとって、弾むようにステップを踏んでいた。
タノはやめてジャンプを確実に成功させてきた。今季最高のパフォーマンスだったのではなかろうか。体がよく動いていたし、曲想をよく表現していた。
キスクラにいる女性が大喜びしているので、「誰だろう。カザフのスケ連の人かな?」と思ってたら、トゥルちゃんのお母さんなんだって。言われてみれば確かに似てる〜。
65.48。

                                                                                                                                        • -

●第7グループ
32 Evgenia MEDVEDEVA エフゲーニャ・メドベージェワ(ロシア)

  • 楽曲:
    • River Flows in You by Lorenzo de Luca
    • The Winter by Balmorhea
  • プログラム:○

昨季、GPファイナル及び国内選手権、ユーロ、ワールドにて優勝。今季、GPファイナル及び国内選手権、ユーロにて優勝。
3Fタノ+3Tタノ、3Lo、2Aと、申し分のない出来栄え。スピンとステップは全てレベル4。ジャッジが全員+1以上を出している。しかも+1より+2と+3が多い。
全ての動きがなめらかでシームレスでエフォートレス。ハイパークリーンな演技だった。
3Tもタノにしてきた。わたし、メドさんの片手上げがあまり美しくないなぁと思ってたんだけど、今回のはきれいだったと思う。
演技前と終わってからの表情を見ると、緊張してたんだなぁと分かった。緊張しててもこのハイパフォーマンスですからね。すごい。
79.01。

33 Gabrielle DALEMAN ガブリエル・デールマン(カナダ)

  • 楽曲:
    • Acte IV Prelude from "Herodiade" by Jules Massenet
    • Scene XIV Ballet Finale from "Herodiade" by Jules Massenet
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

昨季、国内選手権2位、ワールド9位。今季、GPスケアメ4位、GPフランス4位、国内選手権2位、四大陸2位。
3T+3Tは加点満点の出来栄え。3Lzと2AもOK。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル4。
ギャビー史上最高のパフォーマンスきたーー!!! ぃやったーー!!!
スピードびゅんびゅん出てるのに、全てがコントロールされているように感じた。なめらかで力強く優雅。すばらしい!!
72.19。「ええ〜、PBじゃないの〜!?」と不満だったが、PBとほぼ同じ得点が出た。

34 Ashley WAGNER アシュリー・ワグナーアメリカ)

  • 楽曲:Sweet Dreams (Are Made of These) by Annie Lennox
  • プログラム:○

昨季、GPファイナル4位、全米3位、ワールド2位。今季、GPスケアメ優勝、GP中国杯6位、全米2位。
3F+3Tはまずまず。3LoはOK。2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
アシュリー・オン・ステージであった。冒頭の動きだけですでにひれ伏したいかっこよさ。動きはキレキレだったが、ちょっとジャンプに高さがなかったように感じた。スピンの回転も、他の選手がみな速いので、少しゆっくりに感じた。
69.04。

35 Maria SOTSKOVA マリア・ソツコワ(ロシア)

  • 楽曲:Butterflies Are Free by Alfred Schnittke
  • プログラム:△

初出場。昨季、JGPファイナル2位、ジュニアの国内選手権2位、世界ジュニア2位。今季、GPファイナル5位、国内選手権3位、ユーロ4位。
3Lz+3Tはよかった。3Fはまずまず。2AはOK。スピンとステップは全てレベル4。体を非常に大きく動かしているがきちんとコントロールされている。
大きくゆったりした滑りだった。スピードはかなり出ているように感じた。よく滑っていた。
69.76。

36 本郷 理華(日本)

  • 楽曲:O Fortuna (from "Carmina Burana") by Carl Orff
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

昨季、全日本4位、四大陸3位、ワールド8位。今季、GPスケカナ6位、GP中国杯5位、全日本5位、四大陸10位。
宮本知子が股関節負傷のため、欠場した代わりに、急遽出場が決まった。
3Fは少しこらえた。3T+3T<はわたしの目から見ても回転不足かな〜と感じた。2AはOK。スピンのレベルは3、4、4。前2つのスピンの回転が、もそっと速いといいなぁ。最後のCCoSp4は超高速回転でかっこいいんだけど。ステップはレベル4。
ジャンプにミスはあったものの、よく滑っており、このプログラムの魅力がきちんと伝わってきた。特にステップは、美しくダイナミックで、「この世ならざる者」感が出ていた。最高☆
キスクラに長久保先生がいない…。今回は帯同してないみたいなんだよね。健康上の理由じゃないといいのだが。
62.55。

37 Anna POGORILAYA アンナ・ポゴリラヤ(ロシア)

  • 楽曲:Scent of a Woman (soundtrack - Smoku remix)
  • プログラム:○

昨季、国内選手権3位、ユーロ3位、ワールド3位。今季、GPファイナル3位、国内選手権4位、ユーロ2位。
3Lz+3TはOK。3Loはステップからただちに跳んでいないと判断されたのか、GOEマイナス。2AはOK。スピンとステップは全てレベル4。
音楽と共にフィニッシュ。少し遅れることが多かったので、よかった〜。
ユーロからさらにブラッシュアップしてきたなぁ。何もかも磨き上げてきたという感じ。すばらしかった。
71.52。

                                                                                                                                        • -

◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、クオリファイ、名前、国名、得点の順に記されている。

  1. Q Evgenia MEDVEDEVA RUS 79.01
  2. Q Kaetlyn OSMOND CAN 75.98
  3. Q Gabrielle DALEMAN CAN 72.19
  4. Q Anna POGORILAYA RUS 71.52
  5. Q Karen CHEN USA 69.98
  6. Q Maria SOTSKOVA RUS 69.76
  7. Q Ashley WAGNER USA 69.04
  8. Q Carolina KOSTNER ITA 66.33
  9. Q Wakaba HIGUCHI JPN 65.87
  10. Q Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 65.48
  11. Q Dabin CHOI KOR 62.66
  12. Q Rika HONGO JPN 62.55
  13. Q Mariah BELL USA 61.02
  14. Q Ivett TOTH HUN 61.00
  15. Q Mai MIHARA JPN 59.59
  16. Q Xiangning LI CHN 58.28
  17. Q Loena HENDRICKX BEL 57.54
  18. Q Nicole RAJICOVA SVK 57.08
  19. Q Kailani CRAINE AUS 56.97
  20. Q Zijun LI CHN 56.30
  21. Q Angelina KUCHVALSKA LAT 55.92
  22. Q Laurine LECAVELIER FRA 55.49
  23. Q Anastasia GALUSTYAN ARM 55.20
  24. Q Nicole SCHOTT GER 54.83
  25. Shuran YU SGP 52.87
  26. Joshi HELGESSON SWE 52.07
  27. Helery HÄLVIN EST 51.94
  28. Amy LIN TPE 51.86
  29. Emmi PELTONEN FIN 50.74
  30. Isadora WILLIAMS BRA 50.65
  31. Kerstin FRANK AUT 50.54
  32. Natasha MCKAY GBR 50.10
  33. Yasmine Kimiko YAMADA SUI 47.86
  34. Anne Line GJERSEM NOR 46.99
  35. Anna KHNYCHENKOVA UKR 46.98
  36. Dasa GRM SLO 46.63
  37. Michaela-Lucie HANZLIKOVA CZE 32.21
                                                                                                                                        • -

◆総評
昨季のFS進出ラインは、49.86だったけど、今季は54.83。女子シングルもハイレベル化が進んでいる。
女子SPでは、回転不足には大らかで、単独ジャンプに対してはかなり厳しい印象を受けた。トップの選手もずいぶん減点されてるんだよね〜。それと、オリンピックの枠取りがかかっているからか、例年より選手の緊張感が高めの印象を受けた。
さて、SP1位はメドさん。「まぁそりゃトップですよね」というハイパークリーンな演技で、ワールド2連覇に向け、視界良好である。
2位のオズモンドさんと3位のギャビー、カナダ女子2人が、それぞれ最高のパフォーマンスを見せてくれた。「このままFSも…!!」と期待がふくらむばかりだが、両名ともフリーが課題なんだよねぇ。プログラムはめっちゃ素敵なのだが、なかなかクリーンな演技が見られなくてなぁ…。わたしは信じる心の弱いファンなので(←ダメじゃん)、「FSで失速とかやめてね? ぜったいやめてね?」と今からハラハラドキドキしている(苦笑)。
4位はポゴさん。素晴らしい演技で、「PB更新じゃない!?」と思ったのだが、単独ジャンプの3Loで思わぬ減点があり、さほど得点が伸びなかった。でも、PCSは、メド>オズモンド>ポゴと、3番目に高いスコアが出ているので、FSも良い演技ができれば、高得点が期待できそう。2年連続表彰台なるか。
5位のカレン、6位のソツコワさん、7位のアシュリーと、69点台に3人がひしめいている。個人的に心配なのがアシュリーで、ジャンプがいつもより低い気がする。となると、回転不足が取られやすく、得点が伸びなくなってしまうんだよねぇ。
8位はコストナーさん。ユーロのときに比べると、スピンが乱れ、ジャンプに隙がある印象だが、難度を上げた影響もあるんだろうなぁ。滑りと表現に関しては申し分なく、彼女のゴージャスなスケーティングを存分に堪能した。
9位のわかば様は、初出場のワールドで、上々のスタート。彼女は昨季まで、「元気いっぱいスピードびゅんびゅんのスケーティングとでっかいジャンプ」を強みとした選手だったと思うのだが、今季の変身ぶりを見るに、情念を表現するスケーターになるのではと期待が高まる。
12位の理華ちゃんと15位の三原さんは、ジャンプにミスはあったものの、素敵な演技だった。オリンピックの枠取りのプレッシャーがあるだろうけど、FSでは練習通りの演技を見せてもらえれば。それだけで十分よ。
最後に、本大会は、カメラワークが最悪である…。フィンランドはシンクロが盛んなせいか、遠くから撮りたがるんだよねぇ…。シンクロはそれが適してるんだろうけど、シングルとカップル競技であんなに小さく映されたら、良さが分かりづらくなっちゃうんだよーう(泣)。

世界ジュニア 女子FS

世界ジュニア2017 リザルト
台湾の台北にて開催。女子FSは、現地時間2017年3月18日(土)に行われた。
フジが最終グループを中心に生放送してくれた。世界ジュニアが地上波でライブ中継される日がくるとは。
フジの生放送を見てから、後日、Jスポーツの放送を見た。Jスポーツの解説は岡部由起子さん、実況は小林千鶴さん。Jスポーツで放送された選手の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。
◎:何度でも見たい。
○:よかった。好き。
△:悪くない。まずまず。
×:イマイチ。
?:何とも判断が付きかねる。

                                                                                                                                        • -

●第1グループ
3 Michaela-Lucie HANZLIKOVA ミハエラ=ルチエ・ハンズリコワ(チェコ

  • SP順位:21,得点:48.10
  • 楽曲:O Fortuna (from "Carmina Burana") by Carl Orff
  • プログラム:△

17歳。昨季、国内選手権2位。今季、JGPチェコ9位、JGPリュブリャナ7位、国内選手権優勝、ユーロ20位。
ジャンプに<や着氷の乱れがいくつかあった。スピンは全てレベル4。FCCoSp4の回転がゆっくりで、ちょいGOEマイナス。ステップはレベル1で、ちょいGOEマイナス。スタンブル等の明確なミスがあったわけではないが、上半身の動きがもっとほしい。何もしてないように見えるところが多い。
岡部さんには、「何を表現したいのか見えてこない。トランジションがさみしい」とバッサリ言われていたが(苦笑)、勢いある滑りは、「カルミナ・ブラーナ」の激しい曲想とマッチしていたんじゃなかろうか。
千鶴さんによると、ワールドにも出場予定らしい。頑張って☆
フリー86.38、総合134.48。

5 Sarah TAMURA サラ・タムラ(カナダ)

  • SP順位:19,得点:49.57
  • 楽曲:The Firebird by Igor Stravinski
  • プログラム:△

16歳。両親は日本人。昨季、ジュニアの国内選手権優勝、世界ジュニア13位。今季、JGPリュブリャナ8位、JGPシュベルター6位、国内選手権5位。
ジャンプで転倒3回。着氷の乱れが続いてしまい、減点されなかったジャンプが3Loと2A+2Tだけ。3Fにeがついた。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル1。最後のLSp3はトラベリングし、ちょいGOEマイナス。
岡部さん曰く「ジャンプに集中していたせいか、トランジションがほとんどない。『火の鳥』を表現するところまでいかなかった」とのこと。
このプログラム、今季を通じて一度も良い演技が見られず、とても残念だ。編曲はめっちゃ好みだったんだけどなぁ。
フリー80.83、総合130.40。

                                                                                                                                        • -

●第2グループ
7 Lea Johanna DASTICH リア・ヨハンナ・ダスティヒ(ドイツ)

  • SP順位:13,得点:53.95
  • 楽曲:Westside Story by Leonard Bernstein
  • プログラム:△

3Lzが2つとも!がつき、GOEで減点されたが、他の要素は全て減点なし。スピンのレベルは4、3、3。ステップはレベル3。ジュニアっぽい動きではあるものの、音をよくとらえている。
見た目ノーミスの演技だった。
終盤、LSp3と2Aの間に、曲想に合ったつなぎの動きが入っており、コレオみたいでいいなぁと思った。
3Fと2Aにタノをつけられるし、SPでは3F+3Tも降りてたし、ジャンプ力はなかなかのもの。将来が楽しみだな〜。
フリー103.16、総合157.11で、SP同様、FSもPB更新。

9 Kristen SPOURS クリスティン・スポワーズ(イギリス)

  • SP順位:16,得点:49.83
  • 楽曲:The Ouverture (Mack and Mabel) by Jerry Herman
  • プログラム:△

3Fで手をついた。3S<は転倒。他の要素は全てGOEプラス。スピンのレベルは4、3、2。ステップはレベル3。岡部さんから「エッジが少し浅い」との指摘が。
3+3はプログラムに入れてないけど、ジャンプがけっこうダイナミック。3Loと2Loを2つずつ入れているところを見ると、ループが得意なんだな〜。
体の動きはジュニアっぽいが、最後まで表情豊かに元気よく滑っていた。
岡部さんによると、最初はトランジションも入れていたのだが、後半になるにつれて、抜いていってしまったらしい。それと、「目線がちょっと下なので、もっと顔を上げてほしい」とのこと。
フリー89.51、総合139.34で、SP同様、FSもPB更新。

10 Anita ÖSTLUND アニータ・オストランド(スウェーデン

  • SP順位:15,得点:52.18
  • 楽曲:And the Waltz Goes On by Anthony Hopkins, performed by Andre Rieu
  • プログラム:△

2Fと2Loの回転が抜けてしまったが、後半に3T+3Tをはじめとする連続ジャンプ3つをきれいに降りた。全ての要素でGOE減点なし。スピンのレベルは4、3。最後のCCoSpは、音楽が先に終わってしまったので焦ったのか、回転が要件を満たさず、ノーバリュー。ステップはレベル3。
音楽に少し遅れてフィニッシュ。
彼女のふんわりした雰囲気によく合った選曲だと思うが、岡部さんには、「ワルツだからもっと優雅に滑ってほしい。音楽がBGMになっていた」とバッサリ(汗)。まーねー、確かに淡々と滑ってたからなぁ。
フリー、総合144.57で、総合得点はPB更新。

                                                                                                                                        • -

●第3グループ
13 Xiangning LI シャンニン・リー(中国)

  • SP順位:12,得点:54.24
  • 楽曲:Princess Mononoke by Joe Hisaishi
  • プログラム:△

<のついたジャンプが4つ。3Lzに!がついた。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
素人目にも「回転が足りてないなぁ」と分かるジャンプが多かった。岡部さんの言うとおり、素直な滑りをする選手で、ジャンプの着氷姿勢がきれいだし、スピンも上手だし、今後の成長が楽しみだ。
フリー96.79、総合151.03。

14 Polina TSURSKAYA ポリーナ・ツルスカヤ(ロシア)

  • SP順位:11,得点:54.30
  • 楽曲:February by Leonid Levashkevich
  • プログラム:△

ジャンプに<や抜けが続いてしまった。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル3。
滑りは表現はさすがと感じる部分もあったのだが、好調時と比べるとやはり元気がなかった。怪我はつらいなぁ…。
フリー101.61、総合155.91。

15 Viveca LINDFORS ヴィヴェカ・リンドフォースフィンランド

  • SP順位:10,得点:55.50
  • 楽曲:Don't Cry For Me Argentina (from "Evita") by Andrew Lloyd Webber, performed by Madonna
  • プログラム:△

プログラムを昨季のものに戻した。
3Lz<と1A<で転倒。この1A<の転倒が思いがけない転倒の仕方だった。他にもアンダーローテや抜けが出て、プラス評価がもらえたジャンプは冒頭の3T+3Tと3Lz+2Tだけ。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル2。
滑り出しはよかっただけに惜しまれる。やっぱ1A<の転倒で動揺しちゃったかなぁ。
フリー88.03、総合143.53。

16 Starr ANDREWS スター・アンドリューズ(アメリカ)

  • SP順位:9,得点:55.83
  • 楽曲:
    • Perfection (from "Black Swan" soundtrack) by Clint Mansell
    • A Swan Is Born (from "Black Swan" soundtrack) by Clint Mansell
    • Nina's Dream (from "Black Swan" soundtrack) by Clint Mansell
    • Perfection (from "Black Swan" soundtrack) by Clint Mansell
  • プログラム:△

フリー93.22、総合149.05で、SP同様、FSもPB更新。
ジャンプは<が3つ、3Lzにeがついた。アクセルが2つとも抜け、シングルにもならず、ノーバリュー。スピンは全てレベル4。回転が速く、ポジションが美しい。ステップはレベル2。
岡部さんもほめていたが、スピンが上手なので、最後に2つ続けて終わるフィニッシュは、盛り上がっていいなぁ。強い音がジャンジャンと入るのだが、そこをよくとらえていたと思う。
フリー93.22、総合149.05。

17 Bradie TENNELL ブレイディ・テネル(アメリカ)

  • SP順位:7,得点:57.47
  • 楽曲:The Mission (soundtrack) by Ennio Morricone
  • プログラム:△

冒頭、3Lz+3Tの予定が、3Lzに!がつき、着氷でオーバーターン。後半の3Lz<+2Tもルッツに!が。スピンのレベルは2、4、4。岡部さん曰く、「FSSp2で、ジャンプしてただちにシットビハインドに入るのは、他では見られない。すばらしい」とのこと。ステップはレベル4。
前に滑ったスター同様、彼女もほんとにスピンが上手。岡部さんも言っていたように、アメリカの選手はみなスピンがすばらしいわ〜。
フリー103.89、総合161.36。

18 Yi Christy LEUNG イー・クリスティー・リャン(香港)

  • SP順位:8,得点:56.01
  • 楽曲:Romantic Revenge by Jelonek
  • プログラム:△

3Lz+3T<で転倒。3Fが抜けてシングルに。2A+1Lo+3Sは問題ないように見えたのだが、GOEマイナス。スピンは全てレベル4。ステップはレベル2。
序盤のボディームーブメントが素敵だったなぁ。
岡部さんが「滑ることもできるし、ジャンプもスピンも良いし、バランスのいい選手。これから注目していきたい」と話していた。
千鶴さんも話していたが、今まで香港の選手というと、アメリカ出身の選手が多かったんだけど、バイオによると、彼女は香港生まれで、スケートを始めた場所も香港なんだよね。で、現在は北京で練習しているという。
フリー100.25、総合156.26で、SP同様。FSもPB更新。

第3グループが終わった時点で、総合1位は、ブレイディ・テネル(アメリカ)。

                                                                                                                                        • -

●第4グループ
19 Stanislava KONSTANTINOVA スタニスラワ・コンスタンティノワ(ロシア)

  • SP順位:6,得点:58.90
  • 楽曲:Vai Vedrai (from "Cirque du Soleil")
  • プログラム:△

3Lzの予定が抜けてシングルに。2A+2Tと3F<+2Tは着氷が乱れた。2Aの予定が抜けてシングルにもならず、ノーバリュー。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。
スケーティングは良かったのだが、ジャンプの抜けが目立ってしまった。片手を上げていて跳んでいたが、岡部さんが「美しくない」とバッサリ(苦笑)。まぁ確かに肘が曲がっているので、あまりきれいじゃないけども。
フリー103.94、総合162.84。現時点で総合1位。

20 白岩 優奈(日本)

3つのジャンプに<がついた。3Lz<は転倒。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
お辞儀のとき、泣いてる…。腰が痛いのかなぁ。
3Lzの転倒は、流れに乗ってすばやく立ち上がったので、まるでそういう振付のようだった(笑)。
流れの途切れない、良い演技だったが、好調時と比べると、キレがなかったように感じた。
フリー111.42、総合174.38。現時点で総合1位。

21 Eunsoo LIM ウンス・イム(韓国)

  • SP順位:4,得点:64.78
  • 楽曲:Miss Saigon by Claude-Michel Schoenberg
  • プログラム:△

後半の3Lzの転倒以外は、全ての要素がGOEプラス。スピンは全てレベル3。ステップはレベル3。
スピードに乗ってきれいにジャンプを降りていたし、よく滑っていた。表現も素晴らしかった。
岡部さん曰く、「パッケージとしてバランスのいい選手。ジャンプだけでなく踊れるし、感情の表出もできる。体を直線的にも曲線的にも使うことができる」とのこと。
フリー116.03、総合180.81で、SP同様、FSもPB更新。現時点で総合1位。

22 本田 真凜(日本)

  • SP順位:2,得点:68.35
  • 楽曲:Romeo and Juliet by Nino Rota
  • プログラム:○

全ての要素がGOEプラス。スピンとステップは全てレベル4。
単にクリーンというだけでなく、シームレスでエフォートレスな演技だった。一つの流れの中に全ての要素がとけこんでいる。
岡部さんが話していたように、昨季優勝した上で今季もう一度優勝を目指すというのは、並大抵ではない重圧だったと思うが、その中でSPもFSもクリーンな演技ができるという心の強さよ。本当にすばらしい。
フリー133.29、総合201.61で、SP同様、FSもPB更新。現時点で総合1位。真凜ちゃんもいよいよ200点超え!! ぃやったーー!! キスクラでは、真凜ちゃんが感極まって泣いている…(感涙)。

23 Alina ZAGITOVA アリーナ・ザギトワ(ロシア)

  • SP順位:1,得点:70.58
  • 楽曲:Don Quixote by Leon Minkus
  • プログラム:○

後半、7つ全てのジャンプをクリーンに降りた。着氷が音とぴったり合っている。全要素がGOEプラス。スピンとステップは全てレベル4。
完璧。特にジャンプは超完璧。JGPファイナル以降、クリーンな演技を続けている。揺るがない強さがすごい。すごすぎる。
フリー138.02、総合208.60で、どちらもPB、つまりジュニア女子の歴代最高得点を更新。現時点で総合1位。

24 坂本 花織(日本)

  • SP順位:3,得点:67.78
  • 楽曲:The Color Purple: Main Theme by Quincy Jones
  • プログラム:○

ジャンプ全てをクリーンに着氷。全要素がGOEプラス。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
終わった後、何かを気にして見ている様子だったので、どうしたんだろうと思っていたが、音楽に少し遅れてのフィニッシュになったので、どうやら時間を気にしていたらしい。
たいへん流れの良い演技だった。特にジャンプ着氷後の流れが素晴らしく、見ていてとても気持ち良かった。
フリー127.76、総合195.54で、SP同様、FSもPB更新。総合3位に決定。時間は大丈夫よ! 花織ちゃんも嬉し泣きしてる…(感涙)。

                                                                                                                                        • -

◆総合順位
女子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Alina ZAGITOVA RUS 208.60 1 1
  2. Marin HONDA JPN 201.61 2 2
  3. Kaori SAKAMOTO JPN 195.54 3 3
  4. Eunsoo LIM KOR 180.81 4 4
  5. Yuna SHIRAIWA JPN 174.38 5 5
  6. Stanislava KONSTANTINOVA RUS 162.84 6 6
  7. Bradie TENNELL USA 161.36 7 7
  8. Lea Johanna DASTICH GER 157.11 13 8
  9. Yi Christy LEUNG HKG 156.26 8 10
  10. Polina TSURSKAYA RUS 155.91 11 9
  11. Xiangning LI CHN 151.03 12 11
  12. Starr ANDREWS USA 149.05 9 12
  13. Anita ÖSTLUND SWE 144.57 15 13
  14. Viveca LINDFORS FIN 143.53 10 15
  15. Kristen SPOURS GBR 139.34 16 14
  16. Michaela-Lucie HANZLIKOVA CZE 134.48 21 16
  17. Sarah TAMURA CAN 130.40 19 18
  18. Elisabetta LECCARDI ITA 129.33 14 21
  19. Andrea MONTESINOS CANTU MEX 128.55 24 17
  20. So Hyun AN KOR 126.82 17 20
  21. Amy LIN TPE 125.91 18 22
  22. Guzide Irmak BAYIR TUR 123.23 22 19
  23. Holly HARRIS AUS 123.11 20 24
  24. Valentina MATOS ESP 120.41 23 23

Alexandra FEIGIN BUL (SP 25位)
Anastasia GOZHVA UKR (SP 26位)
Paige CONNERS ISR (SP 27位)
Kristina SHKULETA-GROMOVA EST (SP 28位) 
Yoonmi LEHMANN SUI (SP 29位) 
Diana NIKITINA LAT (SP 30位) 
Aiza MAMBEKOVA KAZ (SP 31位) 
Fruzsina MEDGYESI HUN (SP 32位)
Amanda STAN ROU (SP 33位)
Chloe ING SGP (SP 34位) 
Julie FROETSCHER FRA (SP 35位)
Morgan FLOOD AZE (SP 36位) 
Hanna PAROSHYNA BLR (SP 37位)
Elzbieta KROPA LTU (SP 38位)
Hana CVIJANOVIC CRO (SP 39位)
Alisa STOMAKHINA AUT (SP 40位) 
Daria JAKAB HUN (SP 41位) 
Alexandra HAGAROVA SVK (SP 42位)
Juni Marie BENJAMINSEN NOR (SP 43位)
Nina POLSAK SLO (SP 44位)
WD Leona ROGIC SRB

                                                                                                                                        • -

◆来季の出場枠

  • 3枠:ロシア,日本
  • 2枠:韓国,アメリカ,ドイツ,香港

香港が2枠!! 史上初の快挙じゃない!?

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◆総評
ザギトワさんは、初出場で初優勝! おめでとう☆ 破格に安定して強かった。同門のメドさんのようだ。彼女は平昌オリンピック、出場できるんだよね〜。ロシアからまた強力な五輪メダリスト候補が出てきたぞ〜。
総合2位の真凜ちゃんも、2年連続の表彰台おめでとう☆ 今季前半は、プレッシャーがあったのか、なかなか実力を十分に発揮できず、苦しそうだったが、その苦悩を乗り越え、本大会では最高の演技を披露してくれた。
3位の花織ちゃんも、初表彰台おめでとう☆ JGP横浜大会でJGP初優勝して嬉し泣き、JGPファイナルでは、「ロシアの選手が凄すぎて、引いてしまった」自分に悔し泣き、そして本大会では最高の演技ができて嬉し泣き。どれも素敵な涙だった。
SP後のインタビューで、2シーズン前に世界ジュニアに出場したときとの違いを聞かれて、「前回と違うのは、戦う気持ち。前回はロシア選手には絶対勝てないと思い込んでいたが、今回は一人でも二人でも追い越そうと思ってやっているので、そこが違う」という彼女の答えに心打たれた。今季、スケーターとして一つ一つ階段を上がっていく姿を見られて、ほんと幸せだったよ〜。ありがとう☆
これらトップの3人は、みなSPもFSもクリーンな演技で、ジャッジが誰一人マイナスを出していない。まさにメダルに値する3人であった。
4位はウンス。彼女も素晴らしい演技だった。残念ながら平昌オリンピックには、年齢制限のため、出場できないのだが、ものすごいポテンシャルの持ち主なので、来季の活躍が楽しみだ。
5位は白岩さん。インタビューによると、演技後の涙は、ぶじ滑り切れて、ほっとした涙と、悔し涙とが入り混じっているらしい。今季はシーズン前から怪我で苦しんでいて、本当に大変だったと思うが、そんな中、できることをコツコツ積み上げていって、世界ジュニア出場をつかみ取り、みごと5位入賞。ほんとすごい。すばらしい。
この日進月歩にハイレベルな世界ジュニアにおいて、2年連続表彰台に2人も上がれて、残り1人も5位入賞できるなんて!! 去年も同じことを思ったけど、同じ日本人として、彼女たちが誇らしい。心から称えたい。

世界ジュニア2017 アイスダンスFD

世界ジュニア2017 リザルト
台湾の台北にて開催。アイスダンスは、現地時間2017年3月18日(土)に行われた。
カップル競技における、ジュニアの年齢の規定は、シーズン初めの7月1日より前に、女性が13歳以上、19歳未満、男性が13歳以上、21歳未満と決められている。
残念ながら、ライストは見られなかったので、後日、動画やJスポーツの放送で全組の演技を見た。Jスポーツの解説は東野章子さん、実況は小林千鶴さん。
特に印象に残った選手の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。
◎:何度でも見たい。
○:よかった。好き。
△:悪くない。まずまず。
×:イマイチ。
?:何とも判断が付きかねる。

                                                                                                                                        • -

●第1グループ
1 Eva KHACHATURIAN / Georgy REVIYA GEO イヴァ・ハチャトゥリアン / ゲオルギ・レヴィヤ(ジョージア

  • SD順位:18,得点:45.69
  • 楽曲:
    • Spente le Stelle performed by Emma Shapplin
    • Requiem for a Tower by Corner Stone Cues
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

STw4はまずまずと思ったが、ちょいGOEマイナス。CuLi4は、曲想に動きが合っていてよかった。DiSt1は、激しい曲想なので、もっと力強さや迫力がほしい。
流れが良く、動きがスムーズだった。ステップのレベルが2と1で、両方GOEで減点されているので、そこを強化していければ、素敵なカップルに成長しそう。
フリー60.22、総合105.91。

2 Guoste DAMULEVICIUTE / Deividas KIZALA グォステ・ダムレヴィシューテ / ディヴィダス・キザラ(リトアニア

  • SD順位:16,得点:50.18
  • 楽曲:Westside Story by Leonard Berstein
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

ツイズルは回転速いが、ファーストの終わり方がズレてしまい、ちょいGOEマイナス。RoLi4の回転がフレーズに合っていてよかった。SeSt2からCoSp1とコレオスピンが続くのだが、要素の切れ目なくスムーズにつなげていたと思う。
ステップのレベルは2と1で、両方GOEで減点されている。下位の組はやっぱステップが課題なんだな〜。
最後まで元気よく滑っていた。フレッシュな「ウエストサイド・ストーリー」で、楽しく新鮮だった。
フリー61.01、総合111.19で、総合得点はPB更新。

3 Hanna JAKUCS / Daniel ILLES ハナ・ヤクーシュ / ダニエル・イルス(ハンガリー

  • SD順位:19,得点:45.61
  • 楽曲:
    • Main theme from "Chocolat" (soundtrack) by Rachel Portman
    • Minor Swing from "Chocolat" (soundtrack) by Rachel Portman
    • Vivanne Sets Up Shop from "Chocolat" (soundtrack) by Rachel Portman
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

ステップが両方レベル1で、GOEマイナス。STw1で2人ともミス。男性がバランスを崩し、女性が足をついた。RoLi4の出が手間取ったように見えたが、GOEプラス。
曲想の変化は表現できていたし、音楽の雰囲気も醸し出せていたと思う。
フリー56.02、総合101.63。

4 Monica LINDFORS / Juho PIRINEN モニカ・リンドフォース / ユホ・ピリネン(フィンランド

  • SD順位:20,得点:44.62
  • 楽曲:Amelie (soundtrack) by Yann Tiersen
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

ステップは両方レベル1でGOE 0.00。STw3のセカンドで女性が少し乱れたように見えた。GOEマイナス。
今はまだ淡々と要素をこなしている印象で、表現が淡白な感じ。でもスケーティングやユニゾンは悪くないと思うし、2人の雰囲気も素敵なので、ぜひ続けてほしい。
フリー58.04、総合102.66。

5 Sasha FEAR / Elliot VERBURG サーシャ・フィアー / エリオット・ヴァーバーグ(イギリス)

  • SD順位:17,得点:49.19
  • 楽曲:Peponi (Paradise) by The Piano Guys
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

STw4は回転が速い上にそろっていた。ステップのレベルは1と2。他は全てレベル4。全ての要素がGOEプラスで、ジャッジが誰一人マイナスをつけていない。
これまでの組より明らかにスピードが増していた。思い切りのよい動きでよく滑っている。最後まで勢いが落ちることなく、生き生きと滑っていた。
うわー、すっごく素敵なカップル!! 今季結成したばかりで、まだ14歳と17歳ということを考えると、将来がめっちゃ楽しみだー!! どうか解散しないで続けてね!!
フリー72.21、総合121.40。

                                                                                                                                        • -

●第2グループ
6 Ashlynne STAIRS / Lee ROYER アシュリン・ステアーズ / リー・ロイヤー(カナダ)

  • SD順位:12,得点:52.26
  • 楽曲:
  • プログラム:△

ステップのレベルは2と1。STw2は良いと思ったのだが、レベルを取りこぼした。
クリーンな演技だった。女性が時々腰が引けるような姿勢をとるのが気になるが、ビートルズの雰囲気をよく出せていたと思う。
フリー70.28、総合122.54。

7 Emiliya KALEHANOVA / Uladzislau PALKHOUSKI エミリヤ・カレハノワ / ウラジスラフ・パルホウスキー(ベラルーシ

  • SD順位:14,得点:50.75
  • 楽曲:Dirty Dancing (soundtrack)
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

CoSp4はポジションが美しく、回転が速い。ステップは両方レベル2。ミラーなSTw4は、男性の腰がちょっと引けてるように感じたけど、回転はすごく速く、そろっていたと思う。全ての要素がGOEプラス。
きれいに流れよく滑っていたが、アップテンポのところは、もっとキレキレに踊ってほしい。ポーランドのカリシェク&スポディレフが、同じサントラでたいへん素晴らしいFDを披露しているので、どうしてもその残像が頭をよぎっちゃうんだよね〜。シニアのカップルと比べられても困るだろうけどさ〜。
フリー68.06、総合118.81で、SD同様、FDもPB更新。

8 Darya POPOVA / Volodymyr BYELIKOV ダリア・ポポワ / ヴォロディミル・ベリコフ(ウクライナ

  • SD順位:11,得点:52.47
  • 楽曲:
    • Code Name Vivaldi
    • Adagio by Tomasino Albinoni
    • Storm by Antonio Vivaldi performed by Vanessa Mae
  • プログラム:
  • 動画:YouTube

ステップのレベルは3と1。Sp4の軸がぶれてしまい、ぐだぐだな回転になってしまい、GOEマイナス。ダンススピン以外の要素は全てGOEプラス。
スピードに乗って、よく滑っていた。序盤は不安をかき立てるような不穏な曲想を、中盤はしっとりやわらかい曲想を、終盤はクライマックスに向けドラマティックに盛り上がっていく曲想を、きちんと演じ分けていた。
ダンススピンのトラベリングがもったいなかったなぁ。あそこで流れがいったん途切れてしまった。
フリー74.41、総合126.88で、SD同様、FDもPB更新。

9 Ria SCHWENDINGER / Valentin WUNDERLICH リア・シェヴェンディンガー / ヴァレンティン・ヴァンダリヒ(ドイツ)

ミラーなSTw4は回転が合っている。MiSt3のフリーレッグがよくそろっている。ステップは両方レベル3、他の要素は全てレベル4。全ての要素がGOEプラスで、ジャッジが誰一人マイナスを出していない。
ああもうこのプログラム大好き〜〜!!!! 細かい手や腕、首の動き、目線、顔の表情で、「アダムス・ファミリー」の世界観をみごとに表現してるんだよね〜。最高☆☆☆
JGPで初めて見たときからハートをわしづかみされていたが、本大会に向けブラッシュアップして、さらに魅力的なプログラムになっていた。
フリー79.87、総合131.77で、SD同様、FDもPB更新。選手たちもコーチもめっちゃ喜んでる〜☆

10 Rikako FUKASE / Aru TATENO 深瀬 理香子 / 立野 在(日本)

SlLi4の入りが自然で女性の重さをまったく感じさせなかった。最後のRoLi4は、音楽の盛り上がりとなめらかな回転が相まって、本当に気持ちがいい。
ステップのレベルは2と3。他は全てレベル4。全ての要素がGOEプラスで、ジャッジが誰一人マイナスを出していない。
ステップは両方丁寧におこなっていたが、正直もっとスピードがほしいなぁと感じた。それとホールドチェンジでもたつき…とまでは言わないが、スムーズに流れていかないところがある。でも、どんどん良くなっているし、これからもどんどん良くなっていくだろうから、あまり心配はしていない。
JGPのころと比べたら、ほんと上手になったわ〜。たくさん練習したんだろうなぁ。
フリー73.59、総合124.03で、SD同様、FDもPB更新。2人とも嬉しそう。

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●第3グループ
11 Nicole KUZMICHOVA / Alexandr SINICYN ニコル・クズミチョワ / アレクサンドル・シニツィン(チェコ

ステップは両方レベル3。他は全てレベル4。全ての要素がGOEプラス。ジャッジが誰一人マイナスを出していない。
SlLi4をようやく女性が見える角度から見ることができた。カメラマンさん、ありがとう☆ 今までなぜかことごとく男性の背中側からで、女性が全然見えなかったんだよねぇ…。
明るく楽しくコミカルなプログラムを愛らしくかつクリーンに演じていたが、JGPチェコを超えるパフォーマンスではなく、少しばかり落胆している。…や、今回の演技も十分素敵だったんだけどね。見る方はどんどん贅沢になってしまって…(汗)。
フリー80.24、総合134.17。

12 Angelique ABACHKINA / Louis THAURON アンジェリーク・アバチキナ / ルイ・トーロン(フランス)

CuLi4のアクロバティックな入りは、何度見てもビックリさせられる。SDでミスが出たSTw3は、セカンドで女性が少しバランスを崩し、レベル4をとれず。ステップは両方レベル3。全要素GOEプラスで、ジャッジが誰一人マイナスを出していない。0も2つだけ。
このカップルは、まさに「女性が絵、男性が額縁」を体現するかのようなカップルで、演技を見ていると自然と女性に視線が引き寄せられてしまう。男性もめっちゃハンサムなのにな〜。女性の華やかオーラの威力がすごい。
フリー85.69、総合140.61。

13 Natacha LAGOUGE / Corentin RAHIER ナターシャ・ラグージュ / コランタン・ライエ(フランス)

  • SD順位:8,得点:55.41
  • 楽曲:
    • Goodbye Lenin (soundtrack) by Yann Tiersen
    • Father and Mother (from Goodbye Lenin soundtrack) by Yann Tiersen
    • The Deutschmark is coming Goodbye Lenin (soundtrack) by Yann Tiersen
    • Preparations for the Last TV Show Goodbye Lenin (soundtrack) by Yann Tiersen
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

SeSt3で女性がスタンブル。CoSp2でぐだぐだな回転に。STw4のセカンドの出が少しズレた。最後のコレオツイズルはフレーズに合ってる上に2人の回転がそろっていてかっこよかった。
ステップのレベルは3と2。サーキュラーとダンススピン以外の要素は全てGOEプラス。
ディープエッジを使い、フリーレッグもよくそろえて滑っていたと思う。ミスが出て残念だったが、滑りも良いし、フランスらしい個性的なカップルなので、今後の成長が楽しみだ。
フリー74.67、総合130.08で、総合得点はPB更新。

14 Lorraine MCNAMARA / Quinn CARPENTER ロレイン・マクナマラ / クイン・カーペンター(アメリカ)

  • SD順位:7,得点:60.30
  • 楽曲:
    • Thunder Struck performed by David Garrett
    • Nothing Else Matters performed by David Garrett
    • Rock Prelude performed by David Garrett
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

STw2で男性の回転がぐだぐだに。ステップは両方レベル3。最後のコレオツイズルは、2人の回転がバラバラになってしまったような。
スピードはよく出ていたし、動きにキレもあるんだけど、以前の鬼のような「2人で一つ」感が薄れてしまったような印象を受けた。2人の息がぴったり合ってないように感じる。
でも、彼らの様子を見る限り、関係は良好のようだし、コーチの表情も穏やかなので、「チーム一丸となって、前向きに乗り越えていこう!」という感じなのかな? そうだといいな〜。
フリー87.81、総合148.11。

15 Christina CARREIRA / Anthony PONOMARENKO クリスティーナ・カレイラ / アンソニー・ポノマレンコ(アメリカ)

CoSp4は、2人のフリーレッグのラインがとても美しい。ステップは両方レベル3。Stw4は距離が近い上に回転も速く、そろっている。全ての要素がGOEに1点以上の加点がついており、ジャッジが全員+1以上を出している。
JGPのときからお気に入りのプログラムだったが、ここにきて最高のパフォーマンスが見られ、幸せいっぱいである。
音楽が少しずつじわじわ〜っと広がり、深まっていく様子を、みごとに表現していた。すばらしかった。まだ2人とも16歳だとは、にわかに信じがたいほどの技術と表現力である。
東野さん曰く、「滑りで表現するというアイスダンスの本質を体現するカップルに成長していってくれるのではないか」とのこと。
フリー94.15、総合154.68で、FSはPB更新。

第3グループが終わった時点で、総合1位は、クリスティーナ・カレイラ / アンソニー・ポノマレンコ(アメリカ)。

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●第4グループ
16 Marjorie LAJOIE / Zachary LAGHA マージョリー・ラジョワ / ザカリー・ラガ(カナダ)

ステップは両方レベル3。他は全てレベル4。全ての要素がGOEプラスで、ジャッジが誰一人マイナスを出していない。0も3つだけ。
最初から最後までものすごいスピードで駆け抜けていった。リフトの出と入りがめっちゃスムーズで速い。JGPのときとは見違えるほど上手くなったなぁ!
この組は、女性はにこやかだが、男性が徹底して笑わないんだよね(笑)。演技中は笑顔を見せることもあるけど、演技が終われば、NO 笑顔。良い演技をしても、高得点が出ても、NO 笑顔。おもろい(笑)。
フリー87.47、総合148.26で、SD同様、FDもPB更新。現時点で総合2位。男性はやっぱ笑わないなぁ(笑)。インタビューでは、話した後、ちょっとだけ口元をゆるめるんだよね〜。

17 Anastasia SHPILEVAYA / Grigory SMIRNOV アナスタシア・シュピレワヤ / グリゴリー・スミルノフ(ロシア)

  • SD順位:4,得点:63.26
  • 楽曲:Tarantella Napolitana
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

衣装が変わった〜。前のやつかわいくて好きだったのに〜。大人っぽくしたかったのかな?
ステップは両方レベル3。他は全てレベル4。全ての要素がGOEプラスで、ジャッジ全員がマイナスを出しておらず、0も2つだけ。
久々に聴くと、このトンデモ編曲、やっぱ強烈だわ〜(苦笑)。でも、軽やかで楽しくてウキウキする。今の彼らにはとてもよく合った選曲&振付だと思う。
フリー89.40、総合152.66で、総合得点はPB更新。現時点で総合2位。

18 Alla LOBODA / Pavel DROZD アッラ・ロボダ / パヴェル・ドロースト(ロシア)

DiSt3以外は全てレベル4。全要素がGOEプラスで、ジャッジが誰一人マイナスを出しておらず、0は2つだけ。
クリーンで、たいへん素晴らしい演技だった。でも、リフトのポジションチェンジで、ほんの少しスムーズさを欠いたところがあったかなぁ。あくまで本人比の話だが。あと、減点されるほどではないが、DiSt3で女性の動きに、わずかにふらつきがあったような。
フリー96.71、総合164.37で、総合得点はPB更新。現時点で総合1位。

19 Rachel PARSONS / Michael PARSONS レイチェル・パーソンズ / マイケル・パーソンズ

  • SD順位:2,得点:67.29
  • 楽曲:Singing in the Rain arranged by Sophia Sin, Alexander Goldstein
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

RoLi4がへんな回転になってしまったが、頑張って最後まで回し切った。DiSt3以外の要素は全てレベル4。RoLi4以外の要素はすべてGOEプラス。
ローテーショナルリフトのミスさえなければ完璧だったのに〜。でも、ステップは両方とっても素敵で、うっとり見入ってしまった。
フリー97.54、総合164.83で、どちらもPB更新。現時点で総合1位。得点が出るまで不安そうだったが、現時点で総合1位と分かると、驚きから笑顔に。

20 Anastasia SKOPTCOVA / Kirill ALESHIN アナスタシア・スコプツォワ / キリル・アリョーシン(ロシア)

  • SD順位:3,得点:63.38
  • 楽曲:O Mar E Tu (Dueto com George Dalaras) by Dulce Pontes
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

ステップは両方レベル3。全ての要素がGOEプラスで、ジャッジは誰一人マイナスを出しておらず、0も5つだけ。
大人のムードをどしどし作り出していた。スケートもよく滑っていたと思う。JGPから半年かそこらでこんなに上達するとは。めっちゃかっこよくなっていた。
フリー89.15、総合152.53で、SD同様、FDもPB更新。総合5位に決定。

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◆総合順位
アイスダンスの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SD順位、FD順位の順に記されている。

  1. Rachel PARSONS / Michael PARSONS USA 164.83 2 1
  2. Alla LOBODA / Pavel DROZD RUS 164.37 1 2
  3. Christina CARREIRA / Anthony PONOMARENKO USA 154.68 6 3
  4. Anastasia SHPILEVAYA / Grigory SMIRNOV RUS 152.66 4 4
  5. Anastasia SKOPTCOVA / Kirill ALESHIN RUS 152.53 3 5
  6. Marjorie LAJOIE / Zachary LAGHA CAN 148.26 5 7
  7. Lorraine MCNAMARA / Quinn CARPENTER USA 148.11 7 6
  8. Angelique ABACHKINA / Louis THAURON FRA 140.61 9 8
  9. Nicole KUZMICHOVA / Alexandr SINICYN CZE 134.17 10 9
  10. Ria SCHWENDINGER / Valentin WUNDERLICH GER 131.77 13 10
  11. Natacha LAGOUGE / Corentin RAHIER FRA 130.08 8 11
  12. Darya POPOVA / Volodymyr BYELIKOV UKR 126.88 11 12
  13. Rikako FUKASE / Aru TATENO JPN 124.03 15 13
  14. Ashlynne STAIRS / Lee ROYER CAN 122.54 12 15
  15. Sasha FEAR / Elliot VERBURG GBR 121.40 17 14
  16. Emiliya KALEHANOVA / Uladzislau PALKHOUSKI BLR 118.81 14 16
  17. Guoste DAMULEVICIUTE / Deividas KIZALA LTU 111.19 16 17
  18. Eva KHACHATURIAN / Georgy REVIYA GEO 105.91 18 18
  19. Monica LINDFORS / Juho PIRINEN FIN 102.66 20 19
  20. Hanna JAKUCS / Daniel ILLES HUN 101.63 19 20

Viktoria SEMENJUK / Artur GRUZDEV EST (SP 21位)
Hannah Grace COOK / Temirlan YERZHANOV KAZ (SP 22位)
Yuzhu GUO / Pengkun ZHAO CHN (SP 23位) 
Flora MUEHLMEYER / Pietro PAPETTI ITA (SP 24位)
Matilda FRIEND / William BADAOUI AUS (SP 25位)
Shira ICHILOV / Vadim DAVIDOVICH ISR (SP 26位)
Malene NIQUITA-BASQUIN / Jamie GARCIA ESP (SP 27位)
Elizaveta ORLOVA / Stephano Valentino SCHUSTER AUT (SP 28位) 
Olexandra BORYSOVA / Cezary ZAWADZKI POL (SP 29位)
Wing Yi Valerie SO / Marcus YAU HKG (SP 30位)
Yana BOZHILOVA / Kaloyan GEORGIEV BUL (SP 31位)

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◆来季の出場枠

  • 3枠:アメリカ,ロシア
  • 2枠:カナダ,フランス,チェコ,ドイツ
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◆総評
パーソンズ兄妹は、SD2位から逆転の初優勝☆ おめでとう!! 総合1位と2位の差は、1点もないんだよね〜。紙一重の勝利であった。
総合2位はロボダ&ドロースト。いや〜、ほんと、あともう少しだったのだが。JGPファイナルも同じような展開で負けてしまったので、悔しいだろうな〜。とはいえ、シニアに上がっても彼らとの競い合いは続いていくので、これからも切磋琢磨していってほしい。
3位はカレイラ&ポノマレンコ。SD6位から逆転の表彰台であった。来季からパーソンズ兄妹とマクナマラ&カーペンターがシニアに上がるので、アメリカのジュニア勢は、カレ&ポノが引っ張っていくことになりそうですな。
4位のシュピレワヤ&スミルノフと5位のスコプツォワ&アリョーシンは、約0.1点差しか離れていないという(汗)。シュピ&スミだって、上手くなってるんだけど、スコ&アリョの成長速度が凄まじかった。来季、ロシアの1番手はどちらになるのだろう。とはいえ、ロシアは選手層がめっちゃ厚いので、他の組が急成長して彼らを追い抜く可能性もなくはないんだよねぇ…。
6位のラジョワ&ラガは、カナダ期待の星ですな。カナダはシニアだと鬼のように強いけど、ジュニアはアメリカとロシアに大きく水をあけられているので、ぜひとも頑張ってほしい。
7位のマク&カーは、不調が深刻そうなので、表彰台は難しいのかなぁと案じていたが、まさかここまで順位を落とすとは…。昨季は全勝だったのになぁ…。不調の原因は分からないが、マジカルな魅力を秘めた組なので、不調からの脱却を心から願っている。
深瀬&立野は13位。日本のアイスダンスカップルとしては、過去最高順位とのこと。
最後の世界ジュニアを最高の結果で締めくくることができて、とっても幸せ〜☆☆ 来季からはシニアに上がることになるが、これからも日本の記録を次々と塗り替えていってください。

世界ジュニア2017 ペアFS

世界ジュニア2017 リザルト
台湾の台北にて開催。ペアFSは、現地時間2017年3月17日(金)に行われた。
カップル競技における、ジュニアの年齢の規定は、シーズン初めの7月1日より前に、女性が13歳以上、19歳未満、男性が13歳以上、21歳未満と決められている。
残念ながら、ライストは見られなかったので、後日、動画やJスポーツの放送で、全組の演技を見た。Jスポーツの解説は岡部由起子さん、実況は小林千鶴さん。
全組の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:何度でも見たい。
  • ○:よかった。好き。
  • △:悪くない。まずまず。
  • ×:イマイチ。
  • ?:何とも判断が付きかねる。
                                                                                                                                        • -

●第1グループ
1 Nica DIGERNESS / Danny NEUDECKER ニカ・ディジャネス / ダニー・ニューデッカー(アメリカ)

  • SP順位:13,得点:44.06
  • 楽曲:Liebestraum by Franz Liszt
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

3Tw2は少しキャッチがうまくいかなかった。2Aはまずまず。スロー3Sで女性が足をついた。2Lz+2Tは2人ともクリーンに着氷したが、タイミングが少しズレたためか、ちょいGOEマイナス。FCCoSp1Vで、女性がバランスを崩し、手をついてしまい、回転が大きくズレた。スロー3Loは転倒。コレオのリフトが素敵だった。BoDs2は、2人の姿勢がきれいだった。もそっと長く回れるとよかったのだが。PCoSp4は、きれいなポジションで安定して回れていた。
スロージャンプやソロスピンで大きなミスが出たものの、男女とも表情豊かに滑っており、つなぎにもいろいろ工夫が見られた。ジュニアのペアだと要素をこなすだけで精一杯の組も多いのだが、彼らはちゃんと演じられている。
ロマンティックな雰囲気を醸し出せるペアなので、「愛の夢」がハマるんだよねぇ。素敵☆ 16歳と21歳ということは、来季はシニアだよね? がんばって〜☆
フリー83.43、総合127.49で、FSはPB更新。

2 Cleo HAMON / Denys STREKALIN クリオ・ハモン / デニス・ストレッカリン(フランス)

  • SP順位:14,得点:43.28
  • 楽曲:Interstellar (soundtrack) by Hans Zimmer
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

ほとんどの要素にGOEマイナスがついており、フィニッシュのポーズも少しずれてしまったが、ジャンプ力はあるようで、3Tと2A+2T+2Tをきちんと降りていたし、スローも両方まだダブルだけども着氷はしていた。また、ダンスリフトからのスロージャンプやリフトなど、つなぎに工夫が見られ、音楽を表現しようという意思が感じられた。
15歳と17歳と若く、結成してまだ1年もたってないのに、ここまでできるってすごいよね? このまま続けていけば良いペアになりそう。
フリー71.40、総合114.68。

3 Irma CALDARA / Edoardo CAPUTO イルマ・カルダーラ / エドアルド・カプート(イタリア)

  • SP順位:15,得点:42.29
  • 楽曲:The Lion King (soundtrack) by Hans Zimmer
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

2Aで女性が転倒。スロージャンプは両方着氷が乱れてしまった。2F+2Tの予定だったが、女性の回転が両方シングルに。ほとんどの要素がGOEマイナス。
コレオでもGOEで減点されてしまったが、時間をかけ、氷上を大きく使っていて、いいな〜と感じた。2人の滑り自体は悪くない気がするんだよね。まだ16歳と19歳と若いし、もう数シーズン、ジュニアでがんばって、力をつけてほしい。
フリー67.60、総合109.89で、総合得点はPB更新。

4 Alexanne BOUILLON / Ton CONSUL アレクサンヌ・ブイヨン / トン・コンソル(スペイン)

  • SP順位:16,得点:40.07
  • 楽曲:Mirror Mirror by Alan Menken
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

3S<<で女性が転倒。リフトで落下するんじゃないかとヒヤヒヤした。2A+2T+2Tとコレオ以外の要素は、GOEマイナス。
今はまだ要素をこなすのに精いっぱいな感じだが、2人とも笑顔で滑ろうと頑張っているのが伝わってきた。特に女性の笑顔が素敵なんだよねぇ。華があるというか。
岡部さんによると、男性はスケーティングスキルや動きがしっかりしているのだが、女性の方はまだまだ拙いらしい。まぁ2016年に結成したばかりの13歳と18歳なので、現時点でレベルの差があるのは仕方ないか。スペインは男女シングルとアイスダンスは徐々に層が厚くなってきたが、ペアはユーロやワールドに出場できる組がまだ出てきていないと思うので、ぜひともがんばってほしい。
フリー65.52、総合105.59。

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●第2グループ
5 Talisa THOMALLA / Robert KUNKEL タリサ・トマラ / ロバート・クンクル(ドイツ)

3Tw1の着氷で女性が両足着氷。2Loと2Lz+2T+2Tは跳ぶタイミングが少しズレた。スロー3Tと2Lzはまずまず。FCCoSp4は回転が合ったりズレたり。PCoSp1Vは回転がゆっくりに。
これまでの組と比べ、要素の質が上がったからだと思うが、リフトの出でスピードが落ちるところや、ユニゾンがちょこちょこずれるのが気になった。
とても愛らしい13歳と17歳のペア。身長差がかなりあるので合わせるのが大変そうだが、ユニゾンと全体的なスピードが増すと、さらに素敵なペアになりそう。
岡部さん曰く、「今後が楽しみなペア。女性というか女の子がとっても一所懸命な姿に好印象を受ける」とのこと。タリサちゃんのひたむきさ、かわいらしさに、岡部さんもわたしもメロメロ〜(笑)。
フリー77.64、総合124.94で、SP同様、FSもPB更新。

6 Hailey Esther KOPS / Artem TSOGLIN ヘイリー・エスター・コップス / アルチョム・ツォグリン(イスラエル

  • SP順位:12,得点:45.80
  • 楽曲:A Whole New World (Aladdin soundtrack) by Alan Menken
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

小さなミスが重なり、ユニゾンもいまいちなので、半分以上の要素でGOEマイナスを出されているのだが、3Tw2のキャッチはうまくいかなかったものの、高さがあるし、3Sと2A+2A、スローの3Fと3Sも片足で降りていた。
演技が終わった後、2人ともとっても嬉しそう。
岡部さん曰く、「全体的に落ち着きがないというか、バタバタした印象を受けた。フィギュアスケートなので、滑ってほしい。それと女性のコアが少し弱いようなので、そこを強化するともっと良くなる」とのこと。
バイオを見る限り、今季結成したばかりのようだし、男性は昨季まで男子シングルのJGPに出場していたところを見ると、ペアを始めてまだ1年足らずなのではなかろうか。それを考えると、もうトリプルツイストができてるなんてすごいよね。14歳と19歳と、これまた若いペアなので、今後の成長が楽しみだ。
フリー80.26、総合126.06で、SP同様、FSもPB更新。

7 三浦 璃来 / 市橋 翔哉(日本)

  • SP順位:11,得点:46.90
  • 楽曲:Charlie Chaplin selection
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

声援を送っている日本女子&男子がちらっと映る。かわゆい☆
2Tw2はOK。3T+2Tで、男性の回転が抜け、2T+1Tに。スロー3Sの予定が投げられず、ノーバリュー。2Aとスロー2Lzはまずまず。FCCoSp4は回転が合ったりずれたり。PCoSp3は終盤回転がゆっくりになってしまった。
演技後、2人とも悔しそう。スロー3Sできなくて残念だったよねぇ。
ミスはいろいろあったけど、清涼感のある、さわやかなペアなので、チャップリンの映画音楽の雰囲気にマッチしていて良かった。
フリー73.29、総合120.19。得点を見て、2人ともちょっとがっかりしてる感じ。

8 Su Yeon KIM / Hyungtae KIM スヨン・キム / ヒョンテ・キム(韓国)

  • SP順位:9,得点:49.20
  • 楽曲:Tree of Life (Expo Milan 2015)
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

2Tw1はクリーンに見えたのだが、GOEマイナス。3Sはまずまず。スロー3Fでエッジがかすった。スロー3Sはまずまず。FiDs2は最後女性の姿勢がつぶれてしまった。FCCoSp4で男性の軸が少しぶれた。
音楽に少し遅れてフィニッシュ。女性が泣いて喜んでる。2人で力強くハグ。
小さなミスがいくつかあったが、プログラムの流れを妨げるようなものではなく、良い演技だった。要所要所で女性の笑顔が見られるようになったけど、男性はずっと真顔で滑ってるんだよね。兄も笑顔がんばれ(笑)。
岡部さん曰く、「女性の所作やポジションが洗練されていないのが気になる。特にリフトに上がったときのフリーレッグの処理や指先まで神経が行き届くようになってほしい。あと、スケーティングのエッジが浅く、伸びていかない」とのこと。
フリー86.09、総合135.29。

                                                                                                                                        • -

●第3グループ
9 Lori-Ann MATTE / Thierry FERLAND ロリ=アン・マット / ティエリー・フェルラン(カナダ)

  • SP順位:7,得点:50.78
  • 楽曲:
    • La Vita e bella (soundtrack) by Nicola Piovani
    • Barcarolle by Nicolas Piovani
    • Grand Hotel Valse by Nicola Piovani
    • Il gioco di Giosue by Nicola Piovani
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

2Tw3はOK。スロー3Sでお手つき。2A+2Tの予定だったが、女性がファーストで転倒した上に、アンダーグレード。スロー3Lzで転倒。2Sは女性の着氷が乱れた。PCoSp4はポジションがきれいで回転が速い。コレオでスタンブル。FCCoSp4の回転は速かったものの少しズレた。でも最後は合わせてきた。
SPでも感じたことだが、どうやらこの組は、ジャンプ系が課題のようだ。
ペアにしてはめずらしく、女性が真顔で、男性がにこやかに滑っている(苦笑)。ジュニアのペアで演技できる男性は貴重! あとは女性に余裕が出てくれば、さらに素敵な雰囲気を醸し出せるペアになれそう。
フリー77.51、総合128.29。

10 Amina ATAKHANOVA / Ilia SPIRIDONOV アミナ・アタハノワ / イリヤ・スピリドノフ(ロシア)

  • SP順位:8,得点:50.20
  • 楽曲:Singin' in the Rain by Gene Kelly
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

3Tはよかった。スロー3LzもOK。2A+2T+2Loの予定だったと思うが、セカンドとサードで女性の回転がシングルになり、男性はサードを跳ばなかったので、2A+1Tという扱いに。FCCoSp3の回転は大体合っていた。スロー3Sはよかった。3Li3で女性を下ろすとき、スムーズさに欠けた。
2A+1Tと3Li3以外の要素は、全てGOEプラス。
これまでの組とは、滑るスピードも、動きのキレも、要素の質も表現も、段違いにレベルアップ。SPでも感じたことだが、彼らはペアの醍醐味であるユニゾンと滑りがすばらしいんだよね〜。惚れ惚れするわ☆
終盤のリフトでヒヤッとしたけど、ぶじに女性を下ろせてほっとした。SPでもFSでもリフトにミスが出ているということは、2人の体のバランスが変化して、調整に苦労してるってことなのかなぁ。成長期だもんね…。
フリー107.56、総合157.76で、FSはPB更新。

11 Evelyn WALSH / Trennt MICHAUD エヴリン・ウォルシュ / トレント・ミショー(カナダ)

  • SP順位:6,得点:51.93
  • 楽曲:Rise Up by Andra Day
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

3Tw1で女性を抱えてしまった。3T+2Tはまずまず。スロー3Sの着氷でこらえた。2AはOK。スロー3Tはまずまず。コレオ素敵〜☆ FCCoSp4の回転が速く、2人の回転が大体合っていた。PCoSp4も回転が速く、ポジションがきれい。
乙女心の琴線をじゃらんじゃらんかき鳴らされた。JGPのときから、雰囲気が素敵なペアだなぁと感じていたが、そこに要素の確実性が加わり、進化しまくりである。JGPのときはハラハラさせられたリフトも、だいぶ安定してきた。
岡部さん曰く、「男性の姿勢や所作、ポジションが美しいので、女性がそれに追いついてくると、本当に良いペアになるのではないか」とのこと。
フリー98.81、総合150.74で、SP同様、FSもPB更新。

12 Chelsea LIU / Brian JOHNSON チェルシーリュウ / ブライアン・ジョンソンアメリカ)

  • SP順位:5,得点:53.32
  • 楽曲:Beauty and the Beast (soundtrack) by Alan Menken
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

17歳と21歳だから、これが最後の世界ジュニア。女性が右ひざに、男性は右手にテーピングをしている。
3Sはまずまず。2A+2Tのファーストで女性が転倒。スロー3Tでも女性が転倒し、頭を強く打った。すぐに立ち上がれない。ソロスピンに入るところで男性が転倒したため、ノーバリュー。4Li4で女性を下ろすところで男性がスタンブル。スロー3Sはステップアウト。
心底すごいなぁと思ったのは、女性が笑顔全開でフィニッシュしたこと。演技後の様子を見るに、かなり痛かっただろうに…。
このプログラム、お気に入りだったので、今季最後の演技でショッキングなミスが出てしまい、非常に残念だった。打ったのが頭だから心配だなぁ。大したことないといいのだが。
フリー85.63、総合138.95。

第3グループが終わって、総合1位は、アミナ・アタハノワ / イリヤ・スピリドノフ(ロシア)。

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●第4グループ
13 Ekaterina ALEXANDROVSKAYA / Harley WINDSOR エカテリーナ・アレクサンドロフスカヤ / ハーリー・ウィンザー(オーストラリア)

  • SP順位:3,得点:59.82
  • 楽曲:W.E. (soundtrack) by Abel Korzeniowski
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

スロー3Sで転倒した以外、全ての要素でGOEプラス。
演技後、2人とも、めっちゃ嬉しそう。よかったよ〜。素敵だったよ〜。
女性がすっごく素敵な表情で滑るようになったな〜。男性はほぼずっと真顔だけど(苦笑)。それでもJGPのころに比べたら、だいぶ情感が感じられるようになり、プログラムの流れも段違いに良くなっている。
岡部さん曰く、「女性のランディング姿勢がとても美しい」とのこと。
フリー104.16、総合163.98で、SP同様、FSもPB更新。現時点で総合1位。

14 Alina USTIMKINA / Nikita VOLODIN アリーナ・ウスティムキナ / ニキータボロディン(ロシア)

  • SP順位:4,得点:54.63
  • 楽曲:Aria by Balansescu Quartet
  • プログラム:×
  • 動画:YouTube

3S+2T+2Tの予定が、女性がセカンドで1T<<に。2Aの予定が、女性がシングルに。スロー3Loは着氷が乱れた。5RLi4は女性を下ろすとき、スピードが落ち、ぎこちなかった。スロー3Tで手をついた。FCCoSp4の回転がずれた。
ジャンプ系が1つも成功できず。他にも小さなミスが続いてしまった。
JGPで初めて見たときから、「プログラムの尻切れトンボな終わり方に違和感を感じる。プログラムのハイライトや見所がない」と思ってきたが、残念ながら、最後までその感想が覆らなかった。この音楽って、シニアのペアでも表現するのはかなり難しいと思うんだよな〜。実力のある組とはいえ、まだ16歳と17歳なのに、いくら何でも背伸びしすぎじゃなかろうか。
岡部さん曰く、「全体的にぎこちなく、かみ合っていないように見えた。無理して難しいことをやるのではなく、美しさを追求してほしい」とのこと。
フリー91.06、総合145.69。タイムバイオレーションにより、減点1。現時点で総合4位。

15 Yumeng GAO / Zhong XIE ユーメン・ガオ / ズォン・シエ(中国)

  • SP順位:2,得点:59.97
  • 楽曲:Crunchy Granola Suite by Neil Diamond
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

3Sの予定が、男性がダブルに。FCCoSp4は回転が速く、途中までそろっていたのだが、最後のポジションでズレてしまった。
2S以外は全ての要素がGOEプラス。ツイストとスローは、高さ、幅ともにすばらしい。
演技が終わって、すごく嬉しそうな2人。力強くハグ。
SPに比べると、「要素を淡々とこなす」演技だったかなぁ。中盤でアップテンポな曲想に変わるところでは、きちんと動きに変化が見られたと思ったが、岡部さんには「もっと!」と言われていた(笑)。
フリー101.12、総合161.09で、SP同様、FSもPB更新。現時点で総合2位。

16 Aleksandra BOIKOVA / Dmitrii KOZLOVSKII アレクサンドラ・ボイコワ / ドミトリー・コズロフスキー(ロシア)

  • SP順位:1,得点:61.27
  • 楽曲:Tristan and Isolde by Maxime Rodriguez
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

3Sで男性の着氷が流れず。3T+2T+2Tはきれいに降りたが2人の距離が離れた。4Li4のポジションがぴたっと決まらず、GOE加点なし。スロー3Sは着氷が乱れた。スロー3Loは両足着氷。FCCoSp4は回転が速いが、合わない。PCoSp4は軸がきちんと定まらないところがあった。
優勝がかかった場面で、最終グループの最終滑走ときて、緊張しちゃったかなぁ。岡部さん曰く、「焦っているのか、落ち着きのない演技だった。何かに急かされているように見えた」とのこと。
ちょいちょいユニゾンのずれや、動きにぎこちなさがあった。ほんの少しなんだけどね。でもカップル競技では、その「ほんの少し」がだいじなんだよな〜。
フリー100.66、総合161.93で、総合得点はPB更新。総合2位に決定。2人とも、がっかりしてる…。

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◆総合順位
FSが終わって、総合順位は下記のとおり。左から総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Ekaterina ALEXANDROVSKAYA / Harley WINDSOR AUS 163.98 3 2
  2. Aleksandra BOIKOVA / Dmitrii KOZLOVSKII RUS 161.93 1 4
  3. Yumeng GAO / Zhong XIE CHN 161.09 2 3
  4. Amina ATAKHANOVA / Ilia SPIRIDONOV RUS 157.76 8 1
  5. Evelyn WALSH / Trennt MICHAUD CAN 150.74 6 5
  6. Alina USTIMKINA / Nikita VOLODIN RUS 145.69 4 6
  7. Chelsea LIU / Brian JOHNSON USA 138.95 5 8
  8. Su Yeon KIM / Hyungtae KIM KOR 135.29 9 7
  9. Lori-Ann MATTE / Thierry FERLAND CAN 128.29 7 12
  10. Nica DIGERNESS / Danny NEUDECKER USA 127.49 13 9
  11. Hailey Esther KOPS / Artem TSOGLIN ISR 126.06 12 10
  12. Talisa THOMALLA / Robert KUNKEL GER 124.94 10 11
  13. Riku MIURA / Shoya ICHIHASHI JPN 120.19 11 13
  14. Cleo HAMON / Denys STREKALIN FRA 114.68 14 14
  15. Irma CALDARA / Edoardo CAPUTO ITA 109.89 15 15
  16. Alexanne BOUILLON / Ton CONSUL ESP 105.59 16 16
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◆来季の出場枠

  • 3枠:オーストラリア,ロシア
  • 2枠:中国・カナダ・アメリカ,韓国

オーストラリアが3枠!! 韓国が2枠!!

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◆総評
アレクサンドロフスカヤ&ウィンザーは嬉しい嬉しい初優勝!! おめでとう☆ オーストラリアの選手が世界ジュニアで優勝するのは、全種目を通じて初めてのことらしい。オーストラリア史上初のJGP優勝、JGPファイナル出場ときて、世界ジュニア優勝ですよ!! 今季、試合に出たばかりで、オーストラリアの歴史を次々と塗り替えている。すごい!! すばらしい!!
オーストラリアは、世界ジュニアの第一回大会(1976年)で、ペアの銅メダルを獲得しているのだが(全種目を通じて、それが唯一のメダルだった)、その銅メダリストのペアがケイン兄妹で、岡部さんのお友達とのこと。兄のピーターは、アメリカのペア選手、アシュリー・ケインのお父さん。彼は男子シングルに出場している、クラスノジョンのコーチとして本大会に来てるから、きっと喜んでるんじゃないかなぁ。
17歳と20歳なので、来季もジュニアでやれるけど、シニアに転向するそうだ。平昌オリンピックがあるもんね〜。ワールドではオリンピックの出場枠をかけて、日本の須藤&オデの強力なライバルになりそう! 次々ライバルが増えて、ほんと困るわ〜。でも素敵なペアが増えるのは嬉しいわ〜(笑)。
総合2位のボイコワ&コズロフスキーは、およそ2点差で優勝を逃すことに。FSで大きなミスはなかったんだけど、小さなミスが重なってしまってなぁ…。惜しかった。でもま、彼らはまだ15歳と17歳。2015年11月に結成して2年もたってないんだし、今季ほんと上手になったし、焦る必要ないと思う。来季ジュニアで無双しても驚かないよ☆
3位はガオ&シエ。世界ジュニアが始まる前、彼らが表彰台に上がろうとは、まったく予想していなかった。すさまじい成長速度である。演技後のインタビューによると、来季もジュニアの大会に出るとのこと。まだ15歳と18歳だもんね。
4位のアタハノワ&スピリドノフは、SP8位→FS1位と大きくジャンプア〜ップ☆ フリーは、TESもPCSもトップ。14歳と19歳だから、来季もまだジュニアに残るよね? 「来季こそは表彰台を!」と思うけど、成長期真っただ中だからなぁ…。たいそう魅力的なペアなので、なんとかこの難しい時期を乗り切ってほしい。
5位のウォルシュ&ミショーは、15歳と20歳なので、来季もジュニアでやれるかな? 彼らもどんどんうまくなっているし、演技後のインタビューでは、来季に向けてやる気に満ち満ちている様子だったので、今後の成長が本当に楽しみだ。
8位のキム兄妹は、韓国にみごと2枠をもたらした。15歳と19歳だから、来季もジュニアでやれるけど、残るのか、それともシニアに上がるのか。キム兄妹が韓国の1番手になって、平昌オリンピックに出場する可能性…あるで!!
岡部さんによると、韓国にはペアが4組ほどいて、国籍の問題もすでにクリアしているらしい。アイスダンスもそうなんだって〜。うらやましいなぁ。日本代表の外国籍の選手が日本の国籍を取るのは、ほとんど不可能に近いもんねぇ。
13位の三浦&市橋は、初出場の世界ジュニアで、ほんとよく頑張ったよ〜。演技後のインタビューでは、「練習してきた中でも、ひどい方の演技だった」と悔しそうに話していた。でもきっと、この悔しさを糧に、さらに素敵なペアになってくれるだろう。15歳と19歳だから、来季、JGPに派遣されるよね? 今からワクワクするわ〜。
岡部さんの解説を聞いていて、初めて気づいたのだが、ジュニア世代では、ペアを組んでいる男女の場合、女性より男性の方がスケート技術が勝っていることが多いこと。ペアでは、ある程度男女の体格差が必要とされることから、ほとんどのペアは男性が年上なので、ジュニアでは、十代前半の女子が十代後半の男子と組むパターンが多い。となれば、男子のほうがスケートが上手いのは自然なことなんだよね。
全てのペアに当てはまることではないだろうけど、ジュニアのペアにおいては、女性の頑張りが重要なんだなぁと思った。ペアの技術を習得するのはもちろん、自分より上のスケート技術を持つパートナーと、肩を並べられるようにならなきゃいけないんだもんね。

世界ジュニア2017 女子SP

世界ジュニア リザルト
台湾の台北にて開催。女子SPは、現地時間2017年3月17日(金)に行われた。上位24名までがFSに進出できる。
残念ながら、ライストは見られなかったので、後日、フジのアーカイブ配信や、フジテレビオンデマンド、Jスポーツの放送で、フリーに進出した選手の演技を中心に見た。フジの解説は、荒川静香さん、実況は中村光宏アナ。Jスポーツの解説は、岡部由起子さん、実況は小林千鶴さん。
Jスポーツで放送された選手の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:何度でも見たい。
  • ○:よかった。好き。
  • △:悪くない。まずまず。
  • ×:イマイチ。
  • ?:何とも判断が付きかねる。
                                                                                                                                        • -

●第4グループ
16 Starr ANDREWS スター・アンドリューズ(アメリカ)

  • 楽曲:Pink Panther by Henry Mancini
  • プログラム:△

15歳。今季、全米ジュニア2位。スターって、アニメのキャラクターの名前みたい。日本風に言うと星子ちゃんみたいな? アンバー・グレンの代わりに急遽出場が決まった。
3T+3Tはまずまず。3Loはお手つき。2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。回転が速く、ポジションもしっかりしていた。ステップはレベル3。
ボディームーブメントはまだジュニアっぽいんだけど、アメリカの選手だけあって、基本がしっかりしてるなぁという印象を受けた。
55.83。

19 Yi Christy LEUNG イー・クリスティー・リャン(香港)

  • 楽曲:Hana's Eyes by Maksim Mrvica
  • プログラム:△

14歳。練習拠点は北京。今季、ジュニアデビューと思われ、JGPシュベルター10位。
3Lz+3Tはまずまず。イーグルからの2AはOK。3Loはクリーンに着氷したが、GOEで減点されている。ステップからただちに跳んでいなかったからだろうな〜。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
JGPシュベルターで彼女の演技を見ていたし、感想も書いていたが、すっかり忘れていた(汗)。記憶力がザルでごめんよ。
JGPでは3Lz+2Tタノを跳んでいたのだが、本大会では3Lz+3Tに難度を上げてきた上に、きれいに降りた。岡部さん曰く、「香港の選手でこの難しい連続ジャンプを成功させたのを初めて見た」とのこと。ボディームーブメントもきれいだった。
キスクラに、中国の男子シングル選手だったイー・ワンが。元気そうで嬉しいわ〜☆
56.01でPB更新。

20 Elisabetta LECCARDI エリザベッタ・レッカルディー(イタリア)

  • 楽曲:Rain In Your Black Eyes by Ezio Bosso
  • プログラム:△

15歳。昨季、ジュニアの国内選手権6位。今季、JGP横浜8位、ジュニアの国内選手権優勝。
彼女を見るのはJGPのとき以来だが、背と手足が伸びた気がする。
3T+3Tはまずまず。3Loはステップからただちに跳んでいなかったからか、GOEマイナス。2Aはまずまず。スピンのレベルは4、2、4。ポジションが美しい。ステップはレベル3。
スケーティングスキルはいまひとつな印象だが、体の動きはしなやかで、JGPのときと比べると、立体的になったように感じる。
上半身の衣装が肌に近い色なので、岡部さんが、「ヌーディティーではいけないという規則に違反していると見なされかねない」と話していた。本大会ではコスチューム違反を取られずにすんだけど、確かに遠目から見たら、裸っぽく見えそう。
52.62でPB更新。

                                                                                                                                        • -

●第5グループ
23 So Hyun AN ソヒョン・アン(韓国)

  • 楽曲:Stone Cold
  • プログラム:△

15歳。昨季、JGP8位と5位。今季、シニアの国内選手権7位。
3Lz+3T<は少しバランスを崩した。3Lo<はGOEマイナス。ステップからただちに跳んでいないように見えた。2Aはまずまず。スピンのレベルは3、4、3。ステップはレベル3。
要素を淡々とこなしているように見えた。「振付がこうだからこうやってます」感があるというか(苦笑)。
岡部さんが、「もう少し年齢に合う選曲と衣装にしてはどうか。今じゃないとできない、はつらつとした、若々しいプログラムの方がいいのでは」と話していた。わたしも同感だが、大人っぽいのがやりたいお年頃なんだよね〜(笑)。
49.75。

24 Alina ZAGITOVA アリーナ・ザギトワ(ロシア)

  • 楽曲:Samson and Delilah by Camille Saint-Saens
  • プログラム:△

14歳。今季、ジュニアデビューで、JGPファイナル優勝、国内選手権2位、ジュニアの国内選手権優勝。
3Lzタノ+3T、3Loタノ、2Aと、余裕さえ感じる、クリーンな着氷。スピンとステップは全てレベル4。ジャッジが全ての要素で+1以上を出している。
今日も今日とて超クリーンな演技だった。まったく危なげない。
70.58。おお、安定の70点超え。

25 Bradie TENNELL ブレイディ・テネル(アメリカ)

  • 楽曲:Remember Me by Thomas Bergersen
  • プログラム:△

19歳。昨季、全米6位、世界ジュニア11位。今季、全米9位。
3Lz+3T<は、ファーストに!がついた。3Loはまずまず。2AはOK。スピンは全てレベル4。正確で美しい。ステップはレベル3。
岡部さんの言う通り、清々しい雰囲気をもつ選手。
全米からさらに滑りこんできたんだなぁというのが伝わってくる演技だった。つなぎのスパイラルが素敵だったなぁ。SPは時間に余裕がないからか、最近とんと見られなくてさみしい。やっぱ女子のスパイラルはフィギュアスケートの華だよね☆
57.47でSB更新。

                                                                                                                                        • -

●第6グループ
28 Kristen SPOURS クリスティン・スポワーズ(イギリス)

16歳。昨季、ジュニアの国内選手権4位、ワールド36位。今季、JGPジェルヴェ13位、ジュニアの国内選手権優勝。
3F+2Tと3Loはまずまず。2Aはスムーズに流れていかなかったからか、ちょいGOEマイナス。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
前半は弾むような曲想だったが、後半は何とも表現しがたい、独創的な曲想になった。おもろい。でも音を取るのが難しそう。音に合わせて振付をこなしていたが、効果的に表現できていたかというと、いまひとつかなぁ。
岡部さん曰く、「動きが明確でなく、姿勢もあまり良くない。普通に滑っているときのエッジが浅い」とのこと。
コーチが、本大会の男子シングルに出場しているニューベリーのお父さんだ。
49.83でPB更新。

32 Eunsoo LIM ウンス・イム(韓国)

  • 楽曲:Besame Mucho
  • プログラム:△

14歳。今季、JGPリュブリャナ4位、JGPシュベルター3位、国内選手権優勝。
3Lz+3T、3Lo、2Aと、スピードに乗ってきれいに降りていた。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル3。
スピードがよく出ていたと思う。切ない顔から輝くような笑顔まで、表情豊かに演じていた。途中から曲想が明るくリズミカルに変化するのだが、その表現もバッチリ☆ 動きがしなやかでやわらかく美しい。JGPのときより、さらに大きく動けるようになったんじゃないかな〜。
岡部さん曰く、「すべてのムーブメントがなめらかで、ジャンプとスピンの質も良い。この年齢で、この表現力は素晴らしい。将来が楽しみ」とのこと。ですよね〜☆
64.78でPB更新。

                                                                                                                                        • -

●第7グループ
33 Anita ÖSTLUND アニータ・オストランド(スウェーデン

  • 楽曲:Carmen Fantasie by David Garrett
  • プログラム:△

16歳。ウクライナ出身。昨季、ジュニアの国内選手権2位。今季、JGP横浜12位、JGPタリン7位、国内選手権3位。
3Loはまずまず。3T+3Tは着氷が少し乱れた。2Aはまずまず。スピンのレベルは3、4、4。FCSp3は岡部さんから「回転速度がほしい」と指摘が。ステップはレベル3。
岡部さんが言っていたように、指先やフリーレッグのつま先、姿勢に神経が行き届くようになると、もっと洗練された動きになってくると思う。今はまだ「美しい」と感じる部分がないんだよね。容姿は美しいのにもったいないわ〜。
52.18でPB更新。

34 Stanislava KONSTANTINOVA スタニスラワ・コンスタンティノワ(ロシア)

  • 楽曲:Swan Lake by Petr I. Tchaikovski
  • プログラム:△

16歳。今季、JGPモルドヴィア2位、JGPシュベルター4位、国内選手権6位、ジュニアの国内選手権2位。
3Lz+3TはOK。2Loタノ<は転倒。2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
う〜ん、ジャンプのミスはともかく、演技にいつもの迫力がなくて残念だった。もっとこう、ぐぐぐ〜っと胸に迫るものがあるはずなのに。
岡部さん曰く、「スケーティングに力強さ、スピードがあり、安定した膝の動きやフリーレッグの美しさ、エッジの使い方も素晴らしい。ただ、ループのミスの後、演技に焦りが見え、それまでの力強さと安定感が消えてしまった」とのこと。
58.90。

35 Lea Johanna DASTICH リア・ヨハンナ・ダスティヒ(ドイツ)

  • 楽曲:
    • Lilies of the Valley (from "Pina" soundtrack) by Jun Miyake, Thom Hanreich
    • Pina (from "Pina" soundtrack) by Jun Miyake, Thom Hanreich
    • Shake It (from "Pina" soundtrack) by Jun Miyake, Thom Hanreich
  • プログラム:△

16歳。昨季、国内選手権4位、世界ジュニア12位。今季、JGPリュブリャナ11位、JGPシュベルター8位、国内選手権2位。
昨季から続行のプログラム。
3F+3Tは、少しこらえた。ファーストに!が。3Loはまずまず。2AはOK。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
彼女が今できることは、ほぼやり切った演技だと思うが、「ピナ」は、シャルトランの素晴らしいSPがあるので、自然とそれと比べちゃうのよねぇ。
岡部さん曰く、「フリーレッグや四肢をきれいに伸ばせるようになると、体が大きいので見ごたえが出てくるだろう」とのこと。
千鶴さんによると、彼女はフリップにもルッツにも!がつけられることが多いのだそうだ。うわ〜、それは二重苦ですな。直せるといいのだが。
53.95でPB更新。

38 Xiangning LI シャンニン・リー(中国)

  • 楽曲:Waltz from "Coppelia" by Leo Delibes
  • プログラム:○

16歳。昨季、ユース五輪12位、世界ジュニア20位。今季、中国杯10位、四大陸13位、国内選手権2位。
3F+3T<と3Lo<でGOEマイナス。2Aはまずまず。スピンのレベルは4、3、4。軸がまっすぐで回転が速く、気持ちがいい。ステップはレベル3。有名な曲想に合わせて、弾むように軽やかにステップを踏んでいた。
ジャンプがいつもよりちょっと低かったかなぁ。でも体はよく動いていた。特にステップは音楽をよくとらえていて素敵だった。
54.20。

                                                                                                                                        • -

●第8グループ
40 Viveca LINDFORS ヴィヴェカ・リンドフォースフィンランド

  • 楽曲:Persian Dance (from "The Snow Queen") by Tuomas Kantelinen
  • プログラム:△

18歳。昨季、国内選手権4位、ユーロ8位、世界ジュニア25位、ワールド20位。今季、国内選手権3位、ユーロ23位。妹のモニカが本大会のアイスダンスに出場している。
3Lz+3Tはきれいに降りた。3Loはステップアウト。2Aはまずまず。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル3。
フィンランド女子らしい、端正な滑りをする選手。彼女が3Lz+3Tをクリーンに着氷したの、初めて見たかも。岡部さん曰く、「質の良いジャンプを跳ぶ選手だが、本番でなかなか決められない」とのこと。
55.50。

41 Polina TSURSKAYA ポリーナ・ツルスカヤ(ロシア)

  • 楽曲:Light of the Seven (Games of Thrones soundtrack) by Ramin Djawadi
  • プログラム:△

15歳。昨季、JGPファイナル優勝、ジュニアの国内選手権優勝。世界ジュニアは出場が決まっていたが、直前に怪我をし、棄権。今季、JGPモルドヴィアおよびタリン優勝でJGPファイナル出場を決めたが、昨年10月に膝の手術を受けたため棄権、ジュニアの国内選手権3位。
3Lz<+3T<は転倒。3Lo<はこらえた。2AはOK。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
ジャンプが…ジャンプが…嗚呼(泣)。
荒川さんが、「成長期と怪我が重なり、ジャンプをこわごわ跳んでいるように見える」と話していた。
54.30。

42 坂本 花織(日本)

  • 楽曲:The Artist (soundtrack) by Ludovic Bource
  • プログラム:○

16歳。昨季、JGP2位と4位、全日本ジュニア5位。今季、全日本ジュニア優勝、JGPファイナル3位、全日本7位。
3Lo、3F+3T、2Aと、当然のようにクリーンに着氷。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。ジャッジが全要素に+1以上を出している。
終始、表情豊かに楽しそうに滑っていた。スピードが出たまま繰り出されるでっかいジャンプと、のびるのび〜るスケーティングが、見ていてほんと気持ちいい。滑りも動きも大きくなったなぁ。以前は猫背が気になっていたが、今では常に背中がまっすぐにのびている。
岡部さんには「体の動かし方が直線的」と指摘されていたが、本人比では、だいぶやわらかく動かせるようになったんじゃないかなぁ。
67.78でPB更新。

44 白岩 優奈(日本)

15歳。昨季、全日本ジュニア2位、JGPファイナル5位、世界ジュニア4位。今季、JGPモルドヴィア4位、シュベルター2位、全日本ジュニア2位、全日本6位。
大人の女性らしい体つきになってきたなぁ。
3Lz+3TはOK。3Loの質は良かったが、ステップからただちに跳んでいなかったかも。2AはOK。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
リズミカルな曲想をよくとらえて、軽快に演じていた。
62.96でPB更新。

45 本田 真凜(日本)

  • 楽曲:Smile by Charlie Chaplin
  • プログラム:○

15歳。昨季、ジュニアの国内選手権6位、JGPファイナル3位、世界ジュニア優勝。今季、JGP横浜およびリュブリャナ2位、全日本ジュニア3位、全日本4位。
ツインテール真凜の破壊的な愛らしさといったら(///)。薄ピンクの衣装がとってもきれい。
3F+3T、3Lo、2Aとクリーンに着氷。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル4。ディープエッジがすごい。上半身を非常に大きく動かして、曲想をよく表現していた。
ほわわわ〜ん、ふわわわ〜んという心持ちにさせられた。「何じゃそりゃ」と突っ込まれそうだが、わたしの貧弱な語彙力ではうまく説明できない。天にも昇る心地とでも言えばいいのか。とにもかくにも素晴らしかった。
68.35でPB更新。

                                                                                                                                        • -

◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、得点、クオリファイの順に記されている。

  1. Alina ZAGITOVA RUS 70.58 Q
  2. Marin HONDA JPN 68.35 Q
  3. Kaori SAKAMOTO JPN 67.78 Q
  4. Eunsoo LIM KOR 64.78 Q
  5. Yuna SHIRAIWA JPN 62.96 Q
  6. Stanislava KONSTANTINOVA RUS 58.90 Q
  7. Bradie TENNELL USA 57.47 Q
  8. Yi Christy LEUNG HKG 56.01 Q
  9. Starr ANDREWS USA 55.83 Q
  10. Viveca LINDFORS FIN 55.50 Q
  11. Polina TSURSKAYA RUS 54.30 Q
  12. Xiangning LI CHN 54.24 Q
  13. Lea Johanna DASTICH GER 53.95 Q
  14. Elisabetta LECCARDI ITA 52.62 Q
  15. Anita ÖSTLUND SWE 52.18 Q
  16. Kristen SPOURS GBR 49.83 Q
  17. So Hyun AN KOR 49.75 Q
  18. Amy LIN TPE 49.59 Q
  19. Sarah TAMURA CAN 49.57 Q
  20. Holly HARRIS AUS 48.24 Q
  21. Michaela-Lucie HANZLIKOVA CZE 48.10 Q
  22. Guzide Irmak BAYIR TUR 45.40 Q
  23. Valentina MATOS ESP 45.40 Q
  24. Andrea MONTESINOS CANTU MEX 44.66 Q
  25. Alexandra FEIGIN BUL 44.45
  26. Anastasia GOZHVA UKR 44.21
  27. Paige CONNERS ISR 43.45
  28. Kristina SHKULETA-GROMOVA EST 42.70
  29. Yoonmi LEHMANN SUI 41.97
  30. Diana NIKITINA LAT 39.39
  31. Aiza MAMBEKOVA KAZ 39.38
  32. Fruzsina MEDGYESI HUN 39.15
  33. Amanda STAN ROU 38.29
  34. Chloe ING SGP 38.22
  35. Julie FROETSCHER FRA 38.20
  36. Morgan FLOOD AZE 36.47
  37. Hanna PAROSHYNA BLR 36.44
  38. Elzbieta KROPA LTU 35.14
  39. Hana CVIJANOVIC CRO 34.22
  40. Alisa STOMAKHINA AUT 32.95
  41. Daria JAKAB HUN 32.34
  42. Alexandra HAGAROVA SVK 32.26
  43. Juni Marie BENJAMINSEN NOR 31.83
  44. Nina POLSAK SLO 29.95

WD Leona ROGIC SRB

                                                                                                                                        • -

◆総評
SP1位のザギトワさんは、相変わらず隙なくそつなく強かった。ジャンプの安定感が半端ない。
ずいぶん前のグループで滑るんだなぁと意外に感じたが、そういや彼女、今季ジュニアデビューしたばっかだから、ランキングもさほど上位じゃないんだよね。あんまり強いんですっかり忘れてた(苦笑)。
2位は真凜ちゃん☆ 今季ベストのSPを披露してくれた。ツインテールがめっちゃかわゆ〜い☆(///)
3位は花織ちゃん☆ 彼女もまた今季ベストのSPであった。高くて幅のあるジャンプが最高!! スケーティングもすっごく滑ってた。
真凜ちゃんと花織ちゃんは、わずかながらザギトワさんよりPCSは上なんだよね〜。ま、ザギトワさんが前のグループで滑ったからというのもあるだろうけども。
4位はウンス。ロシアと日本の選手以外で表彰台争いにからめるとしたら、彼女だろうと思っていた。わたしの予想がめずらしく当たって嬉しい(笑)。PCSでは上位3人と少し差をつけられているが、調子は良さそうなので、まだまだ勝負は分かりませんな。もし彼女が逆転の表彰台に上がったら、ヨナちゃん以来の快挙だよね?
5位は白岩さん。昨年12月から腰痛に苦しんでいるそうで、背中にテーピングをしていた。そんな中、PBを更新するクリーンな演技ができるなんて、ほんとすごいわ〜。FSもぶじに滑り切れますように。

たいそう驚いたことに、ロシアのコンさん(6位)とツルさん(11位)は、ミスがあり、出遅れてしまった。特にツルさんは、3つのジャンプに<がつき、不調が深刻そう。成長期と怪我が重なって、さすがの彼女もしんどそう…。
日本女子が3人ともSPでノーミス、しかも最終グループ入り。とっても嬉しいし、誇らしい。FSでも練習通りの演技ができますように。

世界ジュニア 男子FS

世界ジュニア2017 リザルト
台湾の台北にて開催。男子FSは、現地時間2017年3月16日(金)に行われた。

にて、フジがSPに引き続き、出場全選手の演技をライストしてくれた。ありがとう〜☆ 全員の演技について、感想を書いている。
Jスポーツの解説は岡崎真さん、実況は小林千鶴さん。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。
◎:何度でも見たい。
○:よかった。好き。
△:悪くない。まずまず。
×:イマイチ。
?:何とも判断が付きかねる。

                                                                                                                                        • -

●第1グループ
1 Petr KOTLARIK ペトル・コトラリク(チェコ

  • SP順位:24,得点:56.66
  • 楽曲:
    • El Tango de Roxanne by Sting (from "Moulin Rouge" soundtrack)
    • Nature Boy by Eden Ahbez (from "Moulin Rouge" soundtrack)
    • El Tango de Roxanne by Sting (from "Moulin Rouge" soundtrack)
  • プログラム:△

1つ目の3Fにeが、2つ目の3Fに!がつき、着氷が少し乱れたジャンプもあったが、見た目ほぼミスのない演技だった。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル2。
最後まで全く疲れが見えず、「ムーラン・ルージュ」を演じきった。終わった後、選手本人も感極まった様子。よかったね!
フリー112.13、総合168.79で、SP同様、FSもPB更新。

2 Mark GORODNITSKY マーク・ゴロドニツキー(イスラエル

  • SP順位:22,得点:59.27
  • 楽曲:Iron Man 3 (soundtrack) by Brian Tyler
  • プログラム:△

3Loの予定がダブルになってしまったのと、2つ目の3Lzに!がつき、着氷がきれいに流れなかった以外は、ミスのない演技だった。スピンは全てレベル4。回転が速く、軸がぶれず、ポジションがきれい。ステップはレベル2。
後半、ジャンプが4つ続くところで音楽が盛り上がってくるのだが、ジャンプに集中しているのか、淡々とジャンプを跳んでいる印象で、音楽の盛り上がりがBGMと化している。とはいえジャンプを決めないことには得点が出ないし。難しいところですな。
フリー111.32、総合170.59で、SP同様、FSもPB更新。

3 Sondre ODDVOLL BOE ソンドレ・オドヴォル・ボー(ノルウェー

  • SP順位:19,得点:66.16
  • 楽曲:Bring Him Home (from "Les Miserables") by Claude-Michel Schoenberg
  • プログラム:△

ベストがきつそう。今季のうちに体が成長して、サイズが合わなくなっちゃったか。
3Fが2つともシングルになり、1つ目はeがついた。スピンのレベルは4、3、4。FCSp3の回転がゆっくりになり、GOEマイナス。ステップはレベル3。全身を大きくやわらかく使って、男性ボーカルの朗々とした歌声を表現していた。
ソフトなスケーティングが魅力の選手だが、やわらかい動きがちょっとぐにゃぐにゃに見えるところがあるので、そこに芯の強さみたいなものが備わると、さらに素敵になるんじゃないかな〜。
フリー112.82、総合178.98で、総合得点はPB更新。

4 Thomas STOLL トーマス・シュトイル(ドイツ)

あっかんべーしたデカい口が背中にデカデカと描いてある衣装。
ジャンプで転倒や回転の抜け、着氷の乱れがあり、連続ジャンプが1つしか入らなかった。スピンのレベルは4、4、2V。前2つのスピンは質が良かったのだが、最後のCCoSp2Vは軸がぶれてしまい、GOEマイナス。ステップはレベル2。
ロックなナンバーで、衣装もロックだが、姿勢がきれいで、どこか品のある滑りをする。しかもスピンが得意とくればわたしのもろタイプ☆(笑) 今回はジャンプにミスが続いてしまったけど、スピードは出ていたし、動きにキレがあったと思う。
フリー96.58、総合153.68。

5 Chih-I TSAO チーイー・ツァオ(台湾)

  • SP順位:20,得点:63.17
  • 楽曲:Adios Nonino by Astor Piazzolla
  • プログラム:○

3Aを片足で立った!!!! GOEで少しマイナスされたけど。他に2Aの転倒あり、回転の抜けや着氷がきれいに流れないジャンプがあった。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル2。直前の2Aで転倒してしまったので、ステップに入るのが遅れてしまったかも。疲れが見える。力強さがほしい。
出し切ったーー!!! ジャンプに集中しているようで、表現はまぁまぁという感じだったけど、終盤、ちょっと動きが鈍っちゃったけど、今できることは全部やりきれたんじゃなかろうか。
フリー118.72でSB、総合181.89でPB更新。

6 Tangxu LI タンシュー・リー(中国)

  • SP順位:21,得点:62.08
  • 楽曲:
    • Storybook Ending by Alan Menken
    • So Close by Jon McLaughlin
  • プログラム:×

3F+3Tと3Fで転倒。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
SPで感じたフリーレッグやポジションの美しさやプログラムの流れの良さが消え、全体的にぎこちない演技になってしまった。
フリー111.00、総合173.08。

                                                                                                                                        • -

●第2グループ
7 Sihyeong LEE シヒョン・イ(韓国)

  • SP順位:15,得点:67.51
  • 楽曲:
    • Take Me to Church
    • From Eden
  • プログラム:△

彼を見るたび、その足の長さに驚いてしまう。<が2つ、着氷の乱れたジャンプがいくつかあった。スピンは全てレベル4。ステップはレベル2。
一つ一つ丁寧に要素や振付を行っているように見えた。前半のジャンプは流れの中で跳べていて、質が良かったのだが、後半疲れたのか、ちょっと動きが鈍くなり、ジャンプの着氷が乱れてしまった。
フリー119.16、総合186.67。

8 友野 一希(日本)

  • SP順位:14,得点:68.12
  • 楽曲:An American in Paris by George Gershwin
  • プログラム:○

日本女子3人がバナーを持って応援している。
4S<で手をつき、前半の3A+3Tはステップアウト、後半の3Aでも手をついたが、他のジャンプはクリーンに降りた。スピンは全てレベル4。めっちゃ練習してきたんじゃないかな〜。ステップはレベル3。終わりの方でちょいスタンブルしたが、躍動感がすばらしい。一緒に踊りたくなる感じ☆
得点の大きいビッグジャンプでミスが出てしまったが、ステップ以外の部分でも踊りまくりで、彼の魅力が伝わってきた。
フリー143.16、総合211.28。うん、これまでとは段違いの高得点が出た。

9 Conrad ORZEL コンラッド・オーゼル(カナダ)

  • SP順位:18,得点:66.21
  • 楽曲:
    • The Last Samurai (soundtrack) by Hans Zimmer
    • The Painted Veil ("River Waltz" soundtrack)
    • Takiotoshi (Sound of Waterfall)
  • プログラム:△

4Tはクリーンに着氷。1つ目の3Aで着氷が乱れ、2つ目の3Aがシングルになってしまった。が、その代わり、3連続のファーストを3Aにしてきた。3Fにeがつき、ジャンプにいくつか着氷の乱れがあった。スピンのレベルは2、4、4。FCSp2の回転がゆっくりになり、GOEマイナス。ステップはレベル2。
今できることは全部できたんじゃないかな。ジャンプの前の構えが少し長いけど、JGPのときに比べたら、動きも滑らかになって、スピードも出るようになっていたし、終盤、曲想に合わせて力強さも出せていた。
フリー128.20、総合194.41。

10 Daniel SAMOHIN ダニエル・サモヒン(イスラエル

  • SP順位:16,得点:67.00
  • 楽曲:The Illusionist by Maxim Rodriguez
  • プログラム:○

冒頭の4T+3Tと4Sはすばらしい。3Aは2つともOK。後半の4Tは転倒、3Loの着氷が乱れた。スピンのレベルは4、3、3。FCCoSp3の回転がゆっくりになり、GOE加点なし。ステップはレベル2。終盤、足にきているようだったが、渾身の力を振り絞って動いていた。
気迫を感じた。滑り出しでちょっとバランス崩したので心配になったが、全くの杞憂であった。
フリー165.63PB、総合232.63SB更新。おお〜、これはたいへん良い漬物石になりそうですな(笑)。

11 Daniel Albert NAURITS ダニエル・アルベルト・ノウリツ(エストニア

1つ目の3Aはアンダーローテ、2つ目の3Aはこらえた。他のジャンプも回転不足が取られたり、手をついたり、回転の抜けがあった。スピンのレベルは4、4、3。スピンの上手な選手だが、特に1つ目のFCCoSp4は、情感あふれる振付が素敵だった。ステップはレベル3。入る前の鬼気迫る表情がすごかった。
後半ジャンプが乱れてしまったが、ボディームーブメントやポジション、ラインが美しい…。音楽表現が素敵なんだよなぁ。うっとりしちゃう☆
ブノワさんは本日も黒ずくめ。帽子にフード付き上着
フリー112.04、総合178.48で、総合得点はPB更新。

12 Matteo RIZZO マッテオ・リッツォ(イタリア)

冒頭の3A+2Tはクリーンに着氷。後半の3Aはステップアウト。2Fにeがついた。スピンのレベルは3、4、3。ステップはレベル2。
音をよくとらえていた。正直、唐突な曲のつなぎは気になるが、それぞれの曲想の違いをよく表現できていたと思う。
フリー128.94、総合197.47で、総合得点はSB更新。

                                                                                                                                        • -

●第3グループ
13 Yaroslav PANIOT ヤロスラフ・パニオット(ウクライナ

  • SP順位:10,得点:72.03
  • 楽曲:Falling Away With You by Muse
  • プログラム:△

4Tは2つともお手つき。2つ目の4Tは連続ジャンプにできなかった。3Aはまずまず。3Loの着氷が乱れ、3S+2Tの予定だったが、セカンドがダブルに。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。全身を大きく使って曲想を表現していた。
今季、JGPでは2試合ともフリーで大崩れする姿を見てきたので、心配していたのだが、後半疲れが見え、ジャンプにいくつかミスが出たものの、何とかプログラムをまとめることができた。
フリー136.54、総合208.57で、SP同様、FSもPB更新。レイトスタートで減点1。もったいない〜。でも、最後の世界ジュニアで良い演技ができてよかったね☆

14 島田 高志郎(日本)

  • SP順位:12,得点:68.77
  • 楽曲:
    • O Verona (Romeo and Juliet soundtrack)
    • Kissing You (Romeo and Juliet soundtrack)
    • O Verona (Romeo and Juliet soundtrack)
  • プログラム:○

客席で日本チームが全員応援してる。自分の演技が終わったばかりのメガネ友野も!(笑)
3Lz+3Tでお手つき、3Lo<、2Fにeがついた以外の要素は全てGOEプラス。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
…う〜ん、好調のときと比べると、動きにちょっとシャープさが欠けたかなぁ。それでも十分良い演技なんだけども、全日本のFSがめっちゃ素敵で「このロミオなら、14歳かそこらで恋に殉じることになっても本望だ!!」と思えるほどだったからさ〜〜。
フリー125.33、総合194.10。

15 Graham NEWBERRY グレアム・ニューベリー(イギリス)

  • SP順位:11,得点:70.80
  • 楽曲:Last Samurai (soundtrack) by Hans Zimmer
  • プログラム:△

3A<+3Tはファーストがオーバーターン。他のジャンプでも、バランスを崩したり手をついたりと、いくつかミスが出た。スピンのレベルは4、4、3V。ステップはレベル2。
今持てる力を全て出し切った演技に見えた。終盤のステップでスケートが滑らなくなるのが気になったけど、全体的には力強くシャープな動きができていた。
フリー120.98、総合191.78。

16 Nicolas NADEAU ニコラス・ナドゥー(カナダ)

  • SP順位:7,得点:77.20
  • 楽曲:Elvis Presley Medley
  • プログラム:○

3Aが2つともシングルに。4Tの予定がダブルに。3Lo+2Tで着氷が乱れたのと、3S<でGOEマイナス。その上、連続ジャンプが2つしか入らなかった。スピンのレベルは2、3、4。FCSp2で軸がぶれ、GOE 0点。ステップはレベル3。
…よりにもよって、何故ここでカナディアンアクセルの呪いが発動するのだ…。「そういや彼、怪我でシーズン前半休んでたんだなぁ」というのを思い出させる演技になってしまった…嗚呼(泣)。
でも、滑りはめっちゃ良かった。一蹴りがぐいんぐいーんと伸びまくっていた。
とっても楽しいプログラムだということがよく分かったので、来季続行してほしい!! これで滑り納めだなんてあんまりだもん!! 滑りこんだらきっとすごく光り輝くはず!! きっとオリンピックシーズンにふさわしいプログラムになるよ!!
フリー119.43、総合196.63で、総合得点はSB更新。

17 Roman SADOVSKY ロマン・サドフスキー(カナダ)

  • SP順位:9,得点:76.27
  • 楽曲:Romeo and Juliet (Plunket and Maclean soundtrack) by Craig Armstrong
  • プログラム:○

4S<<は両足着氷。3Aは2つとも<<がついた上に転倒し、連続ジャンプにできなかった。他にも抜けがあったり、<がとられたり、3Fに!がついたりと、加点のもらえるジャンプが1つもなかった。スピンのレベルは4、3、3。ステップはレベル3。
ジャンプが…ジャンプが…嗚呼(泣)。滑りやボディームーブメント、ポジション、ラインは、本当にとっても美しいんだけどなぁ…(ため息)。
フリー110.26、総合186.53。

18 Alexei KRASNOZHON アレクセイ・クラスノジョン(アメリカ)

  • SP順位:8,得点:76.50
  • 楽曲:
    • 50 Rodeo - Four Dance Episodes: III. Saturday Night Waltz by Copland Aaron
    • 51 Rodeo - Four Dance Episodes: IV. Hoedown by Copland Aaron
  • プログラム:△

冒頭の4Lo<<は、場内のお客さんも「あれ…今のクワド?」という反応(笑)。アンダーグレードされたけど、片足では立っていた。3A+3Tの予定だったと思うのだが、セカンドがダブルに。3Fにeがついた。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。体がよく動いており、おどけた表情を頑張って作っていた。
今更だけど、コーチがケイン夫妻なんだよね。ペアのアシュリー・ケインの両親。
JGPのときからずっと残念に思ってきたのだが、楽しくリズミカルなプログラムなのに、要素をこなすのに必死で、曲想を表現しきれてないんだよな〜。彼の明るいキャラクターにぴったりのプログラムなのに。
フリー134.97、総合211.47。

第3グループが終わった時点で、総合1位はダニエル・サモヒン(イスラエル)。うん、よく漬かってるぜ☆(笑)

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●第4グループ
19 Vincent ZHOU ヴィンセント・ジョウ(アメリカ)

  • SP順位:5,得点:78.87
  • 楽曲:Casablanca (soundtrack)
  • プログラム:○

昨季が「ゴッドファーザー」で、今季が「カサブランカ」って、どんだけ大人の男の哀愁を演じたいんだ(笑)。
さて、彼が跳んだジャンプは下記の通り。
4Lz 4S+3T 3A+2T(ここから後半)4S 3A 3F 3Lo 3Lzタノ+3T
冒頭の4Lzは超クリーンに着氷。他のジャンプも全てきれいに降りた。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
4回転3本、3A2本(しかも後半に4Sと3Aを1本ずつ)の超難度ジャンプ構成のプログラムだが、最後まで全く疲れが見えず、動きが落ちなかった。もちろんジャンプだけでなく、スピンもステップもすばらしく、振付もみごとにこなし、素敵なプログラムに仕上がっていた。
キスクラでヴィンスがどーもくんを持ってる。確か全米でももらってたような。ヴィンスってどーもくん好きなのかな?
フリー179.24、総合258.11で、どちらもPB更新。TES104点超え!! 現時点で総合1位。

20 Kevin AYMOZ ケヴィン・エイモズ(フランス)

  • SP順位:6,得点:77.24
  • 楽曲:
    • Condolence by Benjamin Clementine
    • Nemesis by Benjamin Clementine
  • プログラム:◎

冒頭、3Aを2つともクリーンに着氷。3Lzと3Loが続けてダブルになってしまったが、その後のジャンプはきちんとまとめ、連続ジャンプも3つ全部入れた。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル2。迫力満点だったが、岡崎さん曰く、「エッジワークが粗い」とのこと。
"His body can talk. " という演技だった。特にプログラムが進むにつれてその度合いが深まっていき、彼の体から動きから、音楽が流れ出しているように感じた。ステップはもちろん、ジャンプもスピンも表現の一部のようだった。
フリー141.39、総合218.63で、SP同様FSもPB更新。現時点で総合3位。

21 Alexander PETROV アレクサンドル・ペトロフ(ロシア)

  • SP順位:4,得点:81.29
  • 楽曲:
  • プログラム:○

3Aは2つとも質が高い。4Tと3Lzがこらえるジャンプになり、GOEで少し減点された他は、全ての要素がGOEプラス。スピンのレベルは4、4、3V。ステップはレベル3。笑顔全開で表情豊かに滑っていた。
SP同様、要素一つ一つの質が非常に高く、プログラムの流れもすばらしかった。小芝居も板につき、さまになっていた。演技中、彼の笑顔をこんなに見たの、初めてじゃなかろうか。表現者として一皮むけたように感じる。
岡崎さん曰く、「ジャンプそのものの質はすばらしいが、全体的にスピードを落とし気味だったり、跳ぶ前の構えが長かったりしたので、GOE加点において、他の選手と差が出るかも」とのこと。
フリー162.18、総合243.47で、SP同様、FSもPB更新。現時点で総合2位。

22 Alexander SAMARIN アレクサンドル・サマリン(ロシア)

  • SP順位:3,得点:82.23
  • 楽曲:Maybe I Maybe You by Scorpions
  • プログラム:△

4T+3Tは着氷が乱れたが、2つ目の4Tと3Aは2つともクリーンに着氷。後半いくつかこらえるジャンプが見られた。スピンのレベルは4、3V、4。ステップはレベル3。CCoSp3Vはトラベリングし、GOEマイナス。ステップはレベル3。
全体的にちょっと力みすぎな気がした。もそっと肩の力を抜いて楽に滑れれば、スケーティングもジャンプの着氷も伸びて、表現の幅も広がるんじゃないかなぁ。
フリー163.30、総合245.53で、SP同様、FSもPB更新。現時点で総合2位。

23 Jun Hwan CHA ジュンファン・チャ(韓国)

  • SP順位:2,得点:82.34
  • 楽曲:
    • Morning (Love Sonnet XXVII) from "Il Postino" (The Potsman) soundtrack
    • Theme from "Il Postino" (The Potsman) soundtrack
    • Mi Mancherai from "Il Postino" (The Potsman) soundtrack
  • プログラム:○

前半の4Sと3Aはクリーンに着氷したが、後半は4S<で転倒、3A+1Lo+3S<でGOEマイナス。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル4。しなやかでシームレス。何の滞りもなく流れていく。
少し音楽に遅れてのフィニッシュ。
プログラムの流れがすばらしい。4Sの転倒など忘れてしまうような演技だった。
フリー160.11、総合242.45で、総合得点はPB更新。現時点で総合4位。うっわー、表彰台を逃したか。

24 Dmitri ALIEV ドミトリー・アリエフ(ロシア)

  • SP順位:1,得点:83.48
  • 楽曲:Broken Vow by Josh Groban
  • プログラム:◎

4Tはお手つき。3Aは2つともよかった。膝くるくる3F<はこらえたが、GOE 0点に抑えた。全体的に高さはないが、エフォートレスなジャンプを跳んでいる。
スピンのレベルは3、4、4。1つ目のFCSp3は少しぐらつき、GOEで減点されたが、最後のCCOSp4は詩情を感じさせた。GOEでも1点近い加点が得られている。ステップはレベル4。シームレスでマジカルに美しい。
4Tを1本に控えたためか、最後までスタミナが切れることなく滑り切ることができた。音楽表現は申し分のない素晴らしさ。もううっとりと、魔法にかけられたかのように見入るばかりであった。
フリー163.83、総合247.31で、SP同様、FSもPB更新。総合2位に決定。

                                                                                                                                        • -

◆総合順位
男子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Vincent ZHOU USA 258.11 5 1
  2. Dmitri ALIEV RUS 247.31 1 3
  3. Alexander SAMARIN RUS 245.53 3 4
  4. Alexander PETROV RUS 243.47 4 5
  5. Jun Hwan CHA KOR 242.45 2 6
  6. Daniel SAMOHIN ISR 232.63 16 2
  7. Kevin AYMOZ FRA 218.63 6 8
  8. Alexei KRASNOZHON USA 211.47 8 10
  9. Kazuki TOMONO JPN 211.28 14 7
  10. Yaroslav PANIOT UKR 208.57 10 9
  11. Matteo RIZZO ITA 197.47 13 11
  12. Nicolas NADEAU CAN 196.63 7 15
  13. Conrad ORZEL CAN 194.41 18 12
  14. Koshiro SHIMADA JPN 194.10 12 13
  15. Graham NEWBERRY GBR 191.78 11 14
  16. Sihyeong LEE KOR 186.67 15 16
  17. Roman SADOVSKY CAN 186.53 9 23
  18. Chih-I TSAO TPE 181.89 20 17
  19. Sondre ODDVOLL BOE NOR 178.98 19 18
  20. Daniel Albert NAURITS EST 178.48 17 20
  21. Tangxu LI CHN 173.08 21 22
  22. Mark GORODNITSKY ISR 170.59 22 21
  23. Petr KOTLARIK CZE 168.79 24 19
  24. Thomas STOLL GER 153.68 23 24

Andrew TORGASHEV USA (SP 25位)
Basar OKTAR TUR (SP 26位)
Donovan CARRILLO MEX (SP 27位)
Yuheng LI CHN (SP 28位)
James MIN AUS (SP 29位)
Luc ECONOMIDES FRA (SP 30位)
Nikolaj MAJOROV SWE (SP 31位)
Artur PANIKHIN KAZ (SP 32位)
Yakau ZENKO BLR (SP 33位)
Nurullah SAHAKA SUI (SP 34位)
Irakli MAYSURADZE GEO (SP 35位)
Jakub KRSNAK SVK (SP 36位)
Ivo GATOVSKI BUL (SP 37位)
Aleix GABARA ESP (SP 38位)
Glebs BASINS LAT (SP 39位)
Alexander BOROVOJ HUN (SP 41位)
Ryszard GURTLER POL (SP 40位)
Kai Xiang CHEW MAS (SP 42位)
Davide LEWTON BRAIN MON (SP 43位)
Benjam PAPP FIN (SP 44位)
Matthew SAMUELS RSA (SP 45位)

                                                                                                                                        • -

◆来季の出場枠

日本は2枠確保!! 友野くんも高志郎くんも、よくがんばったよ〜!!

上記の記事を読むと、2人の絆と心の強さに頭が下がる思いがする。
また、日本は国別で6位に入ったので、JGP7大会に1人ずつ派遣されるそうだ。わ〜い☆ 今季より1枠増えた!! 来季こそはJGPファイナルに日本男子が出場できるといいな〜☆

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◆総評
ヴィンスは、3クワド&3A2本のプログラムをみごと滑りこなして初優勝!! おめでとう☆ 去年の世界ジュニアの感想で「来季、大化けしそう」と書いていたが、まさかここまで大化けするとは予想していなかった。彼といいネイサンといい、あまりの成長速度のすごさについていけない(汗)。
表彰式のとき、名前呼ばれて客席にお辞儀するとこで、さらっと投げキッスしてた。さすがアメリカ〜ン☆(///)
総合2位はアリエフ。初表彰台おめでとう☆ FSの演技は、まさに夢のような4分間で、昨季の世界ジュニアのSP1位→FS7位で総合6位に終わった苦い思い出を、きれいさっぱり払拭してくれた。PCSは唯一79点台でトップ。
3位のサマリンも、昨季、世界ジュニアでSP2位&FS5位→総合4位で、表彰台を逃していたんだよねぇ。初表彰台おめでとう☆
4位はペトロフ。彼も本当に素晴らしい演技だった。シニアに上がって2年もたつのに、世界ジュニアに出るというのは、結果いかんでは評価を落としかねないので、リスクの高い賭けだったと思うが、みごとその賭けに勝ってみせた。
ロシア男子、久しぶりの優勝とはならなかったが、それでも2、3、4位を占めているわけだから、やっぱ強いわ〜。
さて、5位はジュンファン。彼もほんと、すっばらしかったんだけどなぁ。彼といい、4位のペトロフといい、あれだけ良い演技をして表彰台に乗れないとは。
これらの上位5人は、ジュニア総合得点歴代トップ5のスコアとのこと。なんちゅーハイレベルな戦いや(滝汗)。
ディフェンディングチャンピオンのサモヒンは、総合6位。SP16位→FS2位と大きくジャンプア〜ップ☆ SPで大きく出遅れた後のFSで、実力を発揮するのはたいへん難しいと思うのだが、みごとやってのけるあたり、ほんと、ハートの強い選手だ。あとはSPとFS、2本そろえられればなぁ。来季見られるものと期待している。
7位のエイモズは、最後の世界ジュニアで良い演技ができて、ほんとよかった。最終グループを滑った他の5人と比べると、ジャンプ構成に弱さがあるが、それを補って余りある、卓越した音楽表現をもっている。JGPですでにハートをガッチリつかまれていたが、本大会で完全にとどめを刺された(笑)。
9位の友野くんは、ミスがあったにも関わらずFS7位。彼の上にいるのは、上位5人&サモヒンということを考えると、その素晴らしさがよく分かる。来季からはいよいよシニア。踊り心あふれる素敵なプログラムをまた見せてください☆
14位の高志郎くんは、どうやら腰を痛めていたらしい。やっぱそうか〜。FSの演技は、少し精彩を欠いていたもんな〜。良いコンディションで臨めず、非常に残念だった。でも、友野くんは昨季世界ジュニアを経験したことで、今季の飛躍につながったし、高志郎くんにとっても、ぜひそうなってほしい。